井島鍼灸院ブログ

2013.01.31更新

東洋医学研究所®グループの石神龍代先生の書かれたコラムを紹介させて頂きます。


はじめに
日本において昔から経験的に培われてきた生活の心得・生活習慣が心身の健康を保つための大切な知恵であったことが、1970年代に脳内にセロトニン神経が存在することがわかったことにより科学的に明らかになってきました。

今一度、人生は一日一日の積み重ねであることに立ち返り、セロトニンを増やす生活習慣を身につけ、幸福に暮らしましょう。

心は「脳」にある
心は大脳辺縁系と前頭前野にあるといわれています。大脳辺縁系には原始的な感情を司る中枢があります。

また、人間には原始的な感情をコントロールして高度な幸福を得る機能があります。それを司るのが大脳皮質の前頭前野です。

こうした脳の各部を広範囲につないで、人間の感情や行動を決める重要な脳内物質とその神経系には、ノルアドレナリン神経、ドーパミン神経、そしてセロトニン神経の三つがあります。

ノルアドレナリン神経が暴走すれば、ストレスに押しつぶされそうになってしまいますし、ドーパミン神経が暴走して「快」ばかりを求めると、依存症など特定の何かがなければ生きられない状態になったり、短絡的な結果だけを求めるようになります。

セロトニン神経が活性化することによって、ドーパミン神経やノルアドレナリン神経が適度に働くようになり、より安定した心の状態が維持されます。

セロトニン神経を活性化させると、具体的には
☆朝さっと目覚める☆全身の筋肉や肌に張りが出て若さが保てる☆痛みに耐えられる、少々の痛みは気にならなくなる
☆明るく元気でおだやかになる
☆気分がさっと切り替わり、いつまでもこだわらない
☆集中力が出る
☆気分がはればれとし、少々のことでたじろがないなど、若々しくはつらつとしているが落ち着いているという理想的な心身が整います。

前頭前野と三大神経系
三大神経系は、高度な人間らしい心を担う前頭前野にそれぞれの軸索を伸ばして活動しています。

前頭前野にある「仕事脳」の部分にノルアドレナリン神経、「学習脳」にドーパミン神経、「共感脳」にセロトニン神経が深くかかわっています。

同時に各種のストレスもこれら三つの脳と関係しています。

不快な身体的なストレスを受けるとノルアドレナリン神経が興奮し、それは前頭前野の「仕事脳」を緊張させます。

適度な緊張は仕事の能率を上げますが、緊張のし過ぎはあがりや硬さとなって仕事やパーフォーマンスにマイナスになります。

快の情動を誘発するドーパミン神経の興奮には、報酬が必要です。私たちは、さまざまな努力、すなわち、よい成績高い地位、豊かな生活などを求めて、一生懸命に努力します。

その意味では、ドーパミン神経と「学習脳」は私たちの営みに大切です。

「共感脳」と関連するセロトニン神経は、ノルアドレナリン神経の興奮し過ぎを鎮め、ドーパミン神経の暴走を食い止めて、心のバランスに大切な役割を果たしています。

愛情や共感については、見返りを求めない他人への働きかけがセロトニン神経には不可欠になります。

このように前頭前野を構成する仕事脳、学習脳、共感脳と三大神経系は、互いに深い関係にあります。

セロトニンを増やす生活習慣
☆朝は早く起き、夜は早く寝る  セロトニン神経は日光の刺激で活性化します。
☆じっとしていないで体を動かす
☆一つのことばかり突き詰めて考えない
☆家族にも他の人にも挨拶をし、なごやかにつきあう
☆子供やお年寄り、弱い人をいたわって手助けする
☆何事もほどほどを心がける
☆食べ物はよく噛んで、バランスよく食べる

セロトニン神経の出発点である脳幹の縫線核の近くには呼吸、歩行、咀嚼に関係する中枢があり、呼吸(腹式呼吸)や歩行、咀嚼によるリズム運動でセロトニンが増えます。

セロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸から作られますが、昔ながらの日本的食生活でトリプトファンは充分に補えます。

セロトニンと付き合うコツ
セロトニンと付き合うコツは、「長時間より長期間」です。毎日三十分のトレーニングを三カ月継続すると、脳が変わります。

最終的には、神経の構造である自己受容体の数が変化しなければなりません。そのためには、毎日の継続した刺激が必要で、
約三カ月すると、自己受容器の数がはっきりと変化してきます。

