井島鍼灸院ブログ

2022.06.20更新

黒野保三先生は早野順一郎先生と自律神経について共同研究をされ、2011年に『オートノミックニューロサイエンス誌』に『膻中穴への鍼刺激は、心拍変動における心臓迷走神経成分を増加させ、中庭穴では増加しない』と題して経穴特異性を報告されました。この研究は、人における自律神経活動の客観的使用し、得気を生じさせない筋膜上圧刺激の自律神経への影響を報告したはじめての論文になります。

Kurono Y, Minagawa M, Ishigami T, Yamada A, Kakamu T, Hayano J.Acupuncture to Danzhong but not to Zhongting increases the cardiac vagal component of heart rate variability. AutonNeurosci. 161. 116-120 : 2011
(膻中穴への鍼治療は、心拍変動における心臓迷走神経成分を増加させ、中庭穴では増加しない)

 

膻中 中庭

 

 鍼刺激による生体の反応は、数cm違う経穴で変化することを証明して頂きました。

そして、正しい経穴(ツボ)の位置に、適切な鍼刺激をすることの重要性を再認識させて頂きました。

東洋医学研究所グループでは、黒野保三先生のご指導のもと、正しい経穴の位置を素早く探り当てる練習をさせて頂きました。

今、技術と知識に基づいた真の東洋医学・鍼治療の必要性が再び急激に高まっています。

本当に健康、幸せになるためにはどうすべきなのか、黒野先生がずっと探究されていた真実が世の中に広がり始めました。

絶対に健康で幸せになれるはずです、日本の皆様、目を覚まし行動して下さい。

 

 

 

 

 

投稿者: 井島鍼灸院

2022.06.02更新

師匠 黒野保三先生の著書  長生き健康「鍼」 P20~23の内容をご紹介します。

 鍼灸医学は東洋医学の一部門ですから、人の健康についての基本的な考え方は鍼灸医学も東洋医学も共通しています。東洋医学には主に三つの部門があると考えると分かりやすいでしよう。
第一に養生。東洋医学では養生を踏まえた生活習慣の整備もまた立派な治療であると考えています。
第二に物理療法(物理的刺激による治療法)としての鍼灸医学。これは体表のッボ(経穴)と呼ばれる箇所に緘や灸による刺激を与える治療です。
第三に化学療法・薬物療法としての漢方医学。これは、自然界に存在する薬用植物などを活用する治療です。
これらのアプローチはいずれも、人体に本来備わっているバランスを維持しようとする働きを活性化して自然治癒力を高めます。それによって、未病治と長寿、ならびに病気からの回復がなされるのです。
 東洋医学は今でこそ、西洋医学の手が届かない部分を補う医療として、代替医療(西洋 医学以外の医療を総称する言葉)の一部門として位置づけられていますが、元々、日本で は東洋医学を行う者こそが「医師」であり、本来であれば「鍼灸医師」と呼ばれるべき存在です。
そこで私は、それを業とする者は今でも医師としての自覚と責任感を持つて治療に当たるべきだと考えています。
 ここで、日本における鍼灸医学の歴史を簡単に振り返ってみましょう。
鍼灸医学が日本に持ち込まれたのは、3世紀初頭の神功皇后による朝鮮半島との交流がその最初であり、5世紀には允恭天皇が新羅から鍼医師の徳来を招いたことで本格的な普及が始まりました。
それからの約1600年間、鍼灸医学をはじめとする東洋医学は日本の医療を一手に担い、日本人の健康と長寿を守ってきました。特に、室町・江戸時代には鍼灸大学で鍼博士の資格を取得した人がたくさん活躍していたのです。このことからも、鍼灸医学は決して民間療法として分類すべきではないということが理解できると負います。
ところが、その後、江戸末期から明治時代にかけて西洋医学が急速に普及したことで 「医師取締法」という法律ができ、医師になるには西洋医学を学んで国家試験に合格しなければならないということになりました。つまり、それまでの鍼灸医師は医師ではないというのです。そこで、今では我々は「鍼灸師(はり師・きゆう師)」と名乗らなければな りません。
しかし、それでも私たちは鍼灸医師という自覚を持ち、また、その自覚を忘れてはならないと思います。法的には医師でないとしても、その双肩にかかる責任の重さは西洋医学の医師と同等かそれ以上であるからです。

