井島鍼灸院ブログ

2013.03.30更新

今回は、東洋医学研究所®のホームページの中で、私が担当させて頂いたコラムを紹介させて頂きます。

今回は、生体防御免疫疾患(アレルギー疾患や、風邪症候群、関節リウマチ、癌など、免疫の影響を強く受けると考えられる疾患)に使用される経穴の中で、大椎穴、気戸穴、合谷穴、身柱穴、天突穴を紹介させて頂きます。

 病気の治療に使用する経穴を選ぶ根拠に、古典文献があります。そこで、黒野保三先生の発案により、10年前より、各病気に対してよく効くといわれている経穴のうちから古典文献や穴名考などを根拠に数穴優先順位をつける作業を行ってきました。

 方法は、中国や日本の代表的な鍼灸に関する古典文献50冊あまりを調査・分析して著された「鍼灸医学ー経絡経穴の近代的研究ー」(竹之内診佐夫・濱添圀弘著)に掲載されているすべての主治症と経穴との関係をコンピューター(エクセル使用)に入力し、主治症別(590疾患・症状)、科目別(21科目)、経穴別(357穴 のべ経穴数4715穴)に抽出・集計できるようにしました。

 その結果から、生体防御免疫疾患について抽出すると、主治症が28疾患あり、経穴が158穴掲載されていました。その中で多く使用されている経穴は、大椎穴5回、気戸穴5回、身柱穴4回、天突穴4回、廉泉穴4回、合谷穴3回、陽谿穴3回、彧中穴3回、兪府穴3回、気舎穴3回、水突穴3回でした。

 そこでさらに、回数の多い経穴を1穴づつ細かく検証した結果から、古典文献からの生体防御免疫疾患の代表穴として大椎穴、気戸穴、合谷穴、身柱穴、天突穴について紹介させて頂きます。

大椎穴(骨の位置から名前が付けられました。)

位 置  背部、第七頚椎・第一胸椎棘突起間。

穴名考  大は、大きい。椎は脊椎骨。脊椎骨の大きなもの。いわゆる、頚を前に倒すと、一番大きい椎骨、第七頚椎棘突起があり、その下にある穴の意味です。

主治症  発熱、鼻塞り、舌炎、扁桃炎、胸膜炎、風邪、喘息、気管支炎、肺炎、不眠症、骨および脳脊髄疾患。 

 

気戸穴(治療効果から名前がつきました。) 

位 置
  胸部、鎖骨の下、乳頭線上。

穴名考  気は、身体の根本となる活動力。戸は物の出入口。気の入るところ=肺の上部にある穴、気の入り口=気管の病変に効ある穴の意です。

主治症  喘息、気管支炎、百日咳、咳嗽、呼吸困難、肺炎、胸膜炎、肋間神経痛、扁桃炎、乳腺炎、肩背部疼痛。


合谷穴(経穴の位置を意味します。)

位 置   手背部、親指と中指の中手骨接合部の前の陥凹部。

穴名考  合は、三人の意見が集り合意すること。谷は、泉より湧き出て山との間を通って川に入るまで、山合の水の通過するところ。したがって合谷は、合は合う、谷は山間のくぼみ、山間のくぼみの閉じるところ、第一・第二中手骨の間の閉じる部すなわち上際にある穴の意味です。

主治症  発汗を当とする。風邪、間歇熱、脳充血、高血圧、咽喉炎、扁桃炎。

 



 

身柱穴(感染症や精神疾患に使用されます。)

位 置
  第三・第四胸椎棘突起間。

穴名考  身柱は、身は身体、柱ははしら、身体の柱、脊柱を表す。臓腑の最上部の、支え柱に当たるところの穴の意味です。

主治症  脊髄炎、脊髄カリエス、喘息、肺炎、気管支炎、肺疾患、胸膜炎、精神病を主る。脳充血、高血圧。

 

天突穴(場所を意味する経穴です。)

