肩こり・頭痛

肩こりについて

5年前の東洋医学研究所グループの調査によると、鍼灸院に来院される患者さんの約70%が肩こりがあると回答されていました。最近の当院による調査では、ほぼ100%に近づいてきています。治療室での肌感覚として、急激に増えている感じがします。一般に急増している認識がないため、危機感がないことが大きな問題だと思います。みんながそうだからとか、何をやっても改善しないからということで、知らない間に当たり前になっているのかも知れません。

肩こりに限らず多くの疾患は、体を悪くする速度が修復する速度を上回り、その状態がしばらく持続してから発症すると考えられます。

現在の日本では体を悪くする要素として食、ストレス、会社や学校での生活環境、生活習慣の変化など思わぬ落とし穴がたくさんあるようです。そして、パソコンやスマホの長時間使用が拍車をかけ、結果的に肩こりの急増に繋がっています。さらに、肩こりは多くの疾患と合併し悪循環します。なんとかまず肩こりを根本的に改善したいと本気で取り組んでいます。

そこで、食や、ストレス、生活習慣などについては、遺伝的素因や、家族の嗜好、会社・学校での生活環境、得意不得意など一人一人の状況を把握することがとても重要です。

肩こりの直接的な原因としては、姿勢の偏り、視力の左右差、歯の状態、仕事や趣味の内容、運動習慣、睡眠の状態、入浴方法などを検討します。

そして、肩こりの病態を知るために筋肉、筋膜、靱帯を観察します。僧帽筋、肩甲挙筋をはじめ、肩甲骨を動かす筋肉として小菱形筋、大菱形筋、小胸筋、前鋸筋などが重要です。肩周りだけでなく影響を与える可能性のある腕や腰、顎関節などにも注意が必要です。

これらの多くの情報を総合し、一人一人に合った鍼治療とアドバイスをさせて頂きます。

肩こりが珍しい世の中にし、皆様に楽しく生活して頂くことが鍼治療をさせて頂く目的の一つです。

是非、オーダーメイドの鍼治療をお試し下さい。

 

肩こりの原因疾患

肩こりの原因疾患には、整形外科的な原因疾患と、整形外科領域以外での原因疾患があります。

肩こりの整形外科的な原因疾患

整形外科的な原因疾患の代表的なものには、頚椎疾患(変形性頚椎症、頚椎ヘルニア、後縦靭帯骨化症など)、肩関節疾患(五十肩、肩関節不安定症など)、上腕神経叢部の疾患(胸郭出口症候群など)が考えられます。

整形外科領域以外での肩こりの原因疾患

整形外科領域以外での肩こりの原因疾患には、下記の例が挙げられます。

内科疾患 狭心症、高血圧、消化器疾患など
産婦人科的疾患 更年期障害などによる女性ホルモンの減少など
精神科的疾患 うつ状態、神経症など
眼科的疾患 眼精疲労を生じるさまざまな疾患
脳神経外科的疾患 脳腫瘍、慢性硬膜下血腫
歯科口腔外科的疾患 咬合不全

一度肩こりになると、なかなか治りにくいものです。そのため、何をしてもだめだと治療をあきらめてしまっている方も多くいらっしゃるようです。
しかし、十分な問診と理学所見の検討を行うことにより、肩こりの原因を正確にとらえて取り除くことができます。さらに鍼治療によって、血行の改善や精神的不安の除去をはかり悪循環をくい止めることができ、生活習慣の改善や適切な運動療法を加えることで肩こりの完治を目指すことが可能となります。
ぜひ一度、鍼治療を試してみてください。

肩こり・頭痛の当院の施術について

肩こりや頭痛を訴える患者さんには、その症状の原因の可能性が高い「目」「歯」「ストレス」について必ず伺うようにしています。つまり視力の矯正が適正かどうか、歯を治療中かどうか、そして現在ストレスを抱えてはいないかどうかの3点を尋ねます。
そして当院の治療の基本である「黒野式全身調整基本穴」の13の経穴への治療を行った上で、肩こりや頭痛へ効果がある「合谷(ごうこく)」などの経穴への治療を行います。さらに低周波治療器を肩に使用することもあります。

院長からの肩こり予防のアドバイス

肩こりを予防するためには、以下のポイントが重要であると考えられています。

よい姿勢を保つこと

立っているときや、パソコン作業をしているときは、知らないうちに猫背になり、あごが突き出た姿勢になることがあります。このような姿勢は首や肩に負担が集中して疲労しやすく、肩こりを引き起こします。そのため、ときどき自分の姿勢をチェックしてみることが大切です。背筋を伸ばし、軽くあごを引いた姿勢を心がけるようにしましょう。

