井島鍼灸院ブログ

2025.06.05更新

肩や首のこり、疲れやすさ、風邪のひきやすさ……そんなお悩みに効く、背中のとっておきのツボをご存じですか?
今日は、黒野式全身調整基本穴のひとつであり、“最強ともいえる背中のツボ”大杼をご紹介します!

大杼は、はいゆや、百労、なんて別名もあって、
昔からとても重要なツボとして知られています。
大杼は、体の背面を流れる足の太陽膀胱経という経絡にあります。
この経絡は、背中や足を通って、体の奥深くに働きかけます。
さらに大杼は、東洋医学で、はちえけつと呼ばれる、特別な8つのツボのうちの1つなんです。
はちえけつは人体の、臓、腑、気、血、脈、筋、骨、髄という八つの組織や機能に、それぞれ深く関与する8つの特効穴を指します。
大杼はこつえつまり、骨に深く関係するツボ!

【大杼の位置】
大杼は、首をぐっと下に曲げたときに一番出っ張る背骨、そのすぐ下にある、第1胸椎と第2胸椎の棘突起間の両側、1寸5分のところにあります。
ちょうど肩甲骨の上のあたり、背中の真ん中より少し外側ですね。

【名前の由来】
杼という言葉、聞いたことありますか?
これは、昔の織物を作る道具、いわば糸巻きのこと。
機織りのとき、横糸を左右にスーッと送る、あの道具なんです。
さて、人の背中の上部、ちょうど首と背中の境目に、
ゴツッとした骨が左右に出っ張っています。
この椎骨の横突起の形が、なんと、杼、”そっくりだったんです!
だから昔は、この骨を杼骨と呼んでいました。そして、左右の杼骨の外側にあるこのツボ。
それが大きな杼、大杼と名づけられました。
名前ひとつに、こんなに歴史と形の意味が詰まっているなんて、面白いですよね!

【効果・効能】
大杼は、肩や首のこり、寝違え、頸椎症など、首から肩のつらい不調に効果抜群。
漢方的には骨会という特別な役割もあり、骨や免疫に関わる症状にもよく使われます。さらに!骨のツボとして、骨格のバランスを整える働きもあるんです。
風邪をひきやすい、疲れが取れない、そんなときにも、このツボが頼りになりますよ。

背中にそっとある大杼のツボ、でもその力はとってもパワフル。
気になる不調がある方は、ぜひプロの鍼灸師に相談してみてくださいね!

ツボの力で毎日をもっとラクに。
井島鍼灸院でした。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.06.02更新

朝、起き上がると、ふらっとしたり。
立ち上がったときに、めまいや、立ちくらみを感じることはありませんか?

その症状……
起立性低血圧かもしれません。

自律神経の乱れや
成長期のお子さん、ストレスの多い方に多く見られるこの症状は、
日常生活に支障をきたすこともあります。

今回は、そんな起立性低血圧の原因や特徴
そして、鍼灸でどのようなケアができるのか
詳しくお伝えしていきます。

起立性低血圧とは
座っている状態や、寝ている状態から立ち上がったときに
血圧が急に下がって
めまいや立ちくらみなどの症状が出る状態のことです。

立ち上がってから3分以内に
上の血圧が20ミリ下がるか、
下の血圧が10ミリ下がったときに
起立性低血圧と診断されることがあります。

一時的な症状に見えても、
日常生活に大きな影響を与えることがあります。

正しく理解し、対策することが大切です。

起立性低血圧の症状は人によって異なりますが、
よく見られるのは次のようなものです。

立ち上がったときにふらついたり、めまいがする。
視界が白くなったり、暗くなったりする。
頭が痛くなったり、重くだるく感じる。
肩や首がつっぱるように痛む。
朝、体がだるくてなかなか起きられないほどの強い倦怠感。

また「横になると、すぐに楽になる」というのも特徴のひとつです。

普段は元気なのに、朝起きたときや立ち上がった瞬間に、急に具合が悪くなる。
そんな経験はありませんか?