位 置  胸骨の上のくぼみ。

穴名考  天は上で鎖骨より上を天の部という。突は急に出る。胸部より気管が、頚部に急にでてきているところ。胸骨柄の上部の気管の前にある穴の意味です。

主治症  咳止め・痰の症状一切に応用します。気管支炎、 喘息、呼吸器疾患、咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎、バセドウ病、嘔吐、食道痙攣、心疾患。


  経穴の実証医学的研究

 東洋医学研究所®所長の黒野保三先生の論文「ダン中(CV17)への鍼刺激は心拍変動の心臓迷走神経成分を増加させるが、中庭(CV16)への刺激では増加しない」が、2011年1月6日、オートノミックニューロサイエンス誌に原著論文として掲載されました。

 この研究論文は、自律神経系機能を調節する経穴の特異性の存在に対する強い科学的根拠を与えている世界初の論文です。 

 また、黒野保三先生の論文「心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価 -腹部鍼刺激に対する自律神経反応の評価-」が、日本自律神経学会雑誌の自律神経49巻4号に原著論文として掲載されました。

この研究論文は、腹部の経穴に鍼刺激(筋膜上圧刺激)を行うことによって心臓迷走神経の亢進を証明した世界で初めての論文になります。

 これら一連の研究の一つに、「心拍変動解析・胃電図による鍼刺激に対する自律神経反応の評価 -中カン穴への鍼刺激に対する自律神経反応の評価-」という研究があり、中カン穴への鍼刺激は、胃の活動には影響を与えないという結果が報告されています。

 このような研究結果をふまえて、黒野保三先生から、経穴の効果について古典文献から紹介することは、今後、慎重にしなければならないと教えて頂きました。

  このことは、古典文献などを単純に信用することの危険性を警鐘するとともに、今後の経穴の特異性に関する研究の重要性を示されたと思います。

 これまで、古典文献から調査した「経穴について」は、婦人科疾患、循環器疾患、消化器疾患、精神科疾患、泌尿器疾患、生体防御免疫疾患に使用される経穴を紹介させて頂きましたが、ここで一区切りとさせて頂きます。

 次回の私のコラム担当のときは、(公社)生体制御学会生体防御免疫疾患班の班長をさせて頂いている関係で、生体防御免疫疾患(アレルギー疾患や、風邪症候群、関節リウマチ、癌など、免疫の影響を強く受けると考えられる疾患)について分かり易くご紹介したいと考えております。是非、楽しみにしてください。

文 献 
・黒野保三.鍼灸医学概論〈改訂増補〉.エフエー出版.1996.
・黒野保三.臨床鍼灸医学.エフエー出版.2001.
・Kurono, Y., Minagawa, M., Ishigami, T., Yamada, A., Kakamu,T,. Hayano,J., 2011. Acupuncture  to Danzhong but not to Zhongting increases the cardiac vagal component of heart rate variability. Autonomic Neuroscience: Basic and Clinical.161,116-120
・黒野保三,各務壽紀,皆川宗徳,石神龍代,山田篤,早野順一郎.心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価-腹部鍼刺激に対する自律神経反応の評価-.自律神経雑誌.2012;49(4):251-256
・竹之内診佐夫.濱添圀弘.鍼灸医学.南山堂.1977.
・日本経穴委員会.標準経穴学.医歯薬出版株式会社.1989.

 



 

投稿者: 井島鍼灸院

2013.03.29更新

東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回健康しんぶんを発刊して頂いています。

その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。

今回は平成25年4月1日に発刊される第23刊健康しんぶんから、「経穴について(5)」です。


経穴(ツボ)への刺激はどのように行う事がいいのでしょうか?以前に紹介させて頂いた経穴に存在するポリモーダル受容器の反応から考えていきましょう。

受容器というのはその刺激を感じ取る場所です。このポリモーダル受容器は重要な経穴がたくさんある腱や筋への移行部にはたくさんありますが、内臓にまで広く分布していることが知られています。今回は実験が実験結果から考察します。