三カ月続けているうちに、脳が変わります。脳が変わるということは、あなたが別人になっているということです。

おわりに
東洋医学研究所の黒野保三所長は満82歳ですが、現役で鍼治療に専念され、情熱をもって後進の指導に当たっておられます。

まさにセロトニンを増やす生活習慣を長年継続され、毎日鍼治療を受けておられます。

どうか皆さん、セロトニンを増やす生活習慣を身につけて、ますますストレスフルな現代を元気に幸福に暮らしていただきたいと思います。

そして、予防医学の観点から、生体の制御療法としての鍼治療を定期的に受療されることをおすすめいたします。 


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投稿者: 井島鍼灸院

2013.01.29更新

東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回健康しんぶんを発刊して頂いています。

その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。

今回は平成25年2月1日に発刊される第21刊健康しんぶんから、「経穴について(3)」です。

2011年に「オートノミックニューロサイエンス」という雑誌に「Acupuncture to Danzhong but not to Zhongting increases the cardiac vagal omponent of heart rate.」というタイトルで東洋医学研究所の黒野保三所長の研究結果が掲載されました。

この論文には、集大成ともいうべき黒野所長が今まで研究され治療されてきた鍼治療の方法の裏付けとなる基礎データが示されました。

では、この過程を振り返ってみましょう。

昨年十二月のこの欄で、経穴(合谷穴)には深さがあることを紹介しました。

では、そのことは何をもっていうことができたのでしょうか?合谷という経穴は手の親指と人差し指の付け根にあります。そこを鍼刺激した時に遠く離れた胸部と腹部で反応が出ることが分かりました。

胸部や腹部の皮膚をピンチで強くはさんでいるのに痛みを感じなくなったのです。これは、閾値があがって感覚が鈍くなったことを意味します。

つまり、鍼刺激は、鍼を刺した手の部分だけではなく、全身に影響を与えることが示されたわけです。

そして、最も効率よくこの反応を起こさせる深さは5~7ミリでありました。

鍼を刺した五~七ミリの深さのところは、筋肉を覆っている膜を破るのではなく、圧をかけて押した状態(筋膜上圧刺激)であるということが明らかとなりました。

このことを証明するために、黒野所長の実験には工夫の跡がたくさんみられます。同じことをやれば同じ結果が出るという再現性を実現するために、手の位置が毎回同じ場所に当てられるようにビール瓶を用いて手を固定したりすることや、それでも毎回同じような結果が得られないことがあった時に、その基礎がしっかりしていたので他のことを検討できました(これは後に紹介しますが、治療頻度の決定につながりました)。

そして、冒頭で紹介した論文につながるのですが、この方法(筋膜上圧刺激)で行なった鍼治療の効果とその効果を発揮する仕組みの一つが解明されました。

これが鍼治療研究における大きな前進となることは間違いありませんでした。


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投稿者: 井島鍼灸院

2013.01.28更新

日本自律神経学会雑誌の自律神経49巻4号に東洋医学研究所Ⓡ黒野保三所長の研究が原著論文として掲載されました。

腹部の経穴に鍼刺激(筋膜上圧刺激)を行うことによって心臓迷走神経の亢進を証明した世界で初めての論文になります。

抄録:鍼治療は機能性胃腸炎をはじめとする消化器症状の治療法として使用している。鍼の治効メカニズムを研究する上で鍼刺激に対する自律神経反応を調べることは重要である。そこで、腹部鍼刺激に対する自律神経反応の客観的評価が可能が否かを、心拍変動(heart rate variability:HRV)解析を用いて検討した。12名の被験者に対して、筋膜上鍼刺激による腹部鍼刺激を行い、鍼刺激前後の心拍変動の変化を調べたところ、鍼刺激前後で心拍数は減少(p=0.0002)し、心臓迷走神経活動の指標であるHF成分は増加し(p=0.0007)、心臓迷走神経と交感神経活動の指標であるLF成分は増加した(p=0.0005)。交感神経の指標であるLF/HFは有意な変化を示さなかった。HRV解析により腹部鍼刺激に対する自律神経反応を客観的に評価できること、および同刺激により心臓迷走神経活動が亢進することが証明された。