起立性低血圧の原因はさまざまありますが、
中心にあるのは自律神経の乱れです。

立ち上がると、重力の影響で
血液が一時的に下半身にたまります。
その結果、脳への血流が減ってしまいます。

それを補うために
自律神経が働いて、血管を収縮させたり
心拍数を上げたりして脳への血流を保とうとします。

しかし、自律神経の働きがうまくいかないと
脳への血流が一時的に不足し
めまいや失神などの症状が出てしまうのです。

このような状態は

中学生や高校生など、成長期のお子さん
高齢者の方
ストレスや不規則な生活リズムによって自律神経が乱れやすい方
こうした方に多く見られます。

最近では、夜型の生活やスマホの使いすぎ、
そして睡眠不足によって生活リズムが乱れ、
自律神経のバランスが崩れている方も増えています。

「年齢のせいかな」
「自分は朝が弱いかも」
そう思っていたら、実は起立性低血圧だったということも少なくありません。

起立性低血圧のつらさは、日常のちょっとした工夫でやわらぐことがあります。
ご自身の体にやさしく向き合いながら、できることから試してみてください。

まずは急に立ち上がらないことが大切です。

朝、目が覚めてもすぐに起き上がらず、
まずは手足を軽く動かしてみてください。
そのあと深呼吸をしてゆっくりと体を起こしましょう。
こうした工夫でふらつきを防ぎやすくなります。

そして規則正しい生活を心がけましょう。

夜ふかしや、スマホの使いすぎは、自律神経を乱す大きな原因になります。
できるだけ決まった時間に寝て、決まった時間に起きるようにしましょう。
それだけでも少しずつ体が整っていきますよ。

これらのセルフケアを続けても、症状が改善しない場合には、
自律神経の働きを整える鍼灸治療もひとつの選択肢です。

無理せず自分に合った方法で、少しずつ心と体を整えていきましょう。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.05.30更新

 いつまでも咳が止まらない…それ、副鼻腔のせいかもしれません!

こんにちは。

「風邪は治ったのに、なぜか咳だけが何週間も続いている…」そんな経験、ありませんか?

もしかしたらそれ、「副鼻腔気管支症候群(ふくびくうきかんししょうこうぐん)」かもしれません。
ちょっと難しそうな名前ですが、実は“鼻”と“気管支”の両方に炎症が起こっている状態のこと。放っておくと、毎日の生活にも影響が出てしまうことがあるんです。

副鼻腔気管支症候群って何?

この病気は、簡単にいうと「副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)と、気管支炎が同時に起こる状態」。
鼻と気管支は、実は空気の通り道としてつながっているため、片方が炎症を起こすと、もう片方にも影響が出やすいのです。

そのため、風邪のあとに副鼻腔炎が残ってしまい、それが引き金になって咳が続いてしまう、なんてことも。

どんな症状が出るの?

副鼻腔気管支症候群の特徴は、長く続く湿った咳
カラカラした咳ではなく、ゴホゴホと痰が絡む感じの咳です。さらにこんな症状も…

  • 黄色〜緑色の粘り気のある痰
  • 同じく粘り気のある鼻水
  • 鼻づまりや頭の重さ
  • 鼻水がのどに落ちてくる感じ(後鼻漏)
  • のどの違和感、咳払いが止まらない
  • においがわからない(嗅覚障害)
  • 微熱が続く

風邪とは違う…でも喘息とも違う…
そんなとき、この病気が隠れていることがあります。

原因は?どうして起こるの?

原因として考えられているのは、主に次の2つの説です。

  1. 後鼻漏説:寝ている間に鼻の奥から痰が喉に落ち、それが気道を刺激する。
  2. 線毛(せんもう)機能の低下:鼻や気管支にある“異物を外に追い出す働き”が弱くなり、炎症が続いてしまう。

どちらにしても、鼻と気管支の連携プレーがうまくいかないことで、症状が慢性化してしまうのです。

どうやって診断するの?

