一般の方ができる新型コロナウイルス感染症に対する予防方法で、一番肝心で誰でもできることは、体の免疫力を高めることだと考えます。
規則正しい生活、適度な運動、偏らない食事をすることや、過剰なストレスを受けないこと、生活に笑いを取り入れることなどが重要です。
また、鍼治療が風邪症候群の予防に役立つことを、私が班長をさせて頂いている(公社)生体制御学会 生体防御免疫疾患班を代表し、て角村幸治先生が「かぜ症候群の予防に対する鍼治療の有効性 -多施設によるアンケート調査-」(全日鍼灸学会雑誌59巻4号,416-420,2009)と題して報告しています。
この研究は、東洋医学研究所®グループの12施設に来院した患者215名に対し、①鍼治療前の1年の風邪罹患回数、②鍼治療後の風邪罹患回数の変化、③鍼治療来院期間についてアンケートにより調査・分析したものです。
その結果は、鍼治療来院期間2年未満では風邪をひきにくくなったと回答した人は45.9%であり、2~4年で63.3%、4年以上で82.8%となり、長く鍼治療を受けることで風邪症候群を罹患しにくくなったと自覚する患者が増えることが報告されています。
以上のことから、鍼治療を継続することで免疫力が増強される可能性が示唆されました。
鍼治療を含め、自然な方法で免疫力を高める努力をしたうえで、マスクや手洗いなどの正しい感染症対策を心がけることが必要だと考えます。
このような努力は、体調を良好に保ち、新型コロナウイルス感染症の予防に役立つと考えられるため、是非実行して頂きたいと思います。