キーワード:鍼、筋膜上鍼刺激、心拍変動、自律神経、心臓迷走神経

黒野保三,各務壽紀,皆川宗徳,石神龍代,山田篤,早野順一郎.心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価-腹部鍼刺激に対する自律神経反応の評価-.自律神経雑誌.2012;49(4):251-256


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投稿者: 井島鍼灸院

2013.01.25更新

交通事故による傷害に対し、鍼灸治療は交通事故保険が適用されます。

交通事故保険は、健康保険のように傷病に対して給付すればよいのではなく、あくまで損害賠償です。保険会社が交通事故の治療に鍼治療を認めれば、患者さんの負担なく治療を受けられます。

治療開始までの流れ
○ 担当医師の了承後、患者さんご自身で加害者の保険会社の担当者に連絡を取り、鍼灸治療を受けたい旨を伝えます。

○ 保険会社が鍼灸治療院での治療を了承した後、保険会社の担当者と当院が治療内容、治療費、期間等について事前に話を致します。

○ 上記の段階が成立してから治療が開始されます。治療終了までの治療費は、定期的に当院から保険会社に請求致します。

※詳細について当院から保険会社等へ説明が必要な場合は、対応致しますのでお申し出下さい。

 
現在では、多くの保険会社が鍼灸治療を認めておりますので、一度当院でも、保険会社でもよいので問い合わせをして頂きたいと思います。また、交通事故保険におきましては、他の医療機関に通院していても、鍼灸治療との併用も認められています。

交通事故の場合、高次脳機能障害から、ムチウチ症、腰痛症まで症状は様々ですが、鍼灸治療で症状が改善されています。車の衝突事故のときに、体は前方に移動しますが、頭は取り残されるので急激に後ろに反り返り、次の瞬間前方へ曲がる状態となりムチのようにしなります。このとき、頚椎周囲の筋肉・靭帯・椎間板・血管・神経などの組織の損傷を起こしたものをムチウチ症(頚椎捻挫)といいます。

受傷の数時間後、あるいは翌日になってうなじの痛み、熱感、頭が重い感じ、肩こりなどの症状が現れることが多いのですが、受傷直後に現れることもあります。

逆に数週間から数ヶ月たった後に症状が現れることもあります。症状には他に、首の痛みやこわばり、背中の痛み、腕の痛みとしびれ、意識障害、頭痛、めまい、目がかすむ、耳鳴り、難聴、腰痛などが起こることがあります。 

交通事故に対する鍼治療については、是非、一度お問い合わせください。


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投稿者: 井島鍼灸院

2013.01.19更新

私が班長をさせて頂いている(公社)生体制御学会の生体防御免疫疾患班により、(社)全日本鍼灸学会学術大会において報告させて頂いた「花粉症に対する鍼治療効果の研究」を紹介致します。

本日は2010年に角田洋平先生が代表で報告した「アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の検討(第5報) -2009年スギ花粉飛散期における鍼治療効果の検討-」を紹介します。





















【目的】
我々は、2005年からアレルギー性鼻炎に対する鍼治療の効果についてJRQLQを用いて調査を行ってきた。今回、2009年スギ花粉飛散期における調査で、局所療法として迎香穴を使用したところ、興味ある結果が得られたので報告する。

【方法】
2009年2月10日から5月8日までの約3ヶ月間に、東洋医学研究所Rグループ9施設において、花粉症症状を訴えて来院した患者48名(男性12名、女性36名。平均年齢50.8歳)を対象とした。

鍼治療は週1回以上の頻度で黒野式全身調整基本穴を用いた生体機構制御療法+局所療法(迎香穴)を施し、JRQLQを指標とし、1回目調査時と鍼治療7回終了後の2回目調査時を比較検討した。

【結果】
調査の結果、鼻・眼の症状、QOL質問項目、花粉症重症度は改善傾向がみられ、総括的状態において有意な改善(p<0.05)が認められた。鼻・眼の症状で比較すると、眼症状においてより大きな改善傾向がみられた。QOL質問項目では6因子中4因子において改善傾向がみられた。

【考察】
今回の調査でも、結果に示すような花粉症症状の改善が認められたことから、鍼治療は花粉症の治療に有効である可能性が示唆された。

また、迎香穴を使用することにより、眼症状に大きな改善傾向がみられた。これまでの報告では、花粉飛散量が少ない年は多い年に比べ、目のかゆみが改善しやすい結果が出ている。

