養生訓 ― 三百年前の日本が教える「健康長寿の極意」
こんにちは、井島鍼灸院です。
古の日本に、いまなお輝きを放つ健康長寿の最強メソッドが記されていたのを知っていますか?
今日は、今からおよそ三百年前。
江戸時代に書かれた、日本最古の健康本とも言われる『養生訓』をご紹介します。
◆ 貝原益軒先生とは
著者は、儒学者であり、本草学者でもあった貝原益軒先生。
なんと八十五歳まで、元気に生きた人物です。
まさに健康長寿の達人でした。
◆ 養生訓とは
養生訓は、健康と長寿のための生活ガイドブック。
全八巻にわたって、体だけでなく、心のあり方にも深く触れています。
たとえば――
- 儒教的な思想と、養生の意義や心身の在り方の基本を伝える「総論」
- 控えめな食事、飲酒・喫煙・性欲の節度を教える「飲食の章」
- 耳・目・口・鼻などの衛生管理、口腔衛生の重要性を説く「五官の章」
- 病気を防ぐための心得と、医者の選び方をまとめた「慎病」
- 薬の効能と害、使用法の心得にも触れる「用薬」
- 高齢者や子どものケアや鍼灸法を説いた「養老」
どの章も、今聞いても驚くほど現代的な内容です。
◆ 益軒先生の考え方
益軒先生はこう言っています。
「自分の身体は父母から授かり、自分の子孫へと受け継ぐもの。だから慎み、感謝して使うべきだ」と。
つまり、健康とは“自分を大切に扱う生き方”そのものなんです。
欲望のままに生きるのではなく、節度を守り、感謝を忘れず。
天命を受け入れながら、穏やかに生きること。
具体的には、
バランスのとれた食事、良質な睡眠、適度な運動、
そして心の安定(ストレスを避け、喜びを持つこと)が重要とされます。
その積み重ねこそが、長寿につながる。
そう説いています。
◆ 現代に通じる養生の知恵
実はこの教え、今の私たちにもピッタリなんです。
- 夜更かしせず、早寝早起きを心がけること
- 暴飲暴食を避け、旬の食材を楽しむこと
- ストレスを溜めず、日々の中に喜びを見つけること
- 清潔を保ち、体を冷やさないこと
まるで現代の健康法や予防医学そのものですね。
冷えを避けて体を温める。
適度に動き、怠けすぎない。
まさに、鍼灸の考え方とも深く通じています。
◆ 健康長寿の秘密
当時の平均寿命は四十歳にも満たなかった時代。
そんな中で、貝原益軒先生は八十五歳まで、寝たきりにもならず、元気に生涯を終えました。
その秘密こそ、養生訓に書かれた、心と体を整える生活の知恵だったのです。
◆ 三百年前からのメッセージ
養生訓は、ただの古い健康書ではありません。
日々の食事や休息、そして心の持ち方を見直すための、
生き方の教科書なんです。
三百年前から受け継がれる、日本の知恵。
忙しい現代だからこそ、ゆっくりと、
自分の体と心に、耳を傾けてみませんか?
「穏やかに、感謝とともに生きる」――
それが、貝原益軒先生が伝えた真の養生です。