この精巣部では熱刺激、機械的刺激、化学的刺激すべてに対して同じ神経が反応したので、その刺激を受け取る受容器はポリモーダル受容器と判断されました。

この受容器から単一の神経を一本取り出し、神経の反応をオシロスコープで観察すると共にレコーディング用紙で記録できるようにセットを組み、実験を行いました。

鍼の刺激は物理的刺激になるため、今回は圧刺激を行い検討されました。精巣部は漿膜を露出させた状態で極弱い刺激から刺激を行い、その反応を確認しました。

用いた刺激量は弱刺激として鍼による10~20グラム程度の圧迫となる刺激と、強刺激として鍼による40~60グラム程度の圧迫となる刺激を用いました。その結果として非常におもしろい結果がでました。

一般的に強い刺激の方が神経反応を大きく長く続くようなイメージがあります。しかしながら、鍼を連続して行う実験をした結果、弱刺激では何度鍼を刺しても、神経が同じレベルで反応していたのに対し、強刺激では最初の数秒間は神経が強く反応しましたが、その後時間経過とともに反応が消失しました。

また、同じ箇所に再度、圧刺激を加えても反応しませんでした。

この実験から、20グラムの圧力で漿膜を圧迫する程度の強さがポリモーダル受容器に持続的な刺激を与えるということ、そして、それが鍼の適切な刺激量であることが分かります。

このように鍼の効果的な刺激方法が実証的研究で証明されました。

経験的になんとなく分かっているだけでは、医療にはなりません。

サイエンスとして証明された医学にもとづく経験が、確かな医療効果を発揮することは当然であることは理解できるでしょう。

投稿者: 井島鍼灸院

2013.03.27更新

三叉神経は顔面の左右ともに3本に分かれています。
三叉神経痛は、顔面の感覚情報を脳に伝え、物をかむときに使う筋肉をコントロールしている第5脳神経(三叉神経)の機能不全による痛みです。
三叉神経は、顔面の左右ともに、上から第1枝(上まぶたから額、前頭部に分布)、第2枝(下まぶた、頬、上唇、鼻、上歯列などに分布)、第3枝(下顎、舌、外耳、下歯列などに分布)の3本に分かれています。
三叉神経痛は、このうち第2枝と第3枝の支配領域の顔面の片側が激しく痛むことが多くあります。
また、隣接する神経の支配領域まで痛みがひびき、後頭部や肩まで痛むことがあります。
発症頻度は、10万人に4~5人であり、高齢者の女性に多いといわれています。

少しずつ原因がわかってきました。
三叉神経痛の原因については、臨床症状の類似性からてんかん様神経痛と考えるなどいろいろ議論がありました。
最近では、脳の奥の脳幹部というところにある橋から数ミリ以内の三叉神経根部(三叉神経が脳から出てきたところ)で、動脈硬化によって蛇行した動脈が三叉神経を圧迫しているために三叉神経痛が起きると考えられています。
この三叉神経の根部分は中枢性ミエリン(神経を包んでいる鞘のようなもの)から末梢性ミエリンへの移行部で、最も弱い部分です。この部分が各種動脈による圧迫を受け、分節的脱髄(神経を包んでいる鞘が痛んでしまうこと)による異常な神経結合を起こし、三叉神経の機能不全に至ります。
その他、帯状疱疹の後遺症や多発性硬化症の症状であることもあります。

症状は顔面片側の突発的な激しい痛みが特徴です。
食事、洗顔、歯磨きなどが引き金になって、刺しえぐるような、焼けるような、切るようななどと表現される激しい痛みが片側の顔面に突然おこります。しかし、痛みのない時には全く異常はみられません。痛い部分が腫れたり、赤く熱を持ったり、しびれたりすることはありません。
三叉神経痛の特徴は、痛みが瞬間的なものが多いことです。
三叉神経は末梢神経に含まれますが、末梢神経というのは活動電流が流れて、神経の末端で神経伝達物質を出します。三叉神経も何万本という神経がばらばらに神経伝達物質を出しているので、顔の感覚を持続的に脳に伝えています。
機械的刺激などで神経伝達物質がいっきに出るような状態になると三叉神経痛が起こりますが、一度、痛みが始まると約30秒で神経伝達物質はなくなり、発作が止まります。そして、しばらくして神経伝達物質が補充されると、再度痛みが起こると考えられています。
また、三叉神経の第2枝と第3枝は歯に分布しているため、虫歯の痛みとまちがわれることも多くみられます。
さらに、この痛みは激烈なことが多いため、うつ状態になったり、食事ができないため体調を維持できなくなったりと、さまざまな不定愁訴を発症させる原因となることもあります。

