井島鍼灸院ブログ

2013.01.16更新



私が班長をさせて頂いている(公社)生体制御学会の生体防御免疫疾患班により、(社)全日本鍼灸学会学術大会において報告させて頂いた「花粉症に対する鍼治療効果の研究」を紹介致します。

本日は2008年に橋本高史先生が代表で報告した「アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の検討(第3報) -スギ花粉飛散期における鍼治療効果の検討-」を紹介します。










































【目的】
花粉症の症状に影響を与える花粉飛散量や気象条件は毎年変化する為、東洋医学研究所Rグループにおいて、過去2回同様花粉症に対する鍼治療の有効性を、日本アレルギー性鼻炎QOL調査票(JRQLQ) No.1、2、鼻アレルギー診療ガイドラインを用い検討したので報告する。

【方法】
2007年2月から4月末までに東洋医学研究所Rグループ9施設において、花粉症の症状を訴えた患者43名を対象に、週1回以上の頻度で鍼治療(黒野式全身調整基本穴を用いた太極療法)を施し、JRQLQを用いて1回目調査時と鍼治療7回終了後の2回目調査時を比較検討した。

【結果】
3年間の調査から花粉飛散量の変化による症状を比較すると、飛散量の多少に関わらず同程度の症状が発症していた。

2007年の調査では鼻・眼の症状とQOL質問項目、花粉症重症度において改善傾向が認められ、目のかゆみとQOL質問項目6因子中の3因子、総括的状態で有意な改善(p<0.05)が認められた。

【考察】
今回の調査で鼻・眼の症状、QOL質問項目、花粉重症度において改善傾向が認められ、5項目で改善が認められたことから、鍼治療は花粉症の治療に有効である可能性が示唆された。

3年間の花粉飛散量の変化による症状を比較すると、飛散量の多少に関わらず同程度の症状が発症していたことは、大久保等の花粉大量飛散年と平年並の飛散年の症状の程度に差は認められなかったとの報告と一致していた。

【結語】
3年間の研究結果から、花粉飛散量が変化しても症状に大きな変化は認められなかった。

花粉症の症状に対する鍼治療の有効性については、JRQLQを指標とし検討したところ、鼻・眼の症状やQOL質問項目、総括的状態、花粉症重症度において有効であることが示唆された。


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投稿者: 井島鍼灸院

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