今、時代が再び変わろうとしているように感じます。

本当に健康、幸せになるためにはどうすべきなのか、黒野先生がずっと探究されていた真実が世の中に広がり始めました。

食と医療に疑問を持って下さい。もっと言えば、教育、歴史、科学、政治、情報の真実を今一度確認して下さい。

絶対に健康で幸せになれるはずです、日本の皆様、目を覚まし行動して下さい。

投稿者: 井島鍼灸院

2022.05.21更新

 師匠 黒野保三先生の著書  長生き健康「鍼」 P59~61の内容をご紹介します。

「西洋医学と異なる人体へのアプローチ

 鍼灸医学の診察法は「望」「聞」「問」「切」の四種類に大別され、これらをまとめて 「四診法」と呼んでいます。診察のための器具や機器などがなかった時代に生まれた鍼灸医学では、鍼灸師が五感に よって病気の兆候を確認し、陰陽・虚実の判定や病邪(病気を引き起こしている邪気)の 所在を明らかにし、治療方針を決定してきました。

 これを時代遅れと考える人もいるかもしれませんが、西洋医学の検査で見落とされるよ うな異変を鍼灸診療で早期に見つけることがあるのも事実です。ここでは、鍼灸医学と西洋医学とでは人体へのアプローチの仕方が異なるのだと理解してみてください。

 まず、「望診」について説明しましょう。望とは望む・見るという意味で顔色や皮膚の 色調、目や髪や爪の状態、姿勢や行動の様子などを観察します。また、「舌診」という舌 の状態から臓腑の調子を推測する鍼灸医学ならではの診察法もここに含まれます。

 次に「聞診」です。これは耳で聞くことによる診察ですが、西洋医学のように聴診器を用いることはなく、直接耳に聞こえる兆候を対象としています。具体的には、声の大小や ひびき、呼吸音、体臭や口臭、腹部が鳴ったり胃の中の水がチャプチャプと音を立てる様 子などを観察します。

「問診」は西洋医学と同じく患者への質問によって自覚症状を聞き出すものですが、鍼灸医学独自の考え方に基づいているため、質問内容はかなり違ってきます。鍼灸医学では発埶ひとつをとっても、微熱・大熱・往来寒熱・身熱・潮熱・悪熱・煩熱・湿熱・瘀熱と分類 されており、そのうちのどれに当たるのかを判別できるような仕方で患者に質問しなけれ ばならないのです。

「切診」は鍼灸師が患者に対して直接手を触れて診察する方法のことで、代表的なものに 「脈診」「腹診」「背診」「切経」があります。そのうち脈診は鍼灸医学の診察法の中で最も 重要で、人の生命現象の源とされる気血をはじめ、陰陽・虚実の状態を直接認知するため の方法です。
 一方、腹診は腹部の触診(触れることによる診察)、背診は背中の触診、切経は気の通 り道とされる経絡やッボ(経穴)への触診をそれぞれ指しています。」

 

検査機器に頼ることにより、かえって診えなくなることがあります。

感覚を研ぎ澄ますことにより、診えるようになることがあります。

日常の生活から精進してまいります。

 

投稿者: 井島鍼灸院

2022.04.28更新

黒野保三先生に立ち上げて頂いた公益社団法人 生体制御学会のホームページがリニューアルされました。

私も総務部長として、お手伝いさせて頂いている学会です。

公益社団法人 生体制御学会の書記を務めて頂いている中村覚先生の頑張りで、大変見やすく美しいホームページを作成して頂きました。

是非、一度ご覧頂きたいと思います。  https://www.pic-bioregulation.com/

 

投稿者: 井島鍼灸院

2022.04.24更新

東洋医学研究所グループの角村幸治先生が、2022年3月26日にFM豊橋の「田部井淳の「道」やりませんか!?」出演され、放送後、田部井さんとお話した様子を田部井さんのYOUTUBEチャンネルで紹介されました。

空手道豊空会(ほうくうかい)始祖、師範の田部井淳(ためがいじゅん)さんがスポーツでもない、格闘技でもない、武道・空手を通じて見いだした「道」を熱く語る番組です。打ち込み、極める、様々な分野の注目人物をゲストに招き、同じ「道」を往く田部井淳と業種・ジャンルの垣根を越えた「道」トークをするコーナーです。

角村ラジオ

 