今回は過去5年間の中で最大の飛散量であったにも関わらず、少ない年と同程度の改善率がみられた。迎香穴使用により、鼻症状のみならず眼症状の改善にも効果がある可能性が考えられた。

【結語】
花粉症に対する鍼治療の効果が確認できた。また、局所療法として迎香穴を併用することによって、鼻症状のみならず眼症状の改善にも効果がある可能性が考えられた。

今後も、局所療法を含め、花粉症に対する鍼治療の有効性について検討していきたい。


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投稿者: 井島鍼灸院

2013.01.18更新

私が班長をさせて頂いている(公社)生体制御学会の生体防御免疫疾患班により、(社)全日本鍼灸学会学術大会において報告させて頂いた「花粉症に対する鍼治療効果の研究」を紹介致します。

本日は2010年に中村覚先生が代表で報告した「アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の検討(第4報) -2008年スギ花粉飛散期における鍼治療効果の検討-」を紹介します。




















【目的】
東洋医学研究所Rグループでは、過去3回にわたり花粉症に対する鍼治療の有効性を報告してきた。これまで日本アレルギー性鼻炎QOL調査票(JRQLQ) No.1、2、鼻アレルギー診療ガイドラインを用い検討したところ、JRQLQ No. 2において変化が認められなかった。そこで、治療法を再検討し、調査をしたところ興味ある結果が得られたので報告する。

【方法】
2008年2月から4月末までに東洋医学研究所®グループ5施設において、花粉症症状を訴えた患者43名(男性13名、女性30名。平均年齢52.4歳)を対象に、週1回以上の頻度で黒野式全身調整基本穴を用いた生体機構制御療法(太極療法)+局所療法(天突穴、廉泉穴)を施し、JRQLQを用い、1回目調査時と、鍼治療7回終了後の2回目調査時を比較検討した。

【結果】
JRQLQ No.1、2、花粉症重症度において全体的に改善傾向が認められた。項目別には、みずっぱな、総括的状態において有意な差(p<0.05)が認められた。JRQLQ No.2においてはこれまでの調査では改善がみられなかったが、症状有りの割合に注目したところ今回の調査ではやや改善が認められた。

【考察】
花粉症は花粉飛散ピークを頂点に鼻・眼などの症状が強くなるが、気道症状やのど症状においては飛散ピーク後に症状が強くなる傾向がある。

これまで2回目調査時に増悪傾向であったJRQLQ No.2の気道症状の項目が今回の調査において改善がみられたことは、症状の有無に関わらず局所療法を加えるによって気道症状出現の予防ができることが考えられる。

【結語】
花粉症に対する鍼治療の効果については、これまでの調査と同様、花粉症症状が改善し、それに伴うQOLの改善傾向が認められた。また、花粉症に伴う鼻・眼以外の症状に対して局所療法を併用することにより気道症状出現の予防が出来ることが示唆された。


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投稿者: 井島鍼灸院

2013.01.17更新

私が班長をさせて頂いている(公社)生体制御学会の生体防御免疫疾患班により、(社)全日本鍼灸学会学術大会において報告させて頂いた「花粉症に対する鍼治療効果の研究」を紹介致します。

本日は2010年に私が代表で報告させて頂いた「鍼灸院における花粉症患者の実態調査」を紹介します。
































【目的】
我々は過去3年間にわたり、花粉症患者に対する鍼治療の有効性について日本アレルギー性鼻炎QOL調査票(JRQLQ)を指標として検討し報告してきており、この研究は現在も継続中である。

その結果を考察する際、花粉症症状は多くの因子により影響を受けており、今後研究を進めていくにためにはそれらを整理する必要があると考えられた。

そこで今回は、鍼灸診療の現場における花粉症患者の実態調査を行ったので報告する。

【方法】
対象は平成21年2月1日~4月30日の3ヶ月間に、班員の12施設に来院した患者(継続患者・新患)で、主訴・現病歴に花粉症を有する102名(男性33名 女性69名 平均年齢50.2歳)。

調査内容は、性別、年齢、初診年月日、職業、主訴、罹病期間、家族のアレルギー歴、増悪因子、鍼以外の治療、鍼治療に対する患者の感想について行った。

【結果】
年齢分布は40~60歳代を中心とした山型パターンであったこと、罹病期間は6~10年が突出して多い傾向があったこと、家族にアレルギー歴のある割合は53%であったこと、増悪因子は、花粉、ストレス、天候、ほこり、タバコ、疲労、食物など多岐にわたり、その中でも花粉の次にストレスと感じている患者が多いことがわかった。

