逆子の治療でよく使われるツボ「至陰(しいん)」のご紹介
今日は、逆子の治療でよく使われるツボ──至陰をご紹介します。
この動画を見ていただくと、
- どうして足の小指のツボで逆子が回転するのか?
- 至陰を使ったときの逆子の改善率はどれくらいか?
- 当院の逆子の改善率を上げるための工夫
この3つがわかります。ぜひ最後までご覧ください。
◆ 至陰とはどんなツボ?
人の体には、「経絡(けいらく)」というエネルギーの通り道があります。
その中でも全身をめぐる膀胱経(ぼうこうけい)という流れがあり、
その終点が、この「至陰」です。
ここで陽のエネルギーが終わり、次の腎経(じんけい)という陰のエネルギーへと切り替わります。
つまり、体の中でも陰と陽が入れ替わる境目。
それが、至陰なのです。
◆ 場所
足の小指の爪の外側の角。
爪の生え際から、ほんの2ミリほど外側にあります。
◆ 「至陰」という名前の意味
「至」という字には、「届く」「極める」という意味があります。
つまり、流れが目的地に到達するその終点をあらわしています。
一方の「陰」は、地の気──つまり大地のエネルギーを象徴します。
そしてこの世界のバランスを保つ、陰陽二つの力のうちのひとつです。
では「至陰」とは?
「至」は行き着く、「陰」は少陰(腎経)のこと。
膀胱経のエネルギーが体の末端であるこのツボに到達し、
ここから陰のエネルギーである腎経へとつながっていく。
まさに──
エネルギーのバトンが渡される場所。
それが「至陰」なんです。
◆ 逆子の治療での働き
至陰は、昔から逆子の治療で有名なツボです。
妊娠30週から34週ごろにお灸をして、
赤ちゃんが自然と頭を下に向けるよう促す方法として使われてきました。
今のところ、すべてのメカニズムが完全に解明されたわけではありません。
しかし、至陰への刺激によって
- 子宮の緊張がゆるむ
- 血流が増える
- 胎動が活発になる
といった変化が起こり、赤ちゃんが自然に回転しやすい状態になることが分かってきています。
また東洋医学では、至陰は「膀胱経」という全身を巡る経絡の終点にあります。
この経絡は、子宮や生殖器のバランスを整えるルートでもあります。
その流れを整えることで「気」と「血」の巡りが良くなり、
赤ちゃんが自然と動きやすい状態になると考えられています。
◆ 逆子以外の効果
このツボの働きは、逆子の改善だけではありません。
至陰は体の巡りを整える力がとても強いツボです。
頭の熱を下げ、腰から下の冷えをあたため、
体の内と外、上と下をつなぐ重要なポイント。
風邪、頭痛、腰痛、婦人科の不調まで──まさに全身を結ぶツボです。
◆ 当院の逆子改善率を上げる工夫
冒頭の質問、「当院の逆子の改善率を上げるための工夫は?」にお答えします。
まず、お灸をする前に、赤ちゃんが回りやすい状態に整える癒やしの鍼を行います。
そのうえで、お灸の種類や回数、刺激の強さを何度も試しながら、
もっとも効果的な方法を見つけ出しました。
さらに、一人ひとりの体質やお腹の状態に合わせて、
細かく調整しながら施術を行っています。
その積み重ねの結果、
当院の逆子の改善率は90%以上となっています。
◆ まとめ
至陰は、体の巡りを正し、
お母さんと赤ちゃんの力を引き出す小さなスイッチ。
本当に頼りになるツボなんです。











