朝、起き上がると、ふらっとしたり。
立ち上がったときに、めまいや、立ちくらみを感じることはありませんか?
その症状……
起立性低血圧かもしれません。
自律神経の乱れや
成長期のお子さん、ストレスの多い方に多く見られるこの症状は、
日常生活に支障をきたすこともあります。
今回は、そんな起立性低血圧の原因や特徴
そして、鍼灸でどのようなケアができるのか
詳しくお伝えしていきます。
起立性低血圧とは
座っている状態や、寝ている状態から立ち上がったときに
血圧が急に下がって
めまいや立ちくらみなどの症状が出る状態のことです。
立ち上がってから3分以内に
上の血圧が20ミリ下がるか、
下の血圧が10ミリ下がったときに
起立性低血圧と診断されることがあります。
一時的な症状に見えても、
日常生活に大きな影響を与えることがあります。
正しく理解し、対策することが大切です。
起立性低血圧の症状は人によって異なりますが、
よく見られるのは次のようなものです。
立ち上がったときにふらついたり、めまいがする。
視界が白くなったり、暗くなったりする。
頭が痛くなったり、重くだるく感じる。
肩や首がつっぱるように痛む。
朝、体がだるくてなかなか起きられないほどの強い倦怠感。
また「横になると、すぐに楽になる」というのも特徴のひとつです。
普段は元気なのに、朝起きたときや立ち上がった瞬間に、急に具合が悪くなる。
そんな経験はありませんか?
起立性低血圧の原因はさまざまありますが、
中心にあるのは自律神経の乱れです。
立ち上がると、重力の影響で
血液が一時的に下半身にたまります。
その結果、脳への血流が減ってしまいます。
それを補うために
自律神経が働いて、血管を収縮させたり
心拍数を上げたりして脳への血流を保とうとします。
しかし、自律神経の働きがうまくいかないと
脳への血流が一時的に不足し
めまいや失神などの症状が出てしまうのです。
このような状態は
中学生や高校生など、成長期のお子さん
高齢者の方
ストレスや不規則な生活リズムによって自律神経が乱れやすい方
こうした方に多く見られます。
最近では、夜型の生活やスマホの使いすぎ、
そして睡眠不足によって生活リズムが乱れ、
自律神経のバランスが崩れている方も増えています。
「年齢のせいかな」
「自分は朝が弱いかも」
そう思っていたら、実は起立性低血圧だったということも少なくありません。
起立性低血圧のつらさは、日常のちょっとした工夫でやわらぐことがあります。
ご自身の体にやさしく向き合いながら、できることから試してみてください。
まずは急に立ち上がらないことが大切です。
朝、目が覚めてもすぐに起き上がらず、
まずは手足を軽く動かしてみてください。
そのあと深呼吸をしてゆっくりと体を起こしましょう。
こうした工夫でふらつきを防ぎやすくなります。
そして規則正しい生活を心がけましょう。
夜ふかしや、スマホの使いすぎは、自律神経を乱す大きな原因になります。
できるだけ決まった時間に寝て、決まった時間に起きるようにしましょう。
それだけでも少しずつ体が整っていきますよ。
これらのセルフケアを続けても、症状が改善しない場合には、
自律神経の働きを整える鍼灸治療もひとつの選択肢です。
無理せず自分に合った方法で、少しずつ心と体を整えていきましょう。