長時間同じ姿勢をとり続けないこと

よい姿勢であっても、同じ姿勢を長時間続けていれば、筋肉が疲労して首や肩などに痛みが生じます。座って作業をしているときは、30分から1時間程度に一度は休憩をとりましょう。背伸びをしたり、立ち上がったり、または周囲を歩いたりすることで血流がよくなり、肩こり予防に効果的です。

適度な運動をすること

仕事の休憩時間などのちょっとした時間には、ストレッチを行うことも肩こりの予防・解消に役立ちます。ストレッチのポイントは、勢いをつけずにゆっくり行うことです。痛みのない程度で、ひとつの動作に40秒程度かけることを目安に、毎日少しずつ行うことが重要です。

頚のストレッチの例
  • 首を左右交互にゆっくりと倒していきます。
  • 首をゆっくり前に倒します。
  • 首をゆっくり回します。
肩のストレッチの例
  • 両肩を軽く上げ、リラックスしてストンと落とします。
  • 腕を前に伸ばします。伸ばした腕を反対の腕で胸の方に引きつけます。
  • 腕を上へ上げ、片方の手で肘をつかみます。つかんだ手で顔のほうに引き寄せます。

上記の例のほか、「ストレスを減らすこと」「身体を冷やさないこと」なども肩こり予防に効果があります。詳しくは当院にお気軽にお問い合わせください。

頭痛について

頭痛は脳や身体の病気に起因する「症候性頭痛」と、病気ではないものの繰り返し起こる「機能性頭痛」の2つに大きく分けられます。

このうち「機能性頭痛」は頭痛持ちの頭痛ともいわれており、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などの種類があります。これらの症状には鍼灸治療が効果的です。
頭痛は患者さんにとって非常な苦痛であり、日常生活の大きな妨げになります。当院では、患者さんの頭痛がどの分類なのかを正しく鑑別し、適切な治療を行うことが大切であると考えます。
鍼治療により頭痛が治まり、健康な生活を取り戻している方は多くいらっしゃいます。ぜひ、副作用のない鍼治療を試してみてください。

井島鍼灸院ブログ 頭痛 

 

 

さまざまな頭痛の症状と原因

緊張性頭痛

「緊張性頭痛」は頭痛の原因の70~80%を占めるといわれ、日本では成人の22%が悩んでいるほど多く見られる疾患です。中高年に多く、はっきりした性差はありません。また頭痛の頻度は月に数回程度から毎日とさまざまです。

原因

不安・抑うつなどの精神的なストレスや、姿勢の異常などによる身体的なストレスなどが原因となります。
これらのストレスによって首や頭の周りを取り巻く筋肉が収縮し緊張が高まり、血液の流れが悪くなって「こり」の状態となることで、頭痛が起こります。
この痛みがさらに筋肉の血流を悪くし、悪循環を引き起こすため、いつまでも頭痛が続きます。

症状

気が付かないうちに始まり、だらだらと痛みが持続します。
頭部から首筋にかけて痛むことが多いですが、頭全体が痛くなったり、鉢巻き様に痛みが広がったりするケースもあります。痛みは軽度から中等度で、日常生活への影響は軽度です。
圧迫感や頭重感が痛み方の特徴で、「鉢巻きをしているような」「帽子をかぶされているような」と表現されます。

片頭痛

「片頭痛」は成人の10%弱が悩まされている頭痛で、女性に多く見られ、その数は男性の4倍ともいわれています。
多くは子どもの頃から始まり、月に1~2回程度の頻度で繰り返し起こります。

原因

血管説や、三叉神経血管説があります。(←この部分、より詳細な説明と、群発頭痛との整合性が必要かと思われます)
血管説は、頭部の血管が拡張することによって頭痛が起こると考える説です。
血小板からのセロトニン(血管を収縮させる作用を持つ)が放出されるため一旦脳の血管が収縮します。 その後、時間の経過とともにセロトニンが分解されていき減少することによって一度収縮した血管が逆に拡張するために頭痛が起こるというものです。
三叉神経血管説は、脳神経の中で最も大きい三叉神経(顔面周辺の感覚をつかさどる)が関与しているという説です。
何らかの刺激によって三叉神経が刺激されることにより、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつ様々な神経伝達物質が分泌されます。 それらの働きで拡張した血管や、それによって発生した炎症が神経を刺激して痛みが起こるというものです。

