井島鍼灸院ブログ

2015.07.01更新

東洋医学研究所のホームページでは、東洋医学研究所グループの先生方が順番にコラムを担当して頂いています。
今回は、インフルエンザワクチンについて ー免疫力を考えるー と題して東洋医学研究所®グループ海沼鍼灸院の
海沼英祐先生のお話を紹介させて頂きます。


インフルエンザワクチンについて
      ―免疫力を考える―

      東洋医学研究所Ⓡグループ海沼鍼灸院
                         院長 海沼英祐

○はじめに
 インフルエンザは、毎年流行して集団感染をひきおこします。厚生労働省ホームページのインフルエンザQ&Aでは、「インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃ 以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等全身の症状が突然現れます。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。お子様ではまれに急性脳症を、御高齢の方や免疫力の低下している方では肺炎を伴う等、重症になることがあります。」と説明されています。
 近年では、高齢者や乳幼児、妊婦、年齢性別を問わずインフルエンザに罹患すると重篤な合併症や死亡する危険性が増加する人を中心に、インフルエンザ予防ワクチン接種を医療機関でさかんに勧めるようになりました。
 今回は、インフルエンザワクチンを調べることから、免疫力について考えてみたいと思います。

○ インフルエンザワクチンとは何か?
 現在使用されているインフルエンザワクチンは、ワクチン製造用のインフルエンザウイルスを発育鶏卵に接種して増殖させ、その後ウイルスを薬剤処理して不活化(体内に入っても病気が発症しない状態)したものでHAワクチンと呼ばれています。
 インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスの感染や発症を完全には防ぐことはできません。ある程度の発病を阻止する効果があり、たとえかかっても症状を重くなることを阻止する効果があります。

○ インフルエンザワクチンの問題点
 インフルエンザワクチンには、問題点もいくつかあります
① ワクチン接種を受けてもインフルエンザに罹患する場合があります。この場合では患者はウイルスを外部に排泄し感染源となります。
② インフルエンザワクチンは、次のシーズンの流行ウイルスを的確に予想して、この流行予測に基づいて適切な抗原性を持つウイルスをワクチン株として選択していかねば効果が期待できません。つまり、流行するウイルスに対応したワクチンでないと、予防接種としての役割を果たさないということになります。
③ 一般に不活化ワクチンによって得られる免疫は、時間経過とともに低下していきます。インフルエンザワクチンによる有効な防御免疫の持続時間は3ヶ月程度と短いため、毎年シーズン前に接種を繰り返す必要があります。
④ 現行のインフルエンザワクチンは皮下接種されています。しかし、不活化ワクチンの皮下接種では、インフルエンザウイルスの感染防御に中心的役割を果たすと考えられる気道の粘膜免疫や、回復過程に重要であると考えられる細胞性免疫がほとんど誘導されません。これは、インフルエンザウイルスの感染そのものを防御するという面では大きな短所であると考えられます。

○おわりに
 今回は、毎年流行するインフルエンザに対して有効な予防対策であるインフルエンザワクチンについて調べてみました。インフルエンザワクチン接種による効果は、世界各国で認められています。しかしながら、ワクチン接種したにもかかわらずインフルエンザを発病する人や症状が重症化する人も存在します。
 東京都の福祉保健局が示したインフルエンザ対策ポイントとして
①こまめな手洗い
②休養・栄養・水分補給
③咳エチケット
④適度な室内加湿・換気
⑤ワクチンによる予防接種
の5つがあげられています。
 しかし、ここにもうひとつ免疫力が最大限に発揮されるような体作りである「体調管理」を対策ポイントに加えていただきたいと考えます。
 インフルエンザウイルスは、体内に入れば必ず発病するものではありません。休養や栄養補給をはじめ、体調管理を十分に行うことにより体の代謝を上げて免疫力の高い状態に維持することで、インフルエンザウイルスが体内に入っても自己免疫力でウイルスを駆逐することが可能です。また、ワクチン接種をおこなった人も体調管理に注意することによって、さらに発病や症状悪化の阻止につながります。以上のことから、インフルエンザ対策ポイントとして「体調管理」を加えた6つのポイントを注意していただきたいと考えます。
 ここで、体調管理に鍼治療を提案させていただきたいと思います。
 東洋医学研究所の黒野保三所長は、鍼治療による体調管理を行うと免疫力が増強することについて研究され、いくつもの研究論文を書かれました。黒野先生の生体制御療法により、NK細胞の活性化や免疫力が向上することが報告されています。鍼治療による体調管理で得られた元気な体は、強い免疫細胞を産生し、ウイルスなどの侵入時には素早い免疫系の対応を可能にします。そうした元気な体作りを行いながら、他のインフルエンザ対策ポイントを実行することで、より質の高いインフルエンザ対策が行えます。さらに、インフルエンザの流行シーズンだけでなく、日頃から鍼治療による健康管理を行うことは元気な体を作るのにとても有効です。
 ぜひ生体制御療法による鍼治療を健康管理に活用して下さい。

投稿者: 井島鍼灸院

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