2013.01.10更新
花粉症に対する鍼治療効果の研究紹介(1)
昨日のブログで花粉症について紹介させて頂きました。
その中で、「黒野保三先生のご指導のもと、私が班長をさせて頂いている(公社)生体制御学会の生体防御免疫疾患班により、第55回~61回(社)全日本鍼灸学会学術大会において報告させて頂いております。」と紹介しました。
そこで、どのような研究であるのか、2005年に行ったものから順に詳しく紹介しようと思います。
まず、鍼灸院に来院される患者さんの花粉症の状況についての研究です。
アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の検討
-2005年スギ花粉飛散期の動態調査- 中村覚先生が代表で報告しました。
【目 的】
わが国における花粉症の有症者は15~20%と云われ、特に花粉飛散期に生活の質(QOL)が著しく障害される人が多いことからQOL調査が重要視されている。
今回、東洋医学研究所®グループにおける鍼治療継続患者に対して日本アレルギー性鼻炎QOL調査票(JRQLQ)を用い、花粉症によるQOL障害の調査及びJRQLQの有用性を検討したので報告する。
【方 法】
2005年1月1日~4月30日までに花粉症症状を訴えた鍼治療継続患者35名を対象に、JRQLQ No.1・No.2とアレルギー性鼻炎重症度判定項目を使用した。
【結 果】
JRQLQ No.1Ⅰでは「やや重い」以上の割合は、眼のかゆみが57.1%で最も多かった。No.1ⅡQOL障害の程度では「ややひどい」以上の割合は、外出の支障が37.1%で最も多かった。鼻・眼の症状とQOL障害の程度の間に高い相関が認められた。JRQLQ No.2 鼻・眼以外の症状では「すこし」以上の割合は、口が乾くが40.0%で最も多かった。重症度判定では中等症以上の割合は91.4%であった。
【考 察】
JRQLQ No.1Ⅰでは、花粉症特有の眼のかゆみにおいて57.1%が「やや重い」以上であり花粉症に対する調査対象が妥当であったと思われる。
No.1Ⅱでは、野外活動・外出の支障が特に障害されており、花粉症に代表的なQOL障害が認められた。鼻・眼の症状とQOL障害の程度の間に高い相関があり、JRQLQの臨床妥当性が認められた。
JRQLQ No.2では、花粉症による味覚の障害は低いことがわかった。
重症度判定では、重症度とQOL調査票との間には相関が見られなかったが、その理由としては日常生活の障害項目が反映されないことが関与していると思われる。
【結 語】
眼のかゆみ、外出の障害など花粉症特有の障害が高かった。JRQLQの臨床妥当性が確認でき有用性が認められた。JRQLQの重症度判定基準については症例を集積しさらに検討する必要がある。
この研究から、JRQLQを使用することにより、患者さんの鼻・眼の症状やQOLの状態がわかり、鍼治療効果の検討ができることを確認できました。
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2013.01.09更新
花粉症について
花粉の飛散開始日とはどのように決められているのでしょうか?
その前に、花粉の観測方法についてご紹介します。
一般に、飛散してくる花粉の測定には通常ダーラム型と呼ばれる装置が用いられています。
中央には顕微鏡などで使われるスライドグラスが固定されていて、更にその上にワセリンを塗った1.8cm四方のカバーグラスが設置されています。
通常この装置は、ビルの屋上などに置かれています。
毎日決まった時間(普通は朝9時)にカバーグラスが交換されます。
1昼夜装置の中に置かれたカバーグラスの上に飛散し、付着した花粉は顕微鏡で1個1個の種類を判別しながら目で数えていきます。
各地のスギ花粉飛散量などの情報提供は、研究者や保健所の方々のこのような地道なボランティア活動によって支えられています。
そこで、飛散開始日とは?