診断のポイントは、「呼吸困難を伴わない湿った咳が8週間以上続いていること」。
これに加えて、副鼻腔炎の兆候(鼻づまりや画像検査での所見)があれば、この病気が疑われます。

検査としては…

  • 胸のレントゲンや副鼻腔のCT
  • 血液検査
  • 痰や鼻水の検査(好中球という細胞が多く出ているか)
  • 呼吸機能検査

 

放っておくとどうなるの?

この病気、ただの咳とあなどって放っておくと、呼吸がしづらくなって日常生活に支障が出ることも。
仕事や家事に集中できない…寝ていても咳で目が覚める…そんな日々になってしまいます。

だからこそ、早めの診断と治療がとても大切なんです。

まとめ:長引く咳は、体からのサインかも!

「ただの風邪だと思っていたのに、咳だけがいつまでも続く」
そんなときは、鼻の奥と気管支のトラブルが関係しているかもしれません。

◆こんな方は要チェック!

  • 風邪が治っても咳が2ヶ月以上止まらない
  • 鼻づまりや後鼻漏、痰もある
  • 咳はあるけど、ゼーゼーする感じや息苦しさはない

これらに心当たりがある方、あなたの咳の原因は「副鼻腔気管支症候群」かもしれません!

投稿者: 井島鍼灸院

2025.05.29更新

師匠黒野保三先生にとても大切な心得として、いつも教えていただきました。

医療の原点、それがヒポクラテスの誓い

一般に「治療を受ける」とき、無意識のうちに信じているもの。それは“この人なら命を預けられる”という安心感です。その信頼の原点となる考えが、実は2500年以上も前のギリシャに存在していました。それこそが、ヒポクラテスの誓いです。

誓いの中に込められた7つの約束

ヒポクラテスの誓いには、心を打つ約束が詰まっています。

  • 師匠を家族のように敬うこと
  • 師の子孫には無償で医術を伝えること
  • 知識を限られた者にだけ継承すること
  • 害のある治療を絶対に行わないこと
  • 人を傷つける薬を与えないこと
  • 清く正しい姿勢で生涯を過ごすこと
  • 秘密を決して漏らさないこと

どの言葉にも、命と向き合う覚悟がにじんでいます。

2500年の時を越え、今なお語り継がれる理由

この誓いが生まれたのは、紀元前5世紀の古代ギリシャ。医学の父・ヒポクラテスとその弟子たちが生んだ精神は、今なお医療の道を志す者たちの道標です。

特に以下の3点は、現代医療にも深く結びついています。

  • 患者の利益を最優先に考える
  • 守秘義務を徹底する
  • 医師としての誇りと責任を忘れない

一方で、「知識の門戸を閉じる姿勢」や「医師の判断が絶対」という考えは、時代の流れとともに見直されつつあります。

現代の医療とヒポクラテスの誓いの共鳴

いま、医療の現場では患者の意思決定が大切にされています。かつてのように「医師がすべて決める」時代ではありません。

  • インフォームド・コンセント(十分な説明と同意)
  • セカンドオピニオン(他の医師の意見も聞く)
  • 患者中心の医療

これらは、誓いの精神を土台にしながら進化した考え方です。

誓いが唱えられた時代にはなかった言葉ですが、その核心は同じ。“患者のために”という姿勢に、時代は関係ありません。

医療に携わるすべての人へ届けたいメッセージ

ヒポクラテスの誓いは、単なる歴史ではありません。今も医師や医療従事者にとって心の支えであり、信頼の証でもあります。

「目の前の患者に、最善を尽くす」
この想いが、医療のすべてをつくっているのです。

まとめ:2500年前の誓いが、明日の医療を支える

ヒポクラテスの誓いは、形を変えながらも現代の医療に息づいています。
その精神は、命を守るすべての現場にとっての原点です。

これからも、信頼と倫理を大切にする医療が広がることを願ってやみません。
そして私たち一人ひとりが、その誓いの意味を知ることこそ、安心して医療と向き合う第一歩になるのではないでしょうか。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.05.27更新

あの瞬間、口笛が吹けた…!