【考察】
罹病期間の6~10年が突出して多い傾向にあったのは、1995年と2001年がスギ花粉の大量飛散年であり、その後に発症した可能性が推察された。

増悪因子にストレスと感じている患者が多いことから、花粉症症状には体調の影響が大きく、鍼治療効果を検討する上で重要であると考えられた。

【結語】
今回、花粉症患者の実態調査を行い、男女比、年齢分布、罹病期間、家族のアレルギー歴、増悪因子などの因子別の特徴がわかった。

今後は、今回の結果を基に、花粉症症状や鍼治療効果にどのような因子が強く影響しているのか詳細に検討していきたい。

この研究から、花粉症の症状を強くする要因は花粉の飛散量だけでなく、ストレス、天候、ほこり、タバコ、疲労、食物など多岐にわたることから、花粉症症状を緩和するためにできることが多くあることがわかりました。

鍼治療による症状緩和と、生活習慣の見直しでかなり良い状態を作れると考えます。

是非、副作用のない鍼治療と、花粉症症状を軽くするトアドバイスを受けてみて下さい。


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投稿者: 井島鍼灸院

2013.01.16更新



私が班長をさせて頂いている(公社)生体制御学会の生体防御免疫疾患班により、(社)全日本鍼灸学会学術大会において報告させて頂いた「花粉症に対する鍼治療効果の研究」を紹介致します。

本日は2008年に橋本高史先生が代表で報告した「アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の検討(第3報) -スギ花粉飛散期における鍼治療効果の検討-」を紹介します。










































【目的】
花粉症の症状に影響を与える花粉飛散量や気象条件は毎年変化する為、東洋医学研究所Rグループにおいて、過去2回同様花粉症に対する鍼治療の有効性を、日本アレルギー性鼻炎QOL調査票(JRQLQ) No.1、2、鼻アレルギー診療ガイドラインを用い検討したので報告する。

【方法】
2007年2月から4月末までに東洋医学研究所Rグループ9施設において、花粉症の症状を訴えた患者43名を対象に、週1回以上の頻度で鍼治療(黒野式全身調整基本穴を用いた太極療法)を施し、JRQLQを用いて1回目調査時と鍼治療7回終了後の2回目調査時を比較検討した。

【結果】
3年間の調査から花粉飛散量の変化による症状を比較すると、飛散量の多少に関わらず同程度の症状が発症していた。

2007年の調査では鼻・眼の症状とQOL質問項目、花粉症重症度において改善傾向が認められ、目のかゆみとQOL質問項目6因子中の3因子、総括的状態で有意な改善(p<0.05)が認められた。

【考察】
今回の調査で鼻・眼の症状、QOL質問項目、花粉重症度において改善傾向が認められ、5項目で改善が認められたことから、鍼治療は花粉症の治療に有効である可能性が示唆された。

3年間の花粉飛散量の変化による症状を比較すると、飛散量の多少に関わらず同程度の症状が発症していたことは、大久保等の花粉大量飛散年と平年並の飛散年の症状の程度に差は認められなかったとの報告と一致していた。

【結語】
3年間の研究結果から、花粉飛散量が変化しても症状に大きな変化は認められなかった。

花粉症の症状に対する鍼治療の有効性については、JRQLQを指標とし検討したところ、鼻・眼の症状やQOL質問項目、総括的状態、花粉症重症度において有効であることが示唆された。


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投稿者: 井島鍼灸院

2013.01.12更新

私が班長をさせて頂いている(公社)生体制御学会の生体防御免疫疾患班により、(社)全日本鍼灸学会学術大会において報告させて頂いた「花粉症に対する鍼治療効果の研究」を紹介致します。

本日は2006年に橋本高史先生が代表で報告した「アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の検討(第2報) -スギ花粉飛散期における鍼治療効果の検討-」を紹介します。














































【目的】
花粉症症状に影響を与えると考えられる花粉飛散量や気象条件は毎年変化するため、東洋医学研究所Rグループにおいて、2005年同様花粉症に対する鍼治療の有効性を、日本アレルギー性鼻炎QOL調査票(JRQLQ) No.1、2、鼻アレルギー診療ガイドラインを用い検討したので報告する。