ダーラム型花粉採集器にて1cm2あたり1個以上の花粉が2日以上連続して観測された最初の日をいいます。
カバーグラスの面積は3.24cm2(1.8cm×1.8cm)であり、この中に4個以上花粉があると1cm2あたり1個以上となります。
この状態が2日間以上続くと最初の日が飛散開始日となります。
本格的な花粉の飛散シーズンの幕開けと考えてください。
今年は、花粉の飛散量が多いと報道されています。
花粉の飛散量が極端に少ない年は、花粉症症状がほとんど出ませんが、一定以上の飛散量の場合は飛散量が増えてもそれほど症状に変化はありません。
このことは、黒野保三先生のご指導のもと、私が班長をさせて頂いている生体防御免疫疾患班により、第55回~61回(社)全日本鍼灸学会学術大会において報告させて頂いております。
テレビなどで、今年の花粉はすごいというような表現がされていますが、過剰な心配はしないで、体調を整えることを考えて頂きたいと思います。
前もって鍼治療を受けておくと、花粉症症状を緩和できます。
是非、副作用のない鍼治療を試してみて下さい。
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2013.01.07更新
新年会に参加しました。
昨日は、師匠の黒野保三先生が会長を されている二葉清友会の新年会に参加させて頂きました。
全国の黒野先生にゆかりのある方々や、弟子が集まる会です。
新年会の初めには、毎年恒例となっているのですが、参加者全員が今年の抱負を披露する時間があります。
私は「今の時代に日本という国に生まれ、黒野先生にお会いできたことを幸せに感じています。今年は感謝と謙虚の心を忘れずに、楽しく過ごしていきたいと思います。」と抱負を述べました。
世の中が動いています。乗り遅れないように自分も体を動かしていきたいとあらためて思いました。
たいへんなごやかな雰囲気の中、おいしいごちそうを頂き、カラオケやお年賀抽選会などのプログラムが行われました。
この新年会が終わると、お正月気分に区切りがつき、今年一年頑張るぞという気分になります。
このような会に参加させて頂けることに心から感謝し、少しでも恩返しできるように努力を続けていきたいと思います。
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2013.01.02更新
あけましておめでとうございます。
あけまして、おめでとうございます。
昨年中は、たいへん多くの方々にお世話になり心から感謝申し上げます。
本年も、何卒、宜しくお願い申し上げます。
この年末年始にいろいろなテレビ番組を見て感じたことは、日本には様々な分野で、一生懸命努力された方、現在努力され続けている方が多くいらっしゃることです。
東日本大震災からの復興に向けて、頑張り続けておられる方々や、農業、林業、医学、伝統芸能や科学技術、各種サービスなど、時間をかけてまねのできない努力をされておられる方々が紹介されていました。
師匠であります黒野保三先生も、鍼灸の正しい進歩発展のために長年にわたり尽力されています。
黒野保三先生に指導して頂けることに感謝し、本年は鍼治療を必要としている患者様に正しく情報が伝わり、安心して鍼治療を受けて頂けるための具体的な方法を考え実行していきたいと考えます。
そのことが、一人でも多くの方の幸せに繋がるよう、頑張りたいと思います。
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2013.01.01更新
コラム紹介 健康長寿は自己管理と鍼治療
謹賀新年
明けましておめでとうございます。
私達は、なんとか病気にならないように、元気で長生きでき、家族や人に迷惑をかけないようにと願って日々努力しております。
2007年の内閣府による高齢者の意識調査では、60%以上の国民が「自宅で療養したい」と回答しております。
また、要介護状態になっても、自宅や子供達、親族の家での介護を望んでいる人が40%を超えたと報告しており、住み慣れた所でできるだけ長く生活できるように、在宅医療を推し進めることが必要であると結論づけております。
この大きな流れに沿って、幾つかの具体策が打ち出されており、自分の健康や長生きに関しては、自己管理が一番大切だという事になります。
要するに、健康や長生きは高齢になってからでは遅く、老若男女すべての人が健康・長寿の自己管理を始めて頂きたいと思います。
人は動物であり、読んで字の如くで、人間は動く物で、ひたすら歩いて生活をしてきた生物であり、現代においても、健康と長寿の秘訣は歩く事が第一であります。
私が患者さんに歩きなさいと話しますと、「先生に歩けと言われて歩いたら膝が痛くなった、腰が痛くなった」と言われる方がおられます。要するに、普段歩いておられない方が急に多く歩きますと、かえって体調を悪くされる事があります。
したがって運動をする順序が大切であり、歩く事は最初20分位にして、1週間続けて問題が起こらなければ、5分位多く歩き、1週間問題がなければ、また5分追加するという具合にして、40分位歩き続けるようにして下さい。
また、歩く時に意識を脳に伝えるようにすることが大切です。
人の健康には基準が示されておりませんが、私は日常生活が不自由なく動ける事、三食が充分摂れる事、夜良く眠れることが健康であると定義づけたいと思っております。
孫思バク(A.D.581-673)は「未だ病まざる病を治す」と言って「未病治」を強調し、「上医ハ未病ヲ治ス」「中医ハ人ヲ治ス」「下医ハ病ヲ治ス」と鍼医師をランク付けております。
貝原益軒は、「鍼治療によって生ずる利益は薬や灸よりもすみやかに現れる。ゆえに良くその利と害とを検討しなければならない。強くしてひどく痛む鍼はよくない。早く病気を治そうとして、かえって病気が加わる。これは良くしようとして悪くすることであり、大いに用心しなければならない。」と鍼医師の心得を説いております。
私の鍼治療は「第一に健康で長生きのするため治療を行なう。
第二は病人の持つ心痛と病気を取り除く治療を行なう。
第三に病がこれ以上ひどくならないように治療を行なう。」であります。
良い治療効果を得るためには鍼医師と患者が一緒になって病気を治す心が必要であると考えております。
高齢の方は老化と病気をしっかりと診ないといけません。
病気は治すことが必要です。老化は治らないけれども、老化を遅らせることはできます。
病気によって出る症状は早く治りますが、老化によって出る症状は年数がかかります。
いずれにしても鍼治療は根気よく続けることが必要になってきます。
しかし、病気によっては1回の鍼治療ですっかり良くなることも多くあります。
東洋医学研究所®では、健康維持の鍼治療は週1回以上、病気を治す鍼治療は週2回以上を原則としております。
要するに、健康と長生きは自己管理によって作られるものだと言いたいのです。
健康と長寿のためにできるだけ朝歩くことをお勧めしたいのです。
朝は排気ガスも少なく、爽やかで心も豊かで朝食もおいしく頂けると思いますので、ぜひ朝散歩をして、朝食をしっかり頂いて一日元気に過ごされる事を願ってやみません。
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