井島鍼灸院ブログ

2016.12.14更新

東洋医学研究所のホームページでは、東洋医学研究所グループの先生方が順番にコラムを担当して頂いています。
  今回は、「痛み止めの湿布薬の副作用 ー光線過敏症についてー」と題して東洋医学研究所®グループ 二葉はり治療院の甲田久士先生のお話を紹介させて頂きます。



痛み止めの湿布薬の副作用
   ―光線過敏症について―

東洋医学研究所®グループ二葉はり治療院  
      院長 甲田 久士

はじめに

 肩や腰が痛いと訴えて 医療機関に訪れる患者さんは、痛みの症状を和らげるために湿布薬を処方してもらうことが多いで す。痛みは体からの警告信号ですが、治療を受けて早くその痛みを体から取り除くことが必要です。 我慢をしていると慢性痛に変わり、日常生活に大きな障害をもたらします。 しかし、湿布薬にも副作 用があります。

 今回は、「痛み止めの 湿布薬の副作用(光線過敏症)について」という テーマでお話させていただきます。

 みなさんは湿布薬の注意書きを読んだことがありますか?

「湿布薬の副作用について、貼付部を紫外線にあてると光線過敏症を起こすことがあります。

(1)戸外に出るときは天候にかかわらず、濃い色の衣服、サポーター等を着用し貼付部を紫外線にあてないでください。

(2)はがした後、少なくとも 4週間は同様に注意してください。」

と記載がされています。

 鍼灸院に来院する患者さんの中にも肩や腰、筋肉痛の治療に医療機関で処方された湿布薬を使用し、湿布薬を貼付した部分がかぶれてしまっている方によく遭遇します。長時間湿布薬を貼ったままでいると汗でむれ、かゆくなったり、湿布薬に含まれる成分に反応してアレルギーを起こし発疹がでることがあります。

 アレルギー性のかぶれには、貼っただけで症状が出る場合や、貼った部分または湿布薬をはがした部分に日光が当たることによって症状が出現する場合があります。


光線過敏症とは

 処方された湿布薬には鎮痛成分が含まれています。その中の一つである「ケトプロフェン」という成分が光線過敏症を引き起こします。湿布薬を貼ったまま紫外線を浴びると、貼った場所に発疹、腫れ、かゆみ、水ぶくれなどの症状が表れます。湿布薬を貼った部分がパ ンパンに腫れ上がったり、 全身に広がる場合もあります。


対策は

 傷口や湿疹・発疹がある皮膚の部分には湿布薬は使用しないこと、決められた量と回数を守ること、長時間貼りっぱなしにしないこと、汗をかいたら貼りかえること、できるだけ使用を続けないこと等を心掛けることが大事です。

 湿布薬を貼るところも日光が当たる皮膚には貼るのを避けた方がよいでしょう。かぶれてしまったらすぐに湿布薬の使用を中止することです。

 前述したことが基本的な対策ですが、はがした後も湿布薬を貼った皮膚の部分に成分が残っていて一週間以上たってから症状が表れる例もあります。少なくとも一ヵ月はその部分に直射日光はもちろんのこと、ガラス越しや薄手の衣類を透す紫外線も当てないようにしましょう。

 最初は症状がなくても、 何度も繰り返し湿布薬を使用しているうちに光線過敏症の反応が強くなって重症化する例もありますので注意が必要です。


おわりに

 痛みは我慢せずに湿布に頼らず、急性期に適切な治療を受けなければいけません。
 鍼治療の鎮痛効果は、 痛覚抑制系に働くと考えられ、さらに自律神経系、免疫系、内分泌系にフィードバックされ生体の歪みを元に戻そうとします。
 東洋医学研究所®所長黒野保三先生は各種疼痛 疾患に対して鍼治療と超音波の併用治療で約92 % の有効率を報告されてい ます(黒野保三先生の研 究業績参照)。
 湿布薬には前述したように副作用があります。鍼治療には副作用もありません。黒野保三先生の治療方法は神経生理学・ 解剖学の基礎実験から実証医学的に証明された裏付けのある治療方法です。
 痛みを感じたら湿布薬を使用せずに、ファーストチョイスとして鍼治療をお勧めします。

投稿者: 井島鍼灸院

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