井島鍼灸院ブログ

2015.11.28更新

東洋医学研究所のホームページでは、東洋医学研究所グループの先生方が順番にコラムを担当して頂いています。
 今回は、お天気と体の関係と題して東洋医学研究所®グループかどむら鍼灸院の角村幸治先生のお話を紹介させて頂きます。 

 

お天気と体の関係 
  東洋医学研究所Ⓡグループかどむら鍼灸院
           院長 角村幸治

 「天候が悪いときは体がだるくて・・・」、「天候が悪くなるときに頭痛がする、持病のリウマチが痛い」、こんな話を一度は聞いたことがあると思います。また、経験している方も多いのではないでしょうか。今年の梅雨は7月に入って10日以上雨が降り続き、毎日雨というだけで憂鬱を感じる方も多くいました。また、梅雨明けから突然暑くなり、急激な温度変化についていけず、体を壊す方もいます。
 
このような「天候が悪くなると体の調子が悪くなる」ということはかなり昔から知られています。どのくらい前かというと、2500年以上前に書かれた古代中国の「黄帝内経素問」という本にも出てきます。私は鍼灸の古典を研究していますが、「黄帝内経素問」の81章中39章と約半分に気象と体について書かれていました。

例えば、「人の生命活動と自然環境には極めて密接に通じる関係があり、どうやったら病気にならずに長生きできるのか?」、という疑問から、「春夏秋冬の季節の変化に順応すれば病気になりにくい、暑いときはきちんと汗を出すことで体に熱がこもりにくく病気になりにくい、寒いときはきちんと寒さから身を守ることで病気になりにくい(黄帝内経素問第2章)」など、今にも通じる自然とうまくやっていく方法が多く書かれています。

昔はクーラーも暖房もホッカイロもなかったのでどうやったら自然と仲良く順応していけるのかという点で今よりも真剣に考えていたように思います。

最近、気象と体について研究が進んできています。2004年の(株)テルモの調査によると、「天候や気候の変化は体調と関係がある」と思っている人は81%と多くの方が気象と体について関係があると感じています。

実際に気象の変化で体調が悪くなる症状としては、①寒くなると肩がこる、②天候が悪い日が続くと憂鬱な気分になる、③乾燥すると全身がかゆくなる、④天候が悪くなると古傷が痛み出す、⑤天候が変化すると関節が痛くなるというような症状を感じています。

ドイツのHoppeらは気象の健康への影響を2002年に詳細に調べています。1046名への聞き取り調査で、55%の方が気象の変化が健康に影響すると感じていました。気象は低気圧の時と、雨が降る時に大きく影響を受け、頭痛が出やすい(61%)ことが
わかっています。ついで、うつ(27%)、めまい(26%)、集中力障害(26%)と、痛み、自律神経、精神症状に影響を及ぼしていることがわかりました。

このように、ドイツは気象と体についての研究が進んでおり、「健康予報」というものがあります。その中で特に「健康予報」を取り上げているのはドイツの全国紙の1つである「フランクフルターアルゲマイネ新聞(FrankfurterAllgemeine Zeitung)」の健康天気予報欄になります。

日本においても花粉症情報や熱中症情報、インフルエンザ情報などが予報されますが、フランクフルターアルゲマイネ新聞では、リウマチ、関節痛、筋肉痛、喘息、頭痛、めまい、血圧の変化などの病気の予報の他、精神状態(晴れやかになる、陽気になる、気分が悪くなるなど)、神経質、不眠、やる気(出てくる、なくなる)など精神的なものも予報の中に入っています。

日本とドイツでは気象が違うので、我々はHoppeらの報告を見て、日本においても同じような傾向になるのかを調査し、2015年8月の第33回(公社)生体制御学会学術集会において発表しました。
 
東洋医学研究所Ⓡ及び東洋医学研究所Ⓡグループの鍼灸院に来院された方の1013名中320名の方が「気象の変化で体の調子が悪くなる」と感じており、約3人に1 人の割合でした。この方々はめまい、頭痛、胃腸症状、だるさ、精神症状、肩こり、腰痛など様々な症状が出やすいことがわかりました。

この気象の変化による調子の悪さは自律神経が深く関わっており、黒野保三先生の研究により、鍼治療により自律神経が整うことがわかってきています。

気象の変化で体の調子が悪くなる方は鍼治療を試してはいかがでしょうか。

投稿者: 井島鍼灸院

2015.11.27更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は「風邪について」をご紹介させていただきます

風邪とは?
かぜ症候群というのが正しい病名です。
風邪は、鼻、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺といった呼吸器に、急性の炎症がおこる病気です。

炎症をおこす原因は、大部分がウィルスですが、細菌や非感染性因子の場合もあります。原因はちがっていても、表面に現れる症状は、くしゃみ、鼻みず、のどの痛み、声がれ、せき、発熱、頭痛、全身倦怠などいずれもよく似ているところから、「風邪」と一括して呼ばれているのですが、かぜ症候群というのが正しい病名です。