番組内容については 角村先生のホームページ https://kadomura.org/topix02.html をご覧ください。

YOUTUBEチャンネル ProjectJ 会ってきました⑩角村幸治先生はこちら

投稿者: 井島鍼灸院

2022.04.15更新

 師匠 黒野保三先生の著書  長生き健康「鍼」 P105の内容をご紹介します。

 太極療法では全身のバランスをとるために黒野式全身調整基本穴のすべてに鍼を施しま すが、その際に重要なのは、患者の病態に応じて刺激の量・質を変えるということです。 そのような調整を伝統的な鑑灸医学では「補瀉」と呼んでいます。「補」とは弱いもの を強めること、「瀉」とは強すぎるものを適度に弱めることを意味しており、的確に補瀉 を行なうことで統合的制御機構を調整するのです。では、補と瀉の適切な刺激量はどれくらいでしょうか。
 鍼刺激の強さについて20グラムと60グラムで比較したところ、20グラムでは複数回刺激 を繰り返してもほぼ一定の反応が得られるのに対し、60グラムでは回を重ねるほどに反応 が低下するということが実験で確認されました。そのことから、当研究所の鍼治療では、 20グラムを基準としてその前後で強弱を微調整しています。
 これは簡単なようですが、熟練を要する高度な技術です。さらに、同じ患者でも日によ って、あるいは鍼を施す箇所によって強弱を微調整する必要があります。そこで、当研究 所の鍼治療では、ッボに刺し、反応を得たら鍼をすぐに抜くようにしています。

 鍼治療の熟練を要する高度な技術は、黒野先生に教えて頂きました。そして、黒野先生がずっと生前続けてこられたように、私も毎朝、治療を始める前に鍼の練習をさせて頂いております。

 

投稿者: 井島鍼灸院

2022.04.07更新

 師匠 黒野保三先生の著書  長生き健康「鍼」P99~P101の内容をご紹介します。

日頃の診療のときに、すべての患者さんに使用させて頂いている「黒野式全身調整基本穴」についての説明です。

 太極療法の特徴となるのが、「黒野式全身調整基本穴」による鏡治療です。ここでいう 「穴」とはッボのこと。つまり、黒野式全身調整基本穴とは、統合的制御機構を調整する ために厳選されたッボを意味しているのです。
ここで、黒野式全身調整基本穴の誕生の由来について説明しておきましょう。
 私は昭和31年に開業して以来、受験生が暗記に使うような小さなカードに、治療で用い たッボとその有効性を記録しつづけていました。そうして昭和43年に、それまでの記録を まとめて疾患の分類とそれぞれのツボの使用頻度とを集計したところ、大変興味深い結果 が出たのです。
 集計調査にあたっては正確性を保つため、西洋医学での診断を得た内科領域の患者のう ち、同じ主訴(訴え)で5例以上そろうケースだけを扱いました。
まず、疾患の性質ごとに6パターンのグループに分類したところ、対象患者2083名 のうち、不定愁訴症候群(無徴候有訴群)が7 84名(約38%)、消化器疾患が5 3 8名26%)、呼吸器疾患が323例 (16%)と、三つのグループだけで全体の約80%を占める 結果になりました。また、患者自身の自覚症状としては、これら三つのグループにおける 第一位はいずれも「首と肩のこり」でした。
 次に、それらの症状に対して用いたツボについて調べました。150例以上使用したツ ボに絞って集計したところ、肺兪・厥陰兪がともに1474例 (70.8%)と最も多く、 次いで、天柱・風池・大杼・肩井がともに1386例 (66.5%) でした。これは、それ らのッボが肩こりと関係していることを推測させる結果です。さらに、腎兪968例 - 5%)・大腸兪9 2 7例 (44.5%)・脾兪8 9 2例 (42.8%) については、消化 器疾患との関係が推測できます。
 以上の結果から、使用頻度が40%以上の13箇所のッボを黒野式全身調整基本穴と定め、 統合的制御機構の活性化のために優先して鏡治療を施すべきッボであると定義しました。 興味深いことに、それらのッボは腹部側と背部側にバランス良く配置されています。陰 陽説では人体の腹部側を陰、背部側を陽と考えることから、全体としてとらえると、この ようなッボの配置は陰陽のバランスが整っているといえるでしょう。そのように陰陽が調 和した状態のことを「太極」といいます。

 どのような疾患を治療する際にも、体の調子を整えることは大変重要だと教えて頂きました。その上で、患者さんそれぞれにあった部分の治療(局所療法)を加えさせて頂いております。