3年半続いた顔面神経麻痺、あきらめかけたその時に…

こんにちは、井島鍼灸院の井島です。

今回は、なんと3年半もの間、顔面神経麻痺に悩まされていた患者さんのお話をご紹介します。 「もう治らないかもしれない」とあきらめかけていたその時、希望の光が差し込んできたのです。

症状のはじまりは、突然に

猛暑の中、夜間のトラック運転という過酷な仕事をこなしていた患者さん。疲れがたまり、睡眠も不足していたある日、舌に小さな湿疹ができました。病院ではヘルペス性口内炎と診断され、薬を服用するも…数日後、右の顔が垂れ下がり、まばたきもできない状態に!

診断と治療、でも残る違和感

紹介されたT病院で顔面神経麻痺と診断され、10日間入院。その後も通院を続けた結果、まばたきや食事の問題は改善したものの、顔の歪みや会話時の違和感は残ったままでした。「男だから少しぐらい平気でしょ」という医師の言葉に、患者さんは通院をやめてしまいます。

あきらめていたけれど…

3年半が過ぎ、「もう無理かな」と思っていたある日…突然口笛が吹けるように! 「まだ回復する可能性があるのでは?」と希望を感じ、ネットで調べて当院に来てくださいました。

顔面の動きを点数でチェック!

当院では、顔の動きを評価する『40点法(柳原法)』を用いて、表情筋の状態を詳細に確認します。 初診時のスコアは28点。治療を重ねるごとに、最終的には38点(正常値)まで回復しました!

井島鍼灸院での治療

  • 生体制御療法(黒野式全身調整基本穴)
  • 顔面神経麻痺に対する局所治療

鍼治療によって、身体の内側から自然治癒力を引き出し、少しずつ表情が取り戻されていきました。

科学的な裏付けも

鍼治療が顔面神経麻痺に有効であることは、国内外の研究からも示唆されています。 ただし、研究の質にばらつきがあるため、さらなる調査も必要です。 それでも、脳の可塑性(神経の再構築能力)に働きかける可能性があるという点で、希望のある治療法といえるでしょう。

あきらめる前に、一歩を

発症から時間が経っていても、改善のチャンスはあります。大切なのは、適切な治療を続けること。 鍼灸はその強い味方になるかもしれません。

同じような症状でお悩みの方へ

今回のお話が、少しでもあなたの勇気につながればうれしいです。 顔面神経麻痺の治療に関する体験やご質問があれば、ぜひコメント欄でお聞かせください。

あなたの笑顔を、もう一度取り戻すお手伝いができれば幸いです。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.05.26更新

からだを整える“特別な13のツボ”とは?

井島鍼灸院では、どんな症状の方にもまず、からだ全体のバランスを整えることを大切にしています。
そのために活用しているのが、「黒野式全身調整基本穴」という13のツボ。
これは、私の師である黒野保三先生が長年の研究の末に選び抜いた、“全身の働きを整えるための特別なツボ”たちです。