【方法】
2006年2月から4月末までに東洋医学研究所Rグループ6施設において、花粉症症状を訴えた患者31名(男性12名、女性19名。

平均年齢49.6歳)を対象に、週1回以上の頻度で鍼治療(黒野式全身調整基本穴を用いた太極療法)を施し、JRQLQを用い、1回目調査時と、鍼治療7回終了後の2回目調査時を比較検討した。

【結果】
2006年の花粉飛散量は少量にも関わらず、2005年と比較しても大きな変化は認められなかった。

1.鼻・眼の症状、2.QOL項目、3.総括的状態、花粉症重症度を1回目調査時と2回目調査時で比較すると全体的に改善傾向が認められた。

 花粉飛散量を比較すると2回目調査時に多い傾向にあった。

【考察】
今回、花粉飛散量を比較し、2006年は飛散量が少量であったが、症状を訴える患者は多く、飛散量が少なくても症状を発症することが示唆された。

眼のかゆみ症状において、角谷等の調査結果同様、花粉飛散量が多いと有意に影響を与えるという報告と一致していた。

1.鼻・眼の症状、2.QOL項目、3.総括的状態、花粉症重症度において、飛散量の多少に関わらず鍼治療により症状の改善傾向が認められたことから、副作用のない鍼治療は有効であることが示唆された。

【結語】
2006年の花粉飛散量は、2005年より大幅に少なかったにも関わらず、花粉症症状に大きな変化は認められなかった。

花粉症に対する鍼治療の効果については、2005年と同様、花粉症症状が改善し、それに伴うQOLの改善傾向が認められた。


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投稿者: 井島鍼灸院

2013.01.11更新

昨日から、私が班長をさせて頂いている(公社)生体制御学会の生体防御免疫疾患班により、(社)全日本鍼灸学会学術大会において報告させて頂いた「花粉症に対する鍼治療効果の研究」を紹介しています。

本日は2005年に橋本高史先生が代表で報告した「アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の検討 -スギ花粉飛散期における鍼治療効果の検討-」を紹介します。






















【目的】
 わが国における花粉症の罹患率は15~20%と云われ、花粉飛散期に生活の質が著しく障害されることが報告されている。
今回、東洋医学研究所®グループにおいて、花粉症に対する鍼治療の有効性を日本アレルギー性鼻炎QOL調査票(JRQLQ) No.1、2を用い検討したので報告する。

【方法】
 2005年1月から4月末までに東洋医学研究所®グループ6施設において、花粉症症状を訴えた患者25名(男性10名、女性15名。平均年齢49.4歳)を対象に、週1回以上の頻度で鍼治療(黒野式全身調整基本穴を用いた太極療法)を施し、JRQLQを用い、1回目調査時と、鍼治療7回終了後の2回目調査時を比較検討した。

【結果】
 JRQLQ No.1Ⅰ鼻・眼の症状、ⅡQOL項目、Ⅲ総括的状態、花粉症重症度を1回目調査時と2回目調査時で比較すると全体的に改善傾向が認められた。
 JRQLQ No.2鼻・眼以外の症状では、全体的に変化はなかった。
 花粉飛散量を比較すると2回目調査時に多い傾向にあった。

【考察】
 今回、JRQLQを用い花粉症に対する鍼治療の有効性を検討したところ、Ⅰ鼻・眼の症状に改善傾向が認められたため、ⅡQOL項目の戸外活動能と精神活動能に顕著な改善傾向が認められ、さらにⅢ総括的状態や花粉症重症度も改善傾向になったと考えられる。

 JRQLQ No.2鼻・眼以外の症状では、のど症状・鼻閉症状・全身症状に改善傾向が認められたが、口耳皮膚症状や睡眠症状に増加傾向が認められたため全体として変化がなかったと考えられる。

 これらの傾向は花粉飛散量が2回目調査時に多い傾向にあったことから、鍼治療により花粉の飛散量増加に伴う症状の重症化を防ぐ可能性が示唆された。

【結論】
 今回の調査から、鍼治療を施すことにより花粉症の症状を改善し、それに伴うQOLの低下を防ぐ可能性が示唆された。
また、花粉症に対する鍼治療効果を検討するスケールとして、JRQLQを使用することの有用性が示唆された。


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