曲池(きょくち)—肘のくぼみに秘められた万能のツボ
こんにちは、井島鍼灸院です。今日は、解剖学的にもわかりやすく、東洋医学的にも重要なツボ「曲池(きょくち)」をご紹介します。
曲池の場所
曲池は「手の陽明大腸経」に属する経穴で、指先から腕、肩を通って顔や鼻までつながるラインの途中に位置しています。
肘を直角に曲げたとき、肘の外側にできるシワの端に小さなくぼみがあります。触れると「ここかな」とすぐにわかる場所です。
名前の由来
「曲池」という名前は、とてもわかりやすい意味を持っています。
- 曲…まがる、かがむ、曲げる
- 池…水をためる場所、池や溝
肘を曲げたときにできるくぼみを指しているため、まさに名前そのままの位置です。
さらに東洋医学では、この「池」は単なるくぼみではなく、気や熱がたまる場所としても考えられてきました。肘という体の曲がり角にできた池が、エネルギーの集まるポイントとされたのです。
曲池の効能と使われ方
曲池は、古くから皮膚のトラブルに用いられてきました。
- 皮膚の乾燥、かゆみ
- 虫がはっているような不快感
- できもの、湿疹
しかし、曲池の働きは皮膚に留まりません。東洋医学では全身に影響を与える重要なツボとして、次のような症状にも活用されます。
- 呼吸器系:扁桃炎、気管支炎
- 肩や腕の痛み、五十肩、首・後頭部のこり、頭痛
- 血流や神経系:高血圧、脳血流異常、中風後遺症、半身のしびれ、物忘れ、神経の疲れ
- 心の状態:不安定な気分や精神的疲労
- その他:歯の痛み、目の不調、胃腸のけいれん、月経不順
つまり、「体の曲がり角にある池」という名前の通り、全身のさまざまな流れを整える力を持つ、とても重要なツボなのです。
まとめ
曲池は、解剖学的にわかりやすく、かつ東洋医学的にも重要なツボです。
- 肘の外側のくぼみに位置する
- 「気や熱がたまる場所」として全身の調整に活用される
- 皮膚や呼吸器、血流、神経、心、さらには消化器まで幅広く対応
身近な体の部位に、これだけ豊かな意味と機能が重ねられているのは、東洋医学の面白さの一つです。
井島鍼灸院では、ツボや鍼灸の知識をわかりやすくお伝えしています。
「元気になりたい」「東洋医学に興味がある」という方は、ぜひ鍼灸を生活に取り入れてみてください。