これらのツボに鍼をすることで、自律神経・免疫・ホルモン・血流など、
からだのいろいろな機能が本来の状態に戻りやすくなります。

黒野式全身調整基本穴 13のツボ

ツボの名前体の部位主な働き
中脘(ちゅうかん) おへその上あたり 胃腸の働きを整え、消化吸収をサポートします。
期門(きもん) みぞおちの両側 肝臓の働きを助け、ストレスの緩和にも効果的です。
天枢(てんすう) おへその左右 お腹の調子(便秘・下痢)を整えるツボです。
気海(きかい) おへその下 「元気の海」とも呼ばれ、全身の活力を引き出します。
天柱(てんちゅう) 首の後ろ 頭痛・肩こり・目の疲れに効果があります。
風池(ふうち) 首の付け根のくぼみ 自律神経のバランスを整え、頭のスッキリ感に。
大杼(だいしょ) 背中の上部 全身のバランスを取る大切なツボです。
肩井(けんせい) 肩の中央 肩こりや首のこわばりを緩めます。
肺兪(はいゆ) 背中・肩甲骨の間 呼吸機能の調整に役立ちます。
厥陰兪(けついんゆ) 背骨の両側 自律神経や情緒の安定に関わるツボです。
脾兪(ひゆ) 背中の中ほど 胃腸機能と免疫のサポートに。
腎兪(じんゆ) 腰のあたり 生命力や冷えの改善に重要なツボです。
大腸兪(だいちょうゆ) お尻の上部 腸の働きを促進し、お腹の調子を整えます。

これらのツボは、それぞれが体の大切な機能に深く関わっていますが、
すべてを一緒に整えることで、からだが本来の調子を取り戻しやすくなるのが大きな特徴です。

「どこが悪いのかわからないけど、なんとなく不調…」
そんな方にも、根本から整える力がこの13のツボにはあります。

あなたの中に眠っている「本来の元気」を、ぜひ私たちと一緒に目覚めさせていきましょう。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.05.24更新

今回は、「心臓神経症」についてお話しします。

胸のあたりが苦しい。

ドキドキする。
息苦しくて不安になる。

病院で検査をしても「異常なし」と言われた。

でも、症状はつらいまま……。 

そんな状態が続いていませんか? 

それはもしかすると、「心臓神経症」かもしれません。

心臓神経症は、心臓に異常がある病気ではありません。

ストレスや不安などによって、自律神経のバランスが崩れ、
体に症状が現れている状態です。 

検査では異常が見つからないのに、
胸の痛みや動悸、息切れ、めまいなどが起こるのが特徴です。 

症状自体はつらいものですが、
命に関わる病気ではありません。 

このことを知るだけでも、
少し安心していただけるのではないでしょうか。 

井島鍼灸院では、心と体のつながりに注目し、
自律神経を整えるための全身調整を行っています。 

やさしい鍼と、リラックスしやすい施術環境で、
心と体のバランスを少しずつ整えていきます。 

実際に、心臓神経症の症状で通われた方の中には、
「胸の違和感が減り、夜もぐっすり眠れるようになった」
とおっしゃる方もいらっしゃいます。 

もちろん、生活習慣の見直しやセルフケアも大切です。

ですが、ひとりで頑張りすぎないでください。 

不安な気持ちは、無理に抑え込まなくて大丈夫です。
私たちが一緒に向き合います。 

「もしかして…」と感じた方は、
どうぞお気軽にご相談ください。 

目次
00:00 OP
00:45 心臓神経症とは?
02:36 鍼治療の方法
04:00 患者さんの声
04:37 鍼灸をおすすめしたい方
05:13 ご予約・お問い合わせ
05:50 よくいただくご質問
06:01 Q.鍼って痛くないですか?副作用はありませんか?
06:20 Q.どれくらいのペースで通えばいいんですか?
06:39 Q.車で行けますか?駐車場はありますか?
06:57 Q.着替えは必要ですか?服装に決まりはありますか?
07:20 Q.小さな子どもがいるのですが、一緒に行っても大丈夫ですか?

