
いつもご利用いただき、心より感謝しております。
年末は12月30日(火)まで営業します。
12/31から1/4までお正月休み
新年は1月5日(月)から元気いっぱいでスタートいたします。どうぞよろしくお願いいたします!
2025.11.10更新

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新年は1月5日(月)から元気いっぱいでスタートいたします。どうぞよろしくお願いいたします!
投稿者:
2025.11.09更新
多くの人が一度は経験したことがある「寝違え」。
一般的には「変な寝姿勢のせい」と思われがちですが、実はそれだけではありません。
朝起きたら首が動かない!後ろを振り向こうとしただけで「ズキッ」と痛い…ときには肩甲骨や背中まで痛みが広がったり、腕や指先がしびれることさえあります。じっとしていても違和感が続くことがあり、本当にツラい症状です。
朝起きて首が痛いときは、まず冷やして安静にすることが大切です。10分程度を目安に、つらくなったら中止しましょう。
痛みが出てから48時間を過ぎたあたりからは、逆に温めて血流を良くすることで回復が早まりやすくなります。
寝違えは血流・筋肉・姿勢・ストレス・生活習慣が複雑に絡み合って起こる現象です。そのため、日常生活や環境の工夫でしっかり予防できます。「寝違えなんてよくあること」と軽く見ず、体からのサインとして受け取ってあげましょう。
井島鍼灸院では、一人ひとりの体質や状態に合わせた施術で、つらい症状の根本改善を目指します。お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
投稿者:
2025.11.06更新
こんにちは、井島鍼灸院です。今日は、解剖学的にもわかりやすく、東洋医学的にも重要なツボ「曲池(きょくち)」をご紹介します。
曲池は「手の陽明大腸経」に属する経穴で、指先から腕、肩を通って顔や鼻までつながるラインの途中に位置しています。
肘を直角に曲げたとき、肘の外側にできるシワの端に小さなくぼみがあります。触れると「ここかな」とすぐにわかる場所です。
「曲池」という名前は、とてもわかりやすい意味を持っています。
肘を曲げたときにできるくぼみを指しているため、まさに名前そのままの位置です。
さらに東洋医学では、この「池」は単なるくぼみではなく、気や熱がたまる場所としても考えられてきました。肘という体の曲がり角にできた池が、エネルギーの集まるポイントとされたのです。
曲池は、古くから皮膚のトラブルに用いられてきました。
しかし、曲池の働きは皮膚に留まりません。東洋医学では全身に影響を与える重要なツボとして、次のような症状にも活用されます。
つまり、「体の曲がり角にある池」という名前の通り、全身のさまざまな流れを整える力を持つ、とても重要なツボなのです。
曲池は、解剖学的にわかりやすく、かつ東洋医学的にも重要なツボです。
身近な体の部位に、これだけ豊かな意味と機能が重ねられているのは、東洋医学の面白さの一つです。
井島鍼灸院では、ツボや鍼灸の知識をわかりやすくお伝えしています。
「元気になりたい」「東洋医学に興味がある」という方は、ぜひ鍼灸を生活に取り入れてみてください。
投稿者:
2025.11.02更新
体温のコントロールができない…
― 自律神経の乱れと鍼治療による改善症例 ―
暑い夏の日なのに、なぜか寒くて服を何枚も重ね着してしまう…。
急に汗が噴き出して、体温のコントロールが全然できない…。
病院で検査を受けても「原因がわからない」と言われてしまう…。
もし、あなたがそんなつらい症状でお困りなら、ぜひ今日のお話をお読みください。
師匠の症例から学んだ、体温調節異常の改善
私が修行時代に、師匠である黒野保三先生が治療された症例を学会で発表させていただきました。
今回はその記録をもとに、どのように症状が改善していったのかをご紹介します。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/49/2/49_2_293/_pdf/-char/ja
患者さんのプロフィール
60代の男性。
製紙会社で営業をされていた、とても几帳面で真面目な方でした。
初診時のお話では、20年前に結核にかかり、治ってから体温調節に違和感を感じるようになったとのこと。
