井島鍼灸院ブログ

2016.05.31更新

 アメリカではアレルギー性鼻炎患者の18%が鍼治療を受けています

 東洋医学研究所®グループ井島鍼灸院           
          院長 井島晴彦
 

はじめに
 アレルギー性鼻炎はくしゃみ、鼻水、鼻づまりを3大症状とするⅠ型のアレルギーです。アレルギー性鼻炎には通年性と季節性(代表的なものに花粉症)があります。日本におけるアレルギー性鼻炎患者数の全国的な調査としては、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした2008年(1月~4月)の鼻アレルギーの全国疫学調査があります。それによるとアレルギー性鼻炎の有病率は39,4%であり、その中でスギ花粉症の有病率は26,5%でした。同じような調査が199 8年にも実施されており、スギ花粉症の有病率は10年間でおよそ10%増加していました。日本において花粉症は、もはや国民病とも言えそうです。

 近年、このようなアレルギー性鼻炎に対する鍼治療の効果を検討する研究が海外で盛んに行われています。鍼治療が掲載されました。

  今回は、海外におけるアレルギー性鼻炎に対する代表的な鍼治療の研究や現状についてご紹介したいと思います。


花粉症患者に対する鍼治療
 この研究は、ドイツの研究者により201 3年に報告されています。研究の方法は、花粉症患者を、真の鍼治療+薬物群、にせの鍼治療+薬物群、薬物単独群の3つの群に分け、その8週間後の花粉症症状の変化を評価しました。


 その結果、真の鍼治療群は、にせの鍼治療群や薬物単独群と比較して、8 週間の治療により生活の質を改善し、抗ヒスタミン薬の使用量を減らしていることを報告しました。

 また、このドイツの研究報告の中に「アメリカにおいては毎年12億ドルがアレルギー性鼻炎に対する薬物と予防措置で費やされています。そして、西洋医学的な治療の進歩や治療のためのガイドラインができたにもかかわらず、多くの患者は、アレルギー性鼻炎の症状に対し補完代替医療を求めています。アレルギー性鼻炎患者が生涯で補完代替医療を使用する割合は推定で27%~46%の範囲であり、そして、アレルギー性鼻炎患者の18%が鍼治療を受けています。」と述べられています。


アメリカの「アレルギー性鼻炎に対する臨床診療ガイドライン2 0 1 5 」に鍼治療が初めて掲載されました
 2015 年にアメリカにおいて、アレルギー性鼻炎に対する新たな臨床診療ガイドラインが発表され、そこに鍼治療が初めて掲載されました。

 「アレルギー性鼻炎に対する臨床診療ガイドライン2015」の13章には、鍼治療に関して「1件のシステマティックレビューと以後のいくつかの大規模な研究から、鍼治療が通年性アレルギー性鼻炎患者の生活の質を改善したことが分かりました。そして、初期の研究であるシステマティックレビューは、花粉症に対する鍼治療の有益性を見出せませんでしたが、その後の大規模な研究では花粉症患者に対する鍼治療の有益性を見出せました。その上、鍼治療が安全な治療法であることが分かりました。したがって、薬を使用しない治療法に関心をもっているアレルギー性鼻炎患者にとって、鍼治療はひとつの選択肢として考えられます。」と述べられています。

おわりに
  最近では、日本国民の40%以上が、アレルギー性鼻炎であると言われるようになりました。

 鍼灸院に来院される患者さんの多くが症状に苦しんでおられます。(公社)生体制御学会生体防御免疫疾患班のメンバーである東洋医学研究所グループでは、東洋医学研究所Ⓡ所長の黒野保三先生のご指導のもと、花粉症に対する鍼治療の効果に関する研究を行い、( 公社) 全日本鍼灸学会で報告しました。

 その内容は、2005年から2009年までの5年間にわたり、日本アレルギー性鼻炎QOL調査票( J R QL Q)No,1、No,2を用いて、花粉症に対する鍼治療の効果を検討したところ、すべての年度において花粉症症状による体の調子に改善傾向がみられ、特に目の症状に改善がみられたことを報告しました。

 東洋医学研究所Ⓡグループの先生方は、それらのデータを花粉症の治療に役立てて、症状の緩和をはかり、患者さんに喜んで頂いております。

  花粉症でお悩みの方は、是非、一度御相談してみて下さい。

投稿者: 井島鍼灸院

2016.05.07更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は「帯状疱疹について」をご紹介させていただきます。

帯状疱疹とは?
  帯状疱疹とは、水疱瘡(みずぼうそう)の原因となる水痘・帯状疱疹(ヘルペス)ウイルスが起こす皮膚の病気です。
初感染時にウイルスは知覚神経に潜伏し、その後、長期間を経た後に、過労や免疫の低下などで再活性化します。
帯状疱疹は、1つの神経支配領域(例えば、お腹から背中にかけて左右どちらか)に沿って帯状に発疹(水泡)がでてくることが特徴です。ウイルスにより神経が損傷されるため、様々な程度の神経痛のような痛みがでます。

帯状疱疹の経過
発疹(水泡)が現れる約1週間前から、神経痛に似た痛みが生じます。その後神経に沿って虫刺され様の紅斑ができ、やがて水ぶくれとなって中に膿を含むようになります。約2~3週間でかさぶたとなって治癒し疼痛も消失します。
しかし、その後長期にわたって続く痛みを残すことがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。

帯状疱疹後神経痛の特徴
高齢者では、ウイルスによって損傷された神経の回復が困難で、帯状疱疹後神経痛が残りやすいといわれています。
帯状疱疹後神経痛の特徴は、少し衣服がこすれても痛みが走りますが、ズキズキ痛むというよりは、ピリピリ、チクチクといった感じの鋭い痛みです。
また、罹患部の皮膚表面及びその深部に焼けるような痛み、締め付けられるような痛みを訴える方もみえます。夜、寝るときに寝返りをうつだけでも痛みを感じて、なかなか寝付けない人もいます。

ワンポイントアドバイス
まず、帯状疱疹は過労など体力が低下したときに発症しますので、普段から体調を整えておくことが大切です。
そして、帯状疱疹が疑われるときは、すぐに皮膚科など専門の医療機関を受診して下さい。早く治療することで帯状疱疹後神経痛にならないようにすることが重要です。
さらに、帯状疱疹後神経痛が残った場合は、ストレスを減らし、身体を休め、お風呂に入るなど身体を冷やさないようにしましょう。

WHOでは帯状疱疹後神経痛を鍼灸治療の適応症の草案に加えています。
東洋医学研究所®グループの井島鍼灸院では、帯状疱疹後神経痛に対して長年にわたる治療経験をもとに、統合的制御機構の活性化と局所の症状改善を目的とした鍼治療をさせて頂いております。
また、患者の状態に合った生活指導もさせて頂いております。
是非、副作用のない鍼治療を受けられることをお勧め致します。

投稿者: 井島鍼灸院

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