投稿者: 井島鍼灸院

2025.05.23更新

顔面神経麻痺の鍼治療症例 動画  

顔面神経麻痺でお悩みの方へ

早期の治療開始が重要ですが
従来の治療で改善が見られない場合でも
鍼治療を試してみる価値があります。
また運動療法や生活指導を守ることも重要です。
ぜひ専門の鍼灸院にご相談ください。

こんにちは
井島鍼灸院です。

本日は
左顔面神経麻痺の患者さんに対する鍼治療の症例をご紹介します。

顔面神経麻痺は
顔の表情筋の動きが制限される症状で
患者さんの日常生活や心理面に大きな影響を与える可能性があります。

この症例報告では
鍼治療の具体的な方法
そしてその結果について詳しくお話しします。

同じような症状でお困りの方々にとって
少しでも希望になればと思います。

 

現病歴

患者は70代の男性で
寒い冬の日に長時間にわたって写真機材の手入れを行っていました。

作業に没頭するあまり寒さを気にせずにいたところ
翌朝の食事中に食べ物が口からこぼれるようになり
妻から顔の歪みを指摘されました。

すぐに病院を受診し
「顔面神経麻痺」と診断されました。

2か月間の薬物治療を受けましたが
症状はほとんど改善せず
担当医から「年齢的に
このままかもしれない」と言われ
治療を諦めかけていました。

何か症状を少しでも改善する方法はないかとホームページを検索し
井島鍼灸院に来院されました。

 

顔面神経麻痺の評価方法

顔の表情の動きを部位ごとに詳しく評価する方法に
40点法(柳原法)があります。

これにより評価が主観に左右されにくくなり
時間の経過による変化を正確に確認できます。

具体的には
安静時非対称と
額のしわ寄せ
軽い閉眼など9項目の顔面運動を評価対象とします。

各項目についてほぼ正常を4点
部分麻痺を2点
高度麻痺を0点とし
合計点数を記録します。

点数が高いと
顔面神経麻痺の症状が軽いことを示します。

今回の症例の初診時の40点法の点数は

  • 安静時非対称:0点
  • 額のしわ寄せ:0点
  • 軽い閉眼:2点
  • 強い閉眼:0点
  • 片目つぶり:0点
  • 鼻翼を動かす:0点
  • 頬を膨らます:2点
  • イーと歯を見せる:2点
  • 口笛:0点
  • 口をへの字に曲げる:0点

合計:6点

 

治療方法

生体の総合的統御機構の活性化を目的とした生体制御療法
黒野式全身調整基本穴を使用

症状に対する局所療法として

  • 左太陽
  • 左頬車
  • 左下関
  • 左迎香
  • 左地倉
  • 左翳風

治療頻度は週3回とし
123日間(49回)にわたって治療を行いました。

 

治療経過

  • 初診時:6点(完全麻痺)
  • 8回目:8点 - 目を少し閉じられるようになった
  • 15回目:8点 - 目に水が入って痛かったのがだいぶ楽に
  • 22回目:12点 - 飲み物がほとんどこぼれなくなった
  • 29回目:20点 - 唇の引っかかりが改善
  • 36回目:34点 - 顔のしわが左右対称に
  • 43回目:36点 - 顔が元に戻ったと周囲に言われる
  • 49回目:以下の改善が見られた

顔が右側に引きつり歪む → 正常な顔に
目をつぶれない → 両目しっかりつぶれる
ご飯や飲み物が口からこぼれる → こぼれなくなった
口の左奥にたまる → まだ少したまる
口笛がふけない → 時々音が出る

合計点数:6点 → 36点
左顔面神経麻痺の症状がほぼ改善したため、49回で治療終了

 

まとめ

この患者の顔面神経麻痺は
寒冷環境での長時間作業と疲労
さらにベンジンの刺激が引き金となって発症したと推察されます。

担当医から「年齢的にこのままかもしれない」と言われがっかりし、
途方に暮れて来院されました。

時期的にも回復に向かうタイミングであることを説明し、
まず、希望を持っていただきました。

その結果、鍼治療を開始してから徐々に症状が改善し
最終的にはほぼ正常な状態まで回復しました。

鍼治療が顔面神経麻痺に有効である理由としては
生体の総合的統御機構の活性化や局所の血流改善により
神経機能の興奮や表情筋内の循環改善
廃用性萎縮の防止などが考えられます。
しかし詳細なメカニズムについてはさらなる研究が必要です。

