2013.07.11更新
アトピー性皮膚炎とは?
年齢によって、症状が変化します。
乳児期には、頭から顔にかけて、赤いぽつぽつ、じゅくじゅくした発疹が出ます。全身に広がりやすく、首、肘のくぼみ、膝のうらなどが赤くなります。
小児期は 顔面の発疹が減り、肘や膝の関節の皮膚が厚くなり、ざらざらしてきます。かゆみをともなう発疹がつづき、ひたいや首、臀部などにも出ます。
思春期・成年期は 小児期にいったん治った患者さんが再発するケースも多く、アトピー性皮膚炎の悪化しやすい時期です。小児期とほぼ同じ部位に発疹がでますが、さらに乾燥してきます。
最近、小児のアトピー性皮膚炎の患者さんが多く来られるようになりました。
鍼治療は効果も高く、副作用もないのでよい治療法だと思いますが、子供さんに鍼治療を受けさせることが恐いと感じておられるお母さんが多いようです。
下の写真が、背中に小児鍼をしているところです。

さするような刺激で、鍼を刺しませんので痛みは全然ありません。
子供さんは、大人に比べ感覚がたいへん敏感で、軽い刺激で大きな効果が得られます。

是非一度、鍼治療をお試しください。
投稿者: 井島鍼灸院
2013.07.05更新
東洋医学研究所®グループの中村覚先生の書かれたコラムを紹介させて頂きます。
はじめに
かゆみは非常に不快な感覚であり、「痛みはがまんできるけれど、かゆみはがまんできない」と言われるほどです。かゆみを起こす代表的な物質としてはヒスタミンがあり、そのため多くの抗ヒスタミン薬(ヒスタミンを抑える薬)が開発されていますが、慢性で全身性のかゆみに対しては効かないこともあり、多くの患者さんが悩んでいます。
治りにくいかゆみが注目されています
平成25年5月15日(水)にNHK総合で放送されました「ためしてガッテン」では、「しつこ~い湿疹かゆみまさかの犯人を大発見」と題して、原因不明と思われていた湿疹やかゆみが、本人が気がつきにくい物質によってかぶれを起こし、そのため長年苦しんでいた方の紹介がありました。
気がつきにくいかぶれの正体は、遅発性のかぶれと呼ばれるもので、いくつかの特徴があります。①原因物質に触れてから症状が出るのは翌日以降。②原因物質に触れていなくても症状が2週間続く。③日常使用している物質が、ある日突然かぶれの原因物質になる。番組内で紹介された方の湿疹やかゆみの原因物質としては、化粧品、目薬、皮膚炎の塗り薬でした。
原因物質を発見できたことによって症状を改善することができました。
このように、原因と治療がかみ合えば、ちゃんと効果を発揮することができるわけですね。今回タイトルになっている「抗ヒスタミン薬が効かないかゆみ」も、原因と治療がかみ合わないことによって現れてきます。
かゆみを起こす疾患としては、アトピー性皮膚炎、肝障害、腎不全、帯状疱疹、うつ病などがあります。このように、かゆみは色々な疾患を原因として発症していることがわかります。また、原因となっているそれぞれの疾患の治療が難しく、そのこともかゆみが治りにくい要因になっているのだと思います。
ヒスタミンについて
ヒスタミンは主に肥満細胞と呼ばれる細胞の中に入っており、花粉などが体内に入ったことをきっかけに肥満細胞の中から放出され、かゆみやアレルギー症状を起こすなどの色々な働きがあります。
その働きを起こす場所にはヒスタミンがくっつくポイントがあります。抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンがそのポイントにくっつかないようにすることでかゆみやアレルギー症状を抑える効果を期待されています。
なぜ抗ヒスタミン薬が効かないのか?