鍼と超音波の併用療法
-三叉神経痛に対する効果-

昭和44年4月1日より昭和47年3月1日までの3年間に東洋医学研究所®に来院された患者の中の1336例について、黒野所長が鍼と超音波の併用療法による各種疼痛疾患に対する効果などを詳細に研究し、これを症病別に集計しました。
その中で三叉神経痛に対しての結果は、患者15名のうち9名が著効、3名が有効、1名がやや有効、2名が無効となり、13名の方に効果がみとめられたため、有効率は86.7%でした。以上のことから、三叉神経痛に対する鍼治療の効果が実証されています。

東洋医学研究所®では、このような三叉神経痛に対して全身の調整と、局所の症状改善を目的とした鍼治療をさせて頂いております。
是非、副作用のない鍼治療を受けられることをお勧め致します。 

投稿者: 井島鍼灸院

2013.03.26更新

坐骨神経痛は病名というより症状です。
坐骨神経は、末梢神経の中で最も太く長い神経です。第4、5腰神経と第1~3仙骨神経からなり、梨状筋(お尻の筋肉)の下を通って大腿(太もも)後面を下降し、膝の裏で総腓骨神経と脛骨神経に分かれます。大腿後面から足部にかけての広い範囲の運動と知覚を支配しているために、この神経が障害されると、片側の臀部、大腿後面、ふくらはぎが痛み、くるぶしやかかと、親指まで痛みが響くことがあります。このような症状を坐骨神経痛と呼んでいます。

原因は坐骨神経が刺激、圧迫、浸潤されることです。
坐骨神経痛は、坐骨神経が腰椎の隙間から出て骨盤をくぐり抜け、梨状筋から顔を出す間のどこかで刺激、圧迫、浸潤されておこります。坐骨神経痛の原因となる疾患には、椎間板ヘルニア、梨状筋症候群、脊柱管狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、腰部変形性脊椎症などがあります。
また、帯状疱疹、脊椎腫瘍、脊髄腫瘍などが原因になることもあります。

症状は臀部から、足にかけての痛みが特徴です。
安静にしていても、多少痛みが続いていることが多く、長時間の歩行で生じるものもあります。
せき、くしゃみなどで痛みが下方まで響き、痛み方は圧迫感や放散痛、電撃的な痛みなどさまざまで、からだを曲げたりすると痛みが強くなります。
痛みの他に、下肢のしびれ、知覚鈍麻(感覚がにぶくなる)、腱反射の異常、歩行障害などがみられます。
あおむけに寝て、まっすぐのばした下肢を上げていくと70°に達する前に、大腿の後面に激しい痛みが起こり、十分に下肢を上げることができないことがあります(ラセーグ徴候)。
また、痛みを軽くするために、痛まないほうの下肢に体重をかけ、からだを横に曲げた姿勢(坐骨神経痛性側湾)をとることも多いです。

鍼と超音波の併用療法
-坐骨神経痛に対する効果-

昭和44年4月1日より昭和47年3月31日までの3年間に東洋医学研究所®に来院された患者の中の1336例について、黒野所長が鍼と超音波の併用療法による各種疼痛疾患に対する効果などを詳細に研究し、これを症病別に集計しました。
その中で坐骨神経痛に対しての結果は、患者43名のうち28名が著効、2名が有効、5名が比較的有効、3名がやや有効、5名が無効となり、38名の方に効果がみとめられたため、有効率は88.4%でした。以上のことから、坐骨神経痛に対する鍼治療の効果が実証されています。

さらに、東洋医学研究所®では上記を参考に30年間にわたり坐骨神経痛に対する鍼治療を行い高い成果を上げています。また、その患者さんにあった坐骨神経痛に関する適切な生活指導もさせて頂いております。

