井島鍼灸院ブログ

2017.01.05更新

東洋医学研究所のホームページでは、東洋医学研究所グループの先生方が順番にコラムを担当して頂いています。
今回は、「人生百歳時代 健康長寿に鍼治療を」と題して東洋医学研究所®所長の黒野保三先生のお話を紹介させて頂きます。



人生百歳時代 健康長寿に鍼治療を

  東洋医学研究所®所長  黒野保三

謹賀新年
皆様にはお健やかに新春をお迎えのこと心よりお慶び申し上げます。


 日本におけるセンテナ リアン(百歳を越えた人) は、2016年 9 月時点 で65692人になり、 世界全体では 45 万人にの ぼるといわれています。 現在、百歳を越えても健康で長生きをしている 人たちの研究が世界中で 進められていて、誰でも条件次第で健康長寿を実 現できることがわかって きました。

 慶応義塾大学医学部百 寿総合研究センターでは、 1500人の高齢者を最大10 年間追跡調査し、臓器の状態や代謝など身体 のどの機能が寿命の長さ にどう関係しているのか を分析した結果、唯一寿 命との関わりが見られた のが慢性炎症でありまし た。

 慢性炎症と生存率の関係は、慢性炎症のレベル が高い人は年を追うごと に生存率は低下していき、 炎症レベルが低い人程生 存率が高く、より寿命が 長いことが明らかになり ました。この傾向は調査 したすべての年齢層で一 致し、慢性炎症を抑える ことが健康長寿の達成に は重要であることが明ら かになりました。
 慢性炎症は年を取る毎に必然的に起こってきま す。体の中の細胞が老化すると炎症性サイトカイ ンという炎症を引き起こ す物質が分泌され、それ が周囲の細胞を老化させ、 炎症が広がります。さら に死んだ細胞からは細胞 の断片や老廃物が出され、 更なる炎症の引き金とな るのです。
 本来は免疫応答によっ て素早く炎症の要因を取 り除く機能を持っていますが、加齢とともにだん だん免疫機能が低下するので炎症の要因を取り除 く機能が悪化し、その結果全身に広がってしまい、 糖尿病、動脈硬化、肺疾 患、心疾患などの重大な病気に関わってくること は明らかであります。
 慢 性炎症と疾患の悪循環で、 加齢によるさまざまな疾患になりやすくなってい くのです。
 また、デンマークで行 われた同じ遺伝子を持つ 双子の研究で、寿命を決 めるのは、遺伝要因が約25%、環境要因が 75%で あることが明らかとなり ました。 10 万組の双子の 寿命を生涯にわたって追跡調査した結果、同じ遺伝子であるにもかかわら ず寿命には大きな差が生 じることがわかりました。 つまり、誰もが健康長寿 を実現できる可能性があ るのです。

では、どうすれば慢性炎症を抑えることができるのでしょう。
①食事
 地中海食と長寿の関係 を調べるための大規模な 研究「地中海食プロジェ クト」の結果、これまで 地中海食はすべての人に 同じように効果をもたら すと考えられてきました が、実際はそうではなく、 人種、ライフスタイル、 性別などさまざまな要因 によって得られる効果が 違っていることがわかり、年月をかけて体に合って きた食事のほうがより慢 性炎症を抑制する効果が あるということが明らか になりました。
 日本人には日本食(炎 症を抑える成分が豊富に 含まれていること、いろ いろなものを少しずつバ ランスよく摂ること)が ベストであるといえます。
②身体活動
 イタリアのサルデーニャ 島は世界一男性の長寿率 が高く、センテナリアン の男女比は 1 対1であり ます。
 この地域の男性に共通 したライフスタイルは、 豊富な活動量に加えて、 負荷の強い動きをしてい ます。これが長寿の要因 に繋がっているとのこと です。
 運動が体に良いことはこれまでも知られていま したが、実は最近になっ て炎症との関係が科学的 に明らかになってきたの です。それは身体活動量 の多い長寿の人の体内を 調べた結果、極めて優れ た"微小循環"を持って いたのです。
 微小循環とは、全身に 張り巡らされた毛細血管 の中で起きている目に見えないレベルの細かな血 流のことで、細胞に必要 な酸素や栄養素を送り続 けるとともに、溜まった 老廃物を回収するという 役割をもっています。こ の微小循環が慢性炎症に つながる要因を取り除き、 老化のスピードを緩めてい る可能性がみえてきたの です。
③心の持ち方
 人の満足感と炎症との 関係を研究しているカリ フォルニア大学医学部ス ティーブン・コール教授 は、男女 84 人の被験者を 対象に日々の幸せや人生 での充実感、日常で得ら れる達成感など、さまざ まな満足感を聞きとり、 その後、調査した人たち の血液を採取して分析を 続けた結果、満足感と炎 症との関わりを示す CTRA 遺伝子群が見つかったの です。
 この遺伝子群は人が何 らかのストレスを受けた時に働きを強め、逆に満 足感を得るとその働きが 弱まります。遺伝子の働 きが緩やかになった時、 慢性炎症が抑えられると いう相関関係が明らかに なったのです。
 さらに研究を進めると、 満足感の種類(コール教 授による分類)によって は全く違う働きをするこ ともわかってきたのです。
・炎症を進める満足感 『快楽型満足感』 食欲(食べたいだけ食べ る)、買い物(むやみに 買い物をする)、性欲、 娯楽など、自分の欲求を 満たすことで生じる満足感。
・炎症を抑える満足感 『生きがい型満足感』 ボランティア活動、家族 を大切にする、世のため に働くなど、社会とのつ ながりやお互いに助け合 うことで生じる満足感。
 コール教授は、満足感 の違いに遺伝子はとても 敏感であることが明らか になり、人のために生き るという心や、社会のた めに貢献する姿勢、それ が健康長寿に結びついて いると指摘しています。

 少子高齢化が進み、医 療経済の破綻が大きな問 題となっている日本を救 う道は"健康長寿"の達成であり、できる限り多 くの人に健康で長生きし ていただくことが理想で あります。
 そのために、最新のセ ンテナリアンの研究結果 を参考にして頂き、生体 の制御機構を活性化させ、 恒常性維持機構の活性化や生体防御機構の増強に 関連した実証医学的研究 の裏付けのある鍼治療の受療をお勧めします。
 尚、鍼治療の持続効果 は 72 時間位でありますの で、できるだけ週 2 回以 上の受療をお勧めします。
 病気にならない身体を 作りましょう。
 長生きできる身体を作 りましょう。
 

投稿者: 井島鍼灸院

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