是非、安心して鍼治療をお試し下さい。

投稿者: 井島鍼灸院

2022.03.29更新

 師匠 黒野保三先生の著書  長生き健康「鍼」P25~P26の内容をご紹介させて頂きます。

「医」という字が成立した経緯を追ってみると、西洋医学が失ったものが何なのかという ことが見えてきます。
まず初めは「巫」という字です。これは「みこ」と読みますが、人が人に工を与えると いうことで医師を意味しています。また、昔の医師は単に医療者というだけではなく、天地人の営みに精通した宗教者であり為政者でもありました。
 少し後の時代になって「巫」が変化したものが「毉」です。盾のような形で「矢」が囲 まれ、その右に人を意味する「殳」、その下に「巫」があるという構造になっています。 これは、戦いで傷ついた人々を治療したところから作られた字なのでしょう。 次に「醫」ですが、これは「巫」が「酉」に置き換わっており、「酒」で傷口を洗ったということを意味しています。消毒法の登場です。さらに、「殿」になると「矢」の部分 がクローズアップされており、体にメスを入れるような治療法が連想されます。 そして、現在は「医」という字になり、人を意味する「殳」は消えてしまいました。現代の西洋医学は数値を見て、人(患者)を見ないと述べましたが、まさしくその通りの字 になっているとは何とも象徴的です。
緘灸医学は、西洋医学が置き忘れてきた「人」を何よりも大切にし、医療の原点を忠実 に守りつづけています。検査機器がない代わりに、鍼灸師の五感で患者をくまなく見ていくのです。もちろん、正確な診察のために膨大な訓練が必要であることは言うまでもあり ません。

 患者の患という字は、心に串がささっている状態に思えます。鍼灸医師は人を診る者としてその串を抜く努力をしなければなりません。そのためには、緘灸医師個々人のたゆまざる技術・技能の 錬磨が必要であり、さらに東洋の自然思想と東洋哲学の考え方に基づく人間性の豊かさが要求されます。 そのような人間性を養うには次の三つの要素が必要だと黒野先生から教えて頂きました。

1 自然を尊び、人と自然を一つのものとしてとらえ、命の崇高さを理解できる精神、ある種の宗教的感性を養うこと。
2人間学(情意学)を学び、人生経験に基づく人生哲学を持つと同時に、実証医学とし ての緘灸医学の研究や、心と体を総合的にとらえていく全人的診療を行なうことのできる 自然科学哲学者であること。
3患者の気持ちを受け入れ、病気・生活・家族・社会活動・家庭の経済に至るまで、患者に適切な指導ができる心理学者であること。

「人」を何よりも大切にし、医療の原点を忠実に守りつづけていきます。

 

投稿者: 井島鍼灸院

2022.03.16更新

明治国際医療大学名誉教授 北出利勝先生にご執筆頂いた黒野保三先生の追悼文が、全日本鍼灸学会雑誌 第72巻1号に掲載されました。

追悼文をご紹介させて頂きます。

 黒野保三先生を偲ぶ 

                             明治国際医療大学

                             名誉教授 北出 利勝

 令和3年(2021年)9月27日に天寿を全うされ91歳で永眠された。心からご冥福をお祈り申し上げます。

 黒野先生は、昭和35年、新潟大学から名古屋大学に生理学教授として赴任してきた高木健太郎先生の教室を訪ね、鍼灸の生理学を勉強したいと高木門下生の一人として鍼の生理学的研究を始めることになる。

 高木先生との師弟の絆で、鍼灸医学向上へのあくなき執念により、昭和48年、名古屋大学豊田講堂で開催された第20回日本鍼灸学会学術総会に中国医師団6名を招聘し、6都市で鍼麻酔の特別講演及びシンポジウムを開催した。これは日中国交回復直後での中国医師団を招聘した大事業であり、これにより日本中に鍼灸医学のブームが巻き起こったと言っても過言ではない。

 昭和54年、東西両医学の協調を目指し東洋医学研究財団の設立、昭和55年、社団法人全日本鍼灸学会の設立(昭和50年に日本鍼灸学会が日本鍼灸医学会と発展的改称されてから法人化に向けて尽力し、30数回にわたり文部省に出向き、遂に日本鍼灸治療学会と日本鍼灸医学会をひとつにまとめ法人化を成し遂げた)等、鍼灸医学の発展に多大な貢献をされた。また、全国各都道府県も地方会創設のために、高木先生とともに全国行脚され、数百名であった会員が一躍、千数百名と増え、学術研究の内容の精度も高くなり、国内はもとより、国際的にも有識者に認められるようになり、鍼灸師の資質の向上に繋がった。