かぜ症候群の原因の大部分はウィルスの感染です
かぜ症候群の原因の大部分(80~90%)はウィルスで、インフルエンザウィルス、アデノウィルス、コロナウィルスなど200種類以上あり、ウィルスの種類により症状に若干の特徴がみられます。

ウィルス以外の病原微生物では、マイコプラズマやクラミジアのほかに、連鎖球菌などの細菌が原因となり、全体の10~20%をしめます。そして、残りの数パーセントは寒さやアレルギーなどの非感染性因子です。

東洋医学研究所®による研究報告
東洋医学研究所®によるかぜ症候群に対する鍼治療効果の研究は、「かぜ症候群の予防に対する鍼治療の有効性-多施設によるアンケート調査-」(全日本鍼灸学会雑誌59巻4号,416-420,2009)と題して報告されています。

この研究は、東洋医学研究所®及び東洋医学研究所®グループの12施設に来院した患者215名に対し、①鍼治療前の1年の風邪罹患回数、②鍼治療後の風邪罹患回数の変化、③鍼治療来院期間についてアンケートにより調査・分析したものです。
その結果は、鍼治療来院期間2年未満では風邪をひきにくくなったと回答した人は45.9%であり、2~4年で63.3%、4年以上で82.8%となり、長く鍼治療を受けることでかぜ症候群を罹患しにくくなったと自覚する患者が増えることが報告されています。

 

かぜ症候群予防のワンポイントアドバイス
一般の方ができるかぜ症候群に対する予防方法で、一番肝心で誰もができることは、体の調子や免疫力を高めることです。規則正しい生活、適度な運動、偏らない食事をすることや、過剰なストレスを受けないこと、生活に笑いを取り入れることなどが重要です。
以上のような自然な方法により免疫力を高める努力をしたうえで、マスクの着用、手洗い、正しいうがいを心がけることが必要です。

マスク
マスクをつけるときは、マスクの脇の部分と顔の間にすき間ができないように、特に鼻の部分を鼻すじに密着させ、あごまでしっかりと覆うことが重要です。
マスクを外す時はゴムひもを持ち、表面に触れないように処理をしましょう。

手洗い
石鹸を使い、①手のひら、②手の甲、③指の先、④指の間、⑤親指の付け根、⑥手首を最低15秒間、できれば30秒間くらいかけて念入りに洗うことが重要です。
その後、清潔なタオルで手を拭き、消毒液を使用するとよいでしょう。

うがい
外出後などに、時間がたつとウイルスが粘膜内に入り込んでしまうため、可能な限り早くうがいをすることがポイントとなります。
また、のどの正面は絶えず飲んだり食べたりして洗われているので、のどの奥の横を中心にうがいをした方が効果的です。実際には、頭を横にし、少し斜めに上を向いて、のどの横にうがいが当たるように「ガラガラ」と少し長めに行ないます。


東洋医学研究所®グループの井島鍼灸院では、長年にわたる基礎・臨床研究を根拠にかぜ症候群に対する鍼治療をさせて頂いております。
鍼治療により、生体の統合的制御機構の活性化をはかり、風邪をひきにくく、治りやすい体質をつくります。
さらに、かぜ症候群に罹患してしまった患者様に対しては、症状の緩和と早期の体調回復を目的とした鍼治療をさせて頂いております。
是非、安心して副作用のない鍼治療を受けられることをお勧めいたします。

投稿者: 井島鍼灸院

2015.11.26更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は「緑内障について」をご紹介させていただきます。

緑内障とは?

緑内障とは、眼球の内圧(眼圧)が異常に高くなるために、視神経が障害されて、しだいに視力が低下してくる病気です。

加齢にともなっておこりやすくなり、40歳以上の日本人の20人にひとりは緑内障との調査結果があります

しかし、症状に気づいていない人も多く、緑内障が日本における中途失明の原因の第2位であるであることからも、その対策は重要です。
 

原因は?

眼球が、その形を保ち、ものを見るという機能を正常に維持するためには、一定の眼圧に保たれることが必要です。この眼圧は房水と呼ばれる液体によって10~21mmHgに保たれています。

房水は毛様体で作り出され、水晶体のまわりを流れ、隅角と呼ばれる出口から眼球の外へ出て行きます。

緑内障は、ほとんどが隅角の問題によっておこります。

それは、隅角を虹彩の根元がふさぐ閉塞型と、隅角の排出路の機能に異常がおこる開放型とがあって、いずれも房水がうまく流れ出ずに、眼球内にたまるため眼圧が上がります。

この他に、眼球の先天的な発達異常による先天性緑内障、眼圧は高くても目の機能に異常がない高眼圧症、眼圧は正常なのに目の機能が低下する低眼圧緑内障があります。

また、これらの緑内障の発症には、ストレス、精神的不安、興奮などが関わっていることがしばしばあるため、情緒病として知られています。
 

緑内障の種類によって症状は異なります。

閉塞隅角緑内障  閉塞型の緑内障は、急に頭痛、眼痛、吐き気、嘔吐がおこり、食中毒、高血圧症などと間違えやすいため、初期の治療が遅れて失明にいたることがあります。
結膜(白目)が赤く充血し、角膜も濁り、瞳孔も大きく開き、視力も低下してきます。