ヒスタミンがくっつくポイントは4種類あり、それぞれH1、H2、H3、H4と名前がつけられていますが、現在、処方される抗ヒスタミン薬はH1 のみブロックする働きがあります。つまり、H1以外の原因で起こってくるかゆみには効かないということになります。
アトピー性皮膚炎や慢性腎不全、乾燥肌などの全身性のかゆみはヒスタミンを介さないことが多いため、抗ヒスタミン薬が効かないのです。
ちなみに、テレビCMでおなじみの「ガスター10」は、ヒスタミンに作用しますが、H2受容体をブロックすることで胃痛、胸焼けへの効果を期待されています。もちろんかゆみには効きません。
おわりに
かゆみの原因にはヒスタミンを介さないことが多くあり、抗ヒスタミン薬が効かないかゆみがあることをお話させて頂きました。
かゆみの原因と治療がかみ合わないと効果が現れないことがわかります。しかし、抗ヒスタミン薬が効きにくい人工透析患者さん、アトピー性皮膚炎患者さんのかゆみが、鍼治療によって改善されることをよく目にします。
そのメカニズムは明らかではありませんが、東洋医学研究所黒野保三所長が提唱されている鍼刺激による脳を介した統合的制御機構へのアプローチによって症状が改善されるのではないかと思います。
薬の効果がないかゆみをあきらめずに、是非、副作用のない鍼治療を受けられることをお勧めします。
投稿者: 井島鍼灸院
2013.07.03更新
東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回けんこう新聞を発刊して頂いています。
今回は平成25年7月1日に発刊された第26刊けんこう新聞から、福田裕康先生が担当した「夏休み特別企画 小児の鍼治療」を紹介させてい頂きます。
今回は夏休み特別企画として、子供さんに対しての鍼治療の有効性について考えていきましょう。
今や4人に1人あるいは3人に1人とまでいわれるぐらい、子供のアレルギーが増えてきていることは、多くの新聞や各メディアを通して報道されています。
まわりのお友達にもアレルギーをもたれている子供さんがいるのではないでしょうか?
アレルギーをお持ちのご両親の心配は大きなものがあり、鍼灸師に相談される内容としては重要な課題となっております。
そんな不安を解消するために、東洋医学研究所で黒野保三所長がおこなった小児に対する鍼治療の検討から、いろいろなことがわかりました。
例えば、昭和56年5月~平成15年10月の間に東洋医学研究所グループに来院し小児鍼(子供に対する鍼治療)を受けた8歳以下の子供さんのうち、アンケートを行う事ができた85例を対象に調査を行いました。
子供さんの訴える症状はひろい範囲にわたっており、風邪症状(風邪をひきやすい、熱がさがらない、鼻水、咳)、アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、小児喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、花粉症など)、疳の虫、夜泣き、寝つきが悪い、食欲がない、下痢・便秘、夜尿症、体調がすぐれないなどがありました。
これらの子供さんに鍼治療をおこなった改善率をみてみますと、アレルギー疾患の改善率は87%、その他の症状に対する改善率は82%となり、高い水準となりました。また、興味深いことは先程のアンケートの中で鍼治療を始めた年齢、治療期間の違いからも有効性に差がある結果がでました。やはり、3歳以下から始め、1年以上おこなった子供さんの改善率が高いことがわかりました。
そこで、この夏休みの企画として、東洋医学研究所グループの各先生にお願いして、夏休みの期間に何回来院しても一定の金額で治療していただける、期間限定のパスポートを作っていただくことになりました。
先程の研究結果が示すように、早い時期からある程度の期間、治療が必要なことがわかりましたので、このような企画になりました。
是非、各治療院にお問い合わせを頂き、活用されることをお勧め致します。
投稿者: 井島鍼灸院
2013.07.02更新
東洋医学研究所®ホームページでは、黒野保三所長の発案で東洋医学研究所グループの治療院に来院された患者さんの声を、毎月掲載して頂いております。
患者さんにとって大変参考になると思いますので、このブログでもその内容を、紹介させて頂きたいと思います。
今回は、東洋医学研究所®の岡田先生のところに来院した患者さんの声です。
K.I様 86歳 男性 主訴:予防と養生
若いときは健康に自信を持っていましたが、70歳を過ぎた頃「胃潰瘍」を診断を受け、胃を4分の3切除する大手術を受ける破目になりました。
それ以来、気力・体力とも弱まり、風邪もよくひくようになり、健康が何より大切だと思うようになりました。その頃、鍼灸が免疫力を高め自然治癒力を増すことを親戚の方から教えられ、夫婦ともに治療院に通うようになりました。
初めは灸の熱いのが嫌でしたが、灸の後は体力が高まり、充実感に魅せられ、それ以来、20数年にもなりますが毎週2、3回治療を受け、今では体が治療を要求するようになりました。
お蔭で風邪もひかなくなり、86歳になりますが元気で暮らしています。免疫力や自然治癒力が高まったためでしょう。体の調子が少しでも悪い時はすぐ言って治してもらっています。不思議なほど早く治るのです。
知人がどうしてあなたは健康なのかとよく聞かれますが、元気で長生きするためには鍼灸が一番ですよと自信を持って薦めています。
これからも無理をしないで歩くことと、鍼灸治療を受けることを継続しながら、元気で家族や他人に迷惑をかけない楽しい人生を送っていきたいと願っています。
文責 岡田鍼灸院(広島県福山市)
投稿者: 井島鍼灸院