是非、副作用のない鍼治療を受けられることをお勧め致します。  

投稿者: 井島鍼灸院

2013.03.23更新










今年も、治療院前の花壇に、隣の方の育ててみえるこぶしの花が咲きました。

桜よりも少し早く咲きますし、治療院の窓からよく見えるので、私にとって一番春の訪れを感じるものです。

今年は、桜の開花も大変早いそうです。

年々、気候の変化が激しくなっているような気がします。

急に気温が下がった時など、ぎっくり腰などで来院される患者さんがみえます。

体には十分気を付けて頂いて、明るい季節を楽しみましょう。

投稿者: 井島鍼灸院

2013.03.18更新

昨日は師匠の黒野保三先生が主催する、清友会の囲碁大会(毎月第3日曜日)が、が開催されました。

私の成績はというと、日頃黒野先生に教えて頂いているおかげと、運がみかたして準優勝でした。

囲碁に関して最近話題になっているのは、23才で囲碁界初の6冠を獲得した井山裕太さんです。

囲碁のタイトルには棋聖、十段、本因坊、碁聖、名人、王座、天元の7つがありますが、その内、名人を除く6冠を獲得したことになります。

子供のころ囲碁を始めて1年でアマ3段になり、とある大会に出場した所を石田邦生9段が「才能に惚れた」事によりスカウトし弟子としたそうです。

プロになってからは

第12期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦で小林覚九段を破り、初の棋戦優勝 (最年少記録)。
同年7段に昇段  (最年少記録)
棋聖戦リーグ入り  (最年少記録)
名人戦リーグ入り  (最年少記録)、
名人戦挑戦者に決定  (最年少記録)
名人タイトル獲得  (最年少記録)
タイトル獲得により9段昇格  (最年少記録)(最短記録)
本因坊リーグ入り (最年少記録)
NHK囲碁トーナメント出場 (最年少ノミネート)
十段タイトル獲得 (最年少記録)
2012年 本因坊 天元 十段 碁聖 の四冠達成。(最年少記録)(史上5人目)
その後王座も獲得して五冠達成 (張栩に継いで史上二人目)
2013年 上記タイトルに棋聖を獲得し、六冠達成(囲碁史上初)
オマケにグランドスラム(七冠すべてを経験)達成。(史上3人目) (最年少記録」

という驚異的な活躍をしています。

その一番の要因は、良い師匠に巡り合えたことだと思います。

本因坊獲得の際、真っ先に石井九段に電話したことなど、二人の師弟愛は有名だそうです。

私もよい師匠に巡り合えたことに感謝し、頑張っていきたいと思います。


 
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投稿者: 井島鍼灸院

2013.03.02更新

東洋医学研究所®グループの福田裕康先生の書かれたコラムを紹介させて頂きます。

胃の本当の役目は?

食べ物を消化する場所はどこですか?と聞かれた時、まず思い出すのは胃ではないでしょうか。

でも、胃を手術でとってしまっても、元気に生活してみえる方もいます。本当の胃の働きとは何でしょうか?

食べ物を食べますと口から食道を通って胃に到達します。胃に食べ物が入ると、平滑筋と呼ばれる胃の壁がゆるみ、胃が広がり、次から次へと送られてくる食べ物を貯留します。

そして、満腹になったという信号が脳に伝わるまで貯蔵されつづけるわけです。この食べ物を貯蔵するということが胃の本来の役割ということになります。

でも、消化のためにも大事な働きをしています。直接、体内で消化吸収をする場所は胃に続く小腸ですが、小腸は一度にたくさんの食べ物を送りこまれてしまうと、下痢をおこし、すぐさま排除しようとする機能が働いてしまうのです。

胃の運動はいつも同じ?

食事をすると胃が運動を始めます。そして、胃の場所によって違う運動をします。食べ物が入ってくるとたくさんの食べ物をためやすいように、胃の上の方はゆるんで開きます。

それと同時に胃の下の方では胃の中で食物を細かくするために一定のリズムで胃が収縮します。

また、胃には様々な素晴らしい機能が知られていますが、胃から排出される内容物の大きさを選別する機能があります。

胃の出口から小腸に出ていくことができる固形物の大きさは二ミリ程度です。それ以上大きなものはまた胃の上の方に押し戻され小さくなるまで排出されません。

では、胃の中で残ってしまったものは、その後どうなってしまうのでしょうか。実はそこに胃の運動のおもしろさがあったのです。

先ほど食事をすると胃が動き始めて消化を助けるように書きましたが、それでは空腹の時、胃は何をしているのでしょうか?