当時は仕事が忙しく、症状も軽かったためそのままにしていたそうです。
ところが、60歳で定年を迎え、生活が一変。
長年続けた仕事という「軸」を失ったことで、今まで気にならなかった症状が前面に出てきてしまいました。
定年という環境の変化が大きなストレスとなり、体温調節の乱れが悪化していったのです。
初診時の症状
真夏日でも「寒い」と感じる
腹巻き+服を4枚重ねてもまだ寒い
でも着込むと急に暑くなってドッと汗が出る
まるで体温のスイッチが壊れたようだと話されていました。
夜もさらに大変で、
布団をかけても背中がゾクゾクする
寝汗がひどく、背中にあせも
夜中に何度もトイレに起きて眠れない
さらに――
寒くなると肩甲骨の間がズキッと痛み、手足も冷たい。
食欲がなく、特に朝は食べられず、2年間で6キロ減。
そして何よりもつらかったのが、精神的な苦しみでした。
2年間で7~8件も病院を回られたそうですが、結果はすべて「原因不明」。
「自分の体に一体何が起きているんだろう…」という不安と恐怖、
そして、誰にも理解されない孤独感。
お話を通して、その苦しみが痛いほど伝わってきました。
自律神経と体温の関係
私たちの体温は、脳の「視床下部」という場所が自律神経を通じて全身に指令を出すことで保たれています。
自律神経は、血管・汗腺・筋肉・鳥肌・脂肪組織などを自動的にコントロールしており、
まさに“体の温度管理システム”です。
しかし、自律神経はストレスに非常に敏感。
心理的・社会的なストレスが強く影響します。
この患者さんの場合、定年という生活の変化がストレスとなり、
自律神経のバランスが崩れて体温調節ができなくなってしまったのです。
体温が乱れる → 不安が増す → さらに自律神経が乱れる
この悪循環をどこかで断ち切る必要がありました。
治療の方針
治療は急激な変化を狙わず、じっくり整える長期戦。
刺激は軽めにし、少しずつ効果を積み重ねていく方針を取りました。
使用したのは黒野式全身調整基本穴。
使用した主なツボ
中脘・期門・天枢・気海(お腹)
天柱・風池(首)
大杼・肩井(肩)
肺兪・厥陰兪・脾兪・腎兪・大腸兪(背中)
肩甲骨の痛みには**円皮鍼(貼るタイプの鍼)**を使用。
治療は週2回のペースで行いました。
さらに、毎日のセルフケアとして乾布摩擦をおすすめ。
皮膚刺激が自律神経を整える効果があるんです。
改善の経過
治療効果を「数字」で確認するため、体調の自己採点や基礎体温を記録しました。
「なんとなく良い気がする」ではなく、数字で変化を実感できるようにしたのです。
1週間後
体温調節の異常は変わらず。ただし「胃の調子が少し良くなった」。
1ヶ月後
寒さはまだ強いが、手足の冷えに変化が出始める。
1ヶ月半後
「手足が少し楽になってきた」と改善の兆し。
2ヶ月後
「体調が少し良くなった」と実感。
1時間の散歩もできるようになりました。
2ヶ月半後(21回目)
朝食が食べられるようになる
寝つきが良くなる
冷えと背中の痛みが軽減
体温の変動が落ち着き、汗の出方も穏やかに
3ヶ月後
「体全体の調子が良くなってきた」と笑顔で話してくださいました。
胃腸の調子が安定し、肩甲骨の痛みも軽くなり、基礎体温の変動も安定。
**「胃の不調」「急な体温変化」「手足の冷え」**など、自律神経に関係する項目が大きく改善していました。
改善の理由
鍼治療は自律神経のバランスを整え、血流やホルモンの働きを調整します。
つまり、体が本来もっている自然治癒力を引き出す治療法です。
さらに、3ヶ月という時間をかけてじっくり整えたことが、慢性的な不調に対して効果を発揮しました。
強い刺激ではなく、体に優しい刺激で、
負担をかけずに少しずつ体を立て直す。
毎日の乾布摩擦も大きな助けになり、
「数字で良くなっている」と確認できたことが、
安心感とモチベーションにつながりました。
おわりに
すべての症例が劇的に改善するわけではありません。
しかし、長年の臨床経験や国内外の研究からも、
自律神経の乱れに対して鍼治療は有効だと考えています。
今回の症例が、同じような症状でお悩みの方にとって、
少しでも希望の光になれば幸いです。
もし、あなたも
「体温のコントロールがうまくいかない」
「冷えや汗に悩まされている」
そんなお悩みがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。
投稿者: