井島鍼灸院ブログ

2018.09.08更新

第36回公益社団法人生体制御学会学術集会

日時:平成30年8月26日(日) 9:00~15:30

場所:名古屋市立大学医学部総合情報センター川澄分館さくら講堂( 図書館3階)

シンポジウム 10:30~12:00
「顔面神経麻痺に対する西洋医学と東洋医学の連携」


司 会:名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野教授
名古屋市立東部医療センター病院長 村上 信五 先生

murakamisennseiシンポジスト:

「ウイルス性顔面神経麻痺における実践的薬物治療」
名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野助教
江崎 伸一先生

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「末梢性顔面神経麻痺の後遺症とリハビリテーションについて」
豊橋市民病院 リハビリテーション技術室長
森嶋 直人先生

「末梢性顔面神経麻痺に対する鍼治療について」
(公社)生体制御学会 生体防御免疫疾患班班長
井島 晴彦

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顔面神経麻痺患者に対する鍼治療が、顔面神経麻痺症状に対して改善効果のあることは臨床的に経験されます。しかし、国内外の顔面神経麻痺に対する鍼治療効果の研究においては、症状を改善するために有効であるとは考えられますが、研究の評価には方法論的な偏りがあるため、鍼の有効性と安全性を裏づける十分な証拠を示せていないのが現状です。
そのような状況の中で、現在の世界保健機関(WHO)において、漢方薬や鍼灸などの伝統医療が、「国際疾病分類」(ICD)に追加されました。100年以上、西洋医学一辺倒だった世界の医療基準の転換点となるとともに、日本の伝統医療の再評価につながる可能性があります。
そこで今回、このような流れとなった世界的な鍼治療の実態と、国内外における顔面神経麻痺に対する鍼治療効果の研究を紹介し、実際の顔面神経麻痺に対する鍼治療を紹介する目的で、現在(公社)生体制御学会研究部生体防御免疫疾患班で行っている症例集積研究を報告しました。

この症例集積研究は、平成14年12月2日から平成29年10月25日までに、東洋医学研究所®及び東洋医学研究所®グループの鍼灸院に来院し、鍼治療を行った末梢性顔面神経麻痺患者18名19相(Bell麻痺14例、Hunt症候群5例 平均年齢 49.0±14.5歳) を対象としました。鍼治療は週1回以上の頻度で、黒野式全身調整基本穴と、症状の改善を目的とした顔面の経穴に対し筋膜上圧刺激を行い、柳原法を用いて治療効果の経過観察を行いました。
19症例のうちBell麻痺14例の転帰は治癒8例、回復良好5例、回復不良1例となり、Hunt症候群5例の転帰は治癒3例、回復良好2例となりました。薬物の使用を中止したBell麻痺5例において、自然治癒が考えにくい発症から長期間経過した症例や、鍼治療開始後通常の回復経過よりも良好な回復を示した症例がありました。
鍼灸の臨床の現場は玉石混交であるため、このシンポジウムを通じて顔面神経麻痺に対する西洋医学と東洋医学の連携における問題点と可能性を検討しました。

 

 

 

 

 

 

投稿者: 井島鍼灸院

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