日本では、1960年代にそのきっかけとなる論文が群馬大学の先生らによって執筆されておりました。そこには、空腹時の方が規則正しい収縮で食後よりも大きな収縮がおこっていることが著されているのです。

それも1時間30分周期で食後の収縮の力の3から4倍の大きさでした。そして、もっと驚いたことに、空腹時の収縮は食後に広がった胃の上の方も含めた胃全体で収縮が起こっていたのです。

この力強い収縮には意味があり、胃で残ったカスを一気に掃除してしまうことができたのです。

この空腹の時間が胃の健康にとって重要だったのです。しかしながら、1日3食食べると完全な空腹になることが少なく、夜寝ている時にしか空腹がない人が増えてきました。

胃にとっていい生活をすることが快適な生活となる一助になるはずですが、それでもうまくいかない人もいます。胃の運動は胃に固有に持っている神経とそれをもっと中枢から制御する自律神経とで調整されています。

特に自律神経の中の副交感神経は胃の運動にとって大事な神経ですが、これは命令するだけではなく神経の数からすると逆
向きに働き、胃の情報を中枢に伝える能力を備えています。

胃の運動に対する鍼治療の効果も種々報告されるようになりましたが、胃を中心とした平滑筋と鍼灸については、まだまだ解らないことばかりです。

しかし、生活の質をあげるのに避けては通れないものばかりです。

平滑筋に興味をもっていただけるように、これからも紹介させて頂きます。 
 


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投稿者: 井島鍼灸院

2013.03.01更新

東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回健康しんぶんを発刊して頂いています。

その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。

今回は平成25年3月1日に発刊された第22刊健康しんぶんから、「経穴について(4)」です。

2011年に続き、2012年12月の自律神経雑誌に「心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価-腹部鍼刺激に対する自律神経反応の評価-」というタイトルで、東洋医学研究所の黒野保三所長の研究結果が掲載されました。

この論文には経穴に対する刺激方法によって変わる身体反応を評価できるという価値ある報告がなされています。

前号で経穴には有効な深さがあることが明らかにされました。

それでは、その刺激はどのようなものなのでしょうか?経穴の皮膚から五から七ミリの深さに刺入した鍼先は、筋肉の膜を貫くことなくその膜を圧する程度であることがわかりました。

黒野所長はこれを「筋膜上圧刺激」と命名され、論文に報告してきました。では、この刺激法はどのような特徴があるのでしょうか?

まず、筋膜を圧する程度なので、鍼を刺されても響くような感じやズーンとした重い感じが全くありません。そして、それ以上に治療に対する作用機序に違いがあったのです。筋膜を貫くような強い刺激は、痛いと思うのと似ているので早く鋭い反応がでます。

この反応の大部分は脊髄反射といって、その刺激が中枢である脳まで到達せず脊髄で返されてしまうのです。

もちろん、この刺激方法が必要な場合もありますが、それは、極わずかです。鍼治療のもっとも得意とするところは全身の調整です。

それには、有効な刺激が脳まで到達して、指令をだしてくれないと困るわけです。その中でも、自律神経の副交感神経を特異的に刺激できる方法が証明されたことは、現在医療の中でも画期的なことであることは間違いありません。

そして、もう一点、経穴の特異性という問題があります。その問題の解決への糸口を示してくださいました。わずか1センチの違いで反応が出なかったり、腹部の刺激だけに反応したりと、生体にとって有利な反応性の評価から今後の経穴の研究に必要な基礎を提供してくださいました。

まだ、経穴自身を100%説明はできませんが、これらの結果を参照すると、機能面からの推定はできやすくなったといっても過言ではありません。 


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投稿者: 井島鍼灸院

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