どんな症状?
顎関節症の代表的な症状は,「あごが痛む(顎関節痛)」、「口が開かない(開口障害)」、「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」の三つがあります。
このうち一つ以上の症状があり,鑑別診断で他の疾患がない病態を「顎関節症」といいます。
顎の関節は他の関節と少し違った仕組みになっています。口を大きく開いたときには骨のはじ(下顎骨)がおよそ2cmくらい前方に移動します。
このとき下顎骨は回転しながら滑り降りていくのですが、滑る面の骨に著しいデコボコがあったり、動く骨と滑る骨の間にある関節円板という組織に変形や位置のずれがおきていると、動く途中の下顎骨がなめらかに動くことができず、つかえながら乗り越える音がします。
日本では、成人の約半数近くにアゴの不調を感じている人がいるという報告があります。
鹿児島大学歯学部の伊藤額而教授らが女子高生約400人を対象に行った調査では、43%が顎関節症と診断されました。
10歳代の終わりから20歳代の若い女性に多く、最近では子供にも増えているといわれます。
顎関節症には様々な原因が考えられます。
顎関節症の原因には、食事のときに正面を向かずに横のテレビをみながら食事をするなど顎関節の使い方が悪いもの。慢性の肩こりや腰痛などを持っているようなからだの不調が顎に影響を与えるもの。歯の治療や喪失、痛みなどによって今まで食べていた状態が変化し、顎の使い方が変わるような口の中に原因があるものなどが考えられます。
また、幼児の顎関節症の原因では悪い噛み方、不良な歯の詰め物、指しゃぶりなどが考えられます。さらにうつ、不安、ストレスなどの心因性のもの、顔面打撲や事故による外傷ものなどが誘因となることもあり、複数の原因が微妙に絡み合って症状がでることが多いことがわかっています。
顎の症状以外に副症状をともなう場合もあります。
口を大きくあけたり、ものをかんだりしたときに、ぎこちない動きとなって自由に動かせず、痛みをともない、口をあけるときにひっかかったり、口を開閉すると関節の音がするといった症状がありますが、腫れたり、熱が出たりすることはありません。
これ以外に副症状をともなう場合もあります。副症状として、頭部、頚部、肩、腰、手足の疼痛、めまい、耳なり、耳閉塞、目(充血)、鼻(鼻閉感)、自律神経失調症の諸症状、顎位が定まらない咬合異常などがみられます。
東洋医学研究所®グループの井島鍼灸院では、長年に亘りこのような顎関節症の治療をさせて頂いております。
症状の程度によっては、治療に時間のかかることもありますが、是非、継続的な鍼治療をお勧め致します。