本症例では
投薬治療で改善が見られなかった
末梢性顔面神経麻痺患者に対して鍼治療を行い
40点法を用いて客観的に評価したところ
その有効性を確認することができました。

 

投稿者: 井島鍼灸院

2025.05.21更新

日本の鍼灸の歴史

今日は、日本の鍼灸の歴史についてお話しします。

古代中国から伝わった鍼灸が、日本でどのように発展してきたのか?
さっそく見ていきましょう!

鍼灸の伝来と初期の発展

鍼灸が日本に伝わったのは5、6世紀ごろ。中国から朝鮮半島を経由して入ってきました。
そして、701年に制定された『大宝律令』には、なんと「鍼博士」「鍼生」という役職が記されています。
つまり、この頃にはすでに鍼灸が制度として確立されていたんです!

平安時代から室町時代

平安時代(794~1185年)になると、鍼灸の知識がさらに深まりました。
特に重要なのが、鍼博士・丹波康頼(たんばのやすより)。
彼が編集した日本最古の医学書『医心方』には、鍼灸についての記述がしっかりと残されています。
この時代、鍼灸は貴族や武士の間で広まり、京都では多くの鍼灸師が活躍しました。

鎌倉時代(1185~1335年)に入ると、お坊さんたちが中心となり、お灸を使った治療が行われました。
また、梶原性全(かじわらせいぜん)が『万安方』『頓医抄』などの医学書を執筆し、鍼灸の知識をさらに広めました。

室町時代(1336~1573年)には、一時期鍼灸の人気が下がりましたが、後半には再び注目されるようになります。

安土桃山時代から江戸時代

安土桃山時代(1573~1603年)には、日本独自の技術「打鍼術(だしんじゅつ)」が登場!
考案したのは御園意斎(みそのいさい)で、この技術が後の「管鍼法(かんしんほう)」の基礎となりました。

そして江戸時代(1603~1868年)に入ると、鍼灸はさらに発展!
ツボや経脈についての研究が盛んになり、学術的な書物も多く編纂されました。

特に注目すべき人物が、盲目の鍼師・杉山和一(すぎやまわいち)。
彼は、盲人のための鍼灸教育制度を作り、今の日本で主流となっている「管鍼法」を考案しました。
さらに、将軍・徳川綱吉に気に入られ、世界初の視覚障害者向けの鍼灸学校「鍼灸講習所」を開設しました。

このころになると、鍼灸は武士や貴族だけでなく、庶民にも広まります。
各地で独自のスタイルが生まれ、多くの鍼灸師が町や村で医者として活躍するようになりました。

このように、鍼灸は中国から伝わった後、日本で独自の発展を遂げ、江戸時代には高度な医療体系として確立されました。

今でも日本の鍼灸は進化し続けています!
これからも、伝統を守りながら新しい技術を取り入れ、さらに発展していくでしょう。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.05.17更新

【血圧が気になるあなたへ】鍼灸院からの情報提供!高血圧を鍼(はり)で治療する経穴(ツボ)・方法・目的を紹介します。

目次
00:00 OP
00:42 高血圧とは?
00:56 原因
01:28 鍼灸による高血圧ケア
03:17 患者さんの声
03:42 鍼灸をおすすめしたい方
04:13 ご予約・お問い合わせ
04:49 よくいただくご質問
05:00 Q.鍼って痛くないですか?副作用はありませんか?
05:19 Q.どれくらいのペースで通えばいいんですか?
05:38 Q.車で行けますか?駐車場はありますか?
05:56 Q.着替えは必要ですか?服装に決まりはありますか?
06:19 Q.小さな子どもがいるのですが、一緒に行っても大丈夫ですか?

投稿者: 井島鍼灸院

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