 また、昭和42年には3階建ての東洋医学研究所®(名古屋市千種区春岡)を開設し、後輩の育成を始められた。東洋医学研究所®の設立は当時としては驚くべきことであり、このことからも黒野先生の情熱を感じられる。そして、鍼灸師でも名古屋市立大学医学部の研究員になれる門戸を開き、自らも研究員となって鍼灸医学の有効性を基礎的に研究し多数の論文を残された。

 私は思う、大学教育では学生が卒業すれば、その後は本人の努力で進まなければならない。黒野先生が言われる「修行」とは、鍼灸学とともに躾および開業する道を導かれたものであり、卒後教育の最たるものと思う。黒野先生の60年以上の臨床歴の中において、多くの開業者を育てられ、その開業された先生方は、今も鍼灸界で活躍されている。

 私にとっても、黒野先生は人生の師であり、これまで多くのことを教えていただいた。黒野先生は、「鍼灸医学の道に足を踏み入れて以来、今日に至るまでの道は決して平坦ではなく、試行錯誤の連続、成功や失敗の繰り返しであったこと、それは、鍼灸医学の発展と鍼灸診療を行う仲間とともに資質の向上を計ろうとするロマンの道程であり、それに注ぐ情熱の道程でもあった」と時間をいとわずにお話いただいたことは今でも忘れることができない。師との出会いにより、物の考え方、取り組み方、行い方、すべてが変わり、そこに信念と情熱が加わることにより、無から有を生じる摩訶不思議な現象が起きるのだと痛感し、また、学・術・道を踏まえて、鍼灸医師としての矜持を持つべし、とも常々おっしゃられておられた。

 また、時事問題に詳しく、常に社会情勢を踏まえ行動される姿、書画骨董を見て自分の感性を養う姿、ゴルフや囲碁(六段)をプロから学んでその道を究めようとする姿、これらは全て鍼灸道に通じる道として真実を探求する姿勢は、終始一貫していた。

 小生も鍼灸の教育者として大学で教鞭を執る身であったが、黒野先生という師に巡り会えたことは誠に幸運であったと感謝の一念で一杯である。

 鍼灸医学、鍼灸診療を学ぶ者に言いたい、「良き師について学んでほしい」と。

 黒野先生の鍼灸医学に対する魂は、永遠に受け継がれることを念じて止まない。

 受賞

  ・代田賞奨励賞2回(1984年・1993年)

  ・(社)全日本鍼灸学会会長賞2回(1991年・2001年)

  ・第1回高木賞(1997年)

  ・大村秀章愛知県知事より 「愛知県知事表彰」(生体制御学功労者表彰)(2017年)

               (協力:皆川宗德・河瀬美之・橋本高史:2021.12.15記)

    

 今回ご尽力頂いた北出利勝先生と、全日本鍼灸学会の先生方に心より感謝申し上げます。

 私は弟子の一人として、黒野先生がすべての幸せのために鍼灸医学にかけた熱い思いを継承し、責任ある行動をとることを約束します。

 

 

 

投稿者: 井島鍼灸院

2022.03.14更新

 師匠 黒野保三先生の著書  長生き健康「鍼」P16~P17の内容をご紹介させて頂きます。

「未だ病まざる病」とは病気以前の不調であり、その多くは病院での検査では異常なしとして判断されてしまいます。しかし、予防医療の観点でいえば、その段階で治すことこそ が健康と長寿のために最も大切なのです。
病気になってから治すのではなく、病気にならないようにすることがずっと良いということは誰が考えても分かります。だからこそ、鐡灸医学では、「未病治」を実現する医師は「上医」であると賞賛しているのです。

残念なことに、現行の健康保険制度のあり方は、医師をして「下医」の仕事に向かわせる結果となっているのが現状です。そのため、「上医」による「未病治」を求める人は、鍼灸院など西洋医学の病院以外の医療機関で受診するしか方法がありません。

上医 中医 下医については、黒野先生が引用されていた「上医はいまだ病まざるものの病を治し、中医は病まんとするものの病を治し、下医はすでに病みたる病を治す。」が代表です。その他にも、「上医の勤勉な医者は、毒さえも薬となして人を助ける。中医の凡庸な医者は、薬を薬として使って人を助ける。下医の怠惰な医者は、薬を毒となして却って病を重篤にする。」や、「上医は国を治し、中医は人を治し、下医は病を治す。」などがあります。

黒野先生のような上医を目指したいと思います。

投稿者: 井島鍼灸院

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