開放隅角緑内障  開放型は、徐々に進行し、目が疲れやすい、目がかすむ、頭が重い、電灯のまわりに虹が見えるという症状から、しだいに視力が衰え、視野も狭くなってきます。

先天性緑内障  隅角のつくりが、生まれつき不十分なため起こるもので、乳幼児や若い人におこります。
乳幼児の場合は、眼球の外膜に弾力性があるため、眼圧が高まるとその膜が伸び眼球自体が大きくなります。正面からみると、角膜が大きくなり牛の目玉のように見えるので牛眼とも呼ばれています。
 

東洋医学研究所®グループでは、このような緑内障に対して眼科と連携することを基本とし、その患者の状態にあった鍼治療をさせて頂いております。

そして、鍼治療で全身の調整と局所の血流改善をさせて頂くことで、症状を緩和するとともに、緑内障の進行をできるだけ遅らせるような治療をさせて頂いております。

ぜひ、副作用のない鍼治療を受けられることをお勧めいたします。

投稿者: 井島鍼灸院

2015.11.10更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回はドライアイをご紹介させていただきます。

ドライアイ(角膜乾燥症)は、「さまざまな要因による涙液及び角結膜上皮の慢性疾患であり、眼不快感や視機能異常を伴う」と定義されています。

眼を保護する涙が不足し、目の表面が乾いてしまう症状の病気です。

症状は、眼の渇き、目が疲れる、眼が痛い、眼の充血、眼の痙攣などで、症状がひどくなると角膜や障害が起こってきます。
 

原因は、

1.眼の使い過ぎ
  パソコンでの作業、携帯・スマホの使用、読書、運転などで目を長時間酷使する。涙の分量が減る。ストレス。

2.乾燥
  部屋が乾燥していると、涙が眼の表面から気化してしまうためドライアイになりやすくなります。

3.その他
  コンタクトレンズ、加齢、アレルギー性結膜炎、アイメイクなどが考えられています。
 

ドライアイに対するワンポイントアドバイス

・定期的に眼を休める

・遠くを見たり、眼を動かして眼の緊張を和らげる。

・蒸しタオルで目を温める。

・睡眠不足などの生活習慣の乱れを正す。

・部屋の湿度を保つ。

ドライアイの患者さんに対して、鍼治療をさせて頂くと調子が良くなるケースがあります。

ぜひ一度、副作用のない鍼治療を試してみて下さい。

投稿者: 井島鍼灸院

2015.11.04更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は膀胱炎をご紹介させていただきます。

膀胱炎とは?

膀胱に炎症を起こす病気です。女性に多くみられ、幼児期に比較的多い他に、特に妊娠可能な年齢でよく起こります。膀胱炎を繰り返し起こす女性もいます。男性の膀胱炎は女性ほど一般的ではありません。
膀胱炎の多くは、治りやすい急性膀胱炎ですが、時に慢性膀胱炎の型のこともあります。


症状は?
排尿の回数が多くなり、排尿の後にすぐに尿意をもよおす頻尿が昼夜の別なく起こり、排尿時に焼けつくような痛みを感じます。また、尿が出きらないで残っている感じ(残尿感)がしたり、濁った尿の出ることが多く、排尿の終わりに血液がにじんだりすることがあります。
排尿とは関係なく腹腔部(下腹)が痛んだり重苦しい痛みを感じたりすることもあります。

原因は?
急性膀胱炎の原因としては、大腸菌やぶどう球菌などの細菌が膀胱粘膜に感染して起こるものが最も多いです。女性は男性に比べると尿道が短く、細菌のいる膣や肛門と尿道との距離が近いことなどから膀胱炎を起こしやすいといわれています。
その他、摂取した薬剤や食物による刺激などの物理化学的刺激が原因となるものや、膀胱の粘膜にアレルギー反応が起こることが原因となる膀胱炎があります。
慢性膀胱炎を原因別に分類すると、結核菌感染による膀胱炎、感染の形跡を伴わず原因不明の間質性膀胱炎、膀胱粘膜に袋状の病変が発生する嚢胞(のうほう)性膀胱炎、真菌(かび)の感染による真菌性膀胱炎などがあります。
さらに、精神的なストレスや、過労、無理なダイエットなどで体力が落ちているときは特に膀胱炎を発症しやすいといわれています。


東洋医学研究所®グループの井島鍼灸院では、このような膀胱炎に対して全身の調整と、局所の症状改善を目的とした鍼治療をさせて頂いております。
また、膀胱炎の状態に合わせた生活指導もさせて頂いております。

ぜひ、副作用のない鍼治療を受けられることをお勧め致します。

投稿者: 井島鍼灸院

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