東洋医学研究所のホームページでは、平成27年3月より、東洋医学研究所グループの山田篤先生に糖尿病通信を担当して頂いています。
今回は、「糖尿病通信3 ‐糖尿病治療の目標‐」を紹介させて頂きます。
糖尿病治療の目標
糖尿病とは簡単に言いますと、「血液中に必要以上に余った糖(高血糖)が、長い間かけて じわじわと身体中をおかしくする」という疾病です。
では、糖尿病と診断されたとして、糖尿病の 治療が始まる訳ですが、その糖尿病の治療目標は何を目指しているのでしょうか?
答えは、「健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、健康な人と変わらない寿命 の確保」です。「維持、確保」とは書かれてい ますが、糖尿病の「完治」とは書いてありませ ん。
つまり、残念ながら今現在、糖尿病自体は治せない、完治しない疾病だということです。
しかし、「完治しない」とも書いてはなく、 「維持、確保」と書かれています。つまり、健康な人と変わらない生活が「維持」でき、寿命 も「確保」できる方法があるということです。
そのためには、「血糖、体重、血圧、血清脂 質の良好なコントロール状態の維持」をするこ とが治療目標になり、特に血糖コントロール目標は以下のように定められています。
健康維持、寿命確保のためには合併症を予防 することが大切なため、HbA1c(過去1~2ヶ月 間の平均血糖値を反映)7.0%未満が、まず目 指す目標になります。
次回は、何故HbA1c:7.0%未満なのか、とい うお話です。