症状

片側のこめかみから目の辺りに痛みを生じ、波打つように「ズキンズキン」と痛みます。ひどくなると頭全体に拍動感のない持続的な痛みとなります。
日常生活がとても続けられないほどの痛みで、ひどい場合には寝込むこともあります。日常的な動作や入浴、体操は痛みを悪化させるため注意が必要です。しばしば吐き気や嘔吐を伴い、光や音に過敏となります。
男性の場合には30歳代に多く見られるタイプの頭痛です。年に1~2回、あるいは2~3年に1回起こりますが、いったん起こり始めると、1~2カ月間連日のように群発するのが特徴です。

群発頭痛

「群発頭痛」は、年に数回から数年に1回くらいの頻度で起こりますが、一度発症すると1~2ヶ月にわたって、ほとんど毎日、ほぼ同じ時間帯に激しい頭痛におそわれます。

原因

群発頭痛の原因についてはまだはっきりとしていません。(←この部分、より詳細な説明と、片頭痛との整合性が必要かと思われます)

症状

睡眠中に起こりやすく、1日1回の頻度で起き、1時間程度で自然に治まります。
片方の目、目の上、こめかみの辺りに痛みを生じ、「えぐられるような」激しい頭痛であることも特徴です。
発作中、痛みを感じる側の目には充血や腫れなどが見られるほか、涙が出たり、鼻がつまったり、鼻汁が出たりします。その一方で片頭痛と異なり、吐き気や嘔吐はありません。

院長からの頭痛対策のアドバイス

緊張性頭痛の場合

緊張型頭痛は、筋肉の血流悪化が直接の原因であるため、血行をよくすることによって頭痛が軽減されます。また姿勢が悪いとどうしても身体の一部に無理な力が入ってしまい、筋肉の緊張を招き、頭痛の発症の原因となります。
そのため、まずは日常生活で「正しい姿勢を保つこと」「長時間同じ姿勢を取り続けないこと」を心がけましょう。
肩こりが強いときは、首や肩を温めるのもよいでしょう。毎日10~20分程度の軽い散歩をすると、全身の血行がよくなり、頭痛が起こりにくくなります。

片頭痛の場合

片頭痛の誘因は、人によってさまざまです。そのため、まずはご自身の片頭痛の誘因を知り、それを避けることが重要です。
一般的によく知られている誘因には、過度なストレス、睡眠不足、不規則な食事、暴飲暴食などがあります。また、赤ワイン、チョコレート、アルコールなどの食品が誘因として挙げられることが多いほか、雑踏、臭いや光の強い場所、閃光、雨の日なども片頭痛の誘因となります。
片頭痛が起きてしまったときは、暗い所で横になっていると、悪化しにくいといわれています。横になることができない場合は、座って安静にするだけでも効果があります。

繰り返す肩こり・頭痛のための予防鍼灸

肩こりや頭痛は、日常の生活習慣が原因で生じることが多く見られます。その場合、鍼治療でいったんは症状を治した場合でも、生活を続ける間に再発するケースがほとんどです。
そのために定期的な予防鍼灸の効果は大きく、たとえ症状が現れても悪化する前に治療を行うことで、健康な状態を維持することが可能です。
また、ご家庭や職場でできるストレッチの方法や、パソコンを使用する際の注意点など、肩こりや頭痛を予防するためのアドバイスもお伝えします。

よくあるご質問

Q

施術後に再発することはありますか?

A

肩こりや頭痛の原因となる生活習慣を続けていれば、繰り返し発症します。そのために鍼治療と並行して生活習慣の改善のためのアドバイスをわかりやすく指導させていただきます。また必要であれば、継続的な治療をさせていただきます。

Q

仕事でパソコンを長時間使いますが、それが原因の肩こりや頭痛に悩んでいます。どのようなアドバイスをいただけますか?

A

患者さんのパソコンの使用状況を細かく伺い、最適なアドバイスをお伝えします。イスやデスクの高さの調整方法や、ブルーライトをカットするメガネの着用のすすめなど、患者さん一人ひとりの状況に合わせた提案をします。

小さな細い鍼で、大きな幸せを。JR「岐阜」駅より車で7分 / 無料駐車場完備最寄りバス停:岐阜バス「柳ヶ瀬西口」小さな細い鍼で、大きな幸せを。JR「岐阜」駅より車で7分 / 無料駐車場完備最寄りバス停:岐阜バス「柳ヶ瀬西口」
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