咳が止まらない?咳喘息・感染症・GERDなど、長引く咳の原因と対策を解説します
「2週間以上咳が止まらない……」
「夜中に咳で目が覚める……」
「風邪かと思ったのに、なかなか治らない……」
そんな経験、ありませんか?
咳が長引く原因は実にさまざまです。風邪のように思えても、実際は別の病気が隠れていることがあります。
この記事では、咳喘息・感染症・GERD(胃食道逆流症)などに代表される“慢性咳嗽(まんせいがいそう)”の原因や見分け方、セルフケアのポイント、医療機関にかかる目安について、わかりやすく解説します。
「長引く咳」とは?
咳が8週間以上続く状態は、「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」と呼ばれます。
「風邪が長引いているだけ」と思ってしまう人も多いですが、注意が必要です。
以下のようなリスクがあるからです。
- 咳喘息など別の病気に進行する可能性
- 感染症の拡大(特に百日咳など)
- 睡眠の質が下がる、会話がつらいなど生活の質が低下
咳は体の防御反応の一つですが、長引く咳には専門的な治療が必要なこともあるのです。
主な原因はこの6つ
長引く咳の代表的な原因には、以下の6つがあります。
① 咳喘息
乾いた咳が特徴で、夜間や早朝に悪化します。喘鳴(ぜんめい:ゼーゼー、ヒューヒュー音)はなく、放っておくと気管支喘息に進行することがあります。
② 感染症(百日咳・マイコプラズマ肺炎など)
一般的な風邪とは異なり、数週間~数ヶ月にわたって咳が続きます。とくに百日咳は大人でも感染しやすく、強い咳込みが特徴です。
③ アトピー咳嗽
アレルギー体質に関係する咳で、痰がなく乾いた咳が続きます。抗アレルギー薬が効果を発揮することがあります。
④ 副鼻腔気管支症候群
副鼻腔炎(いわゆる蓄膿)やアレルギー性鼻炎などによる後鼻漏(こうびろう)から咳が起こります。痰や鼻づまりも伴いやすいのが特徴です。
⑤ GERD(胃食道逆流症)
食後や横になると悪化する咳。胃酸が逆流して、のどや気道を刺激することで咳が出ます。胸やけや酸っぱい液が上がる感じがある人は要注意です。
⑥ その他(慢性気管支炎・薬剤性・がんなど)
喫煙歴がある人や高齢の方は、肺がんや慢性気管支炎なども考慮が必要です。血痰や体重減少などの症状がある場合は早急に受診しましょう。
咳のタイプから原因を見分ける
咳の「性質」や「出る時間帯」によって、ある程度原因を推測することができます。
■ 乾いた咳(乾性咳嗽)
・咳喘息
・アトピー咳嗽
・GERD(胃食道逆流症)
■ 痰のからむ咳(湿性咳嗽)
・副鼻腔気管支症候群
・感染症
・慢性気管支炎
■ 時間帯ごとの傾向
・夜間・早朝に悪化 → 咳喘息、GERD、慢性気管支炎
・食後・横になると悪化 → GERD
・運動後に悪化 → 運動誘発性喘息
このように、咳の「特徴」に注目することで、原因が見えやすくなります。
セルフケアと生活の工夫
原因に関わらず、以下のセルフケアは多くのケースで有効です。
- 水分補給と室内の加湿
乾燥は咳を悪化させます。湿度は50〜60%が目安です。 - 十分な睡眠と休息
免疫力を整える基本です。 - 刺激物を避ける
タバコ、辛い食べ物、アルコールなどは咳を引き起こしやすいため控えましょう。 - 就寝時の姿勢を工夫
上半身を少し高くして寝ると、逆流や咳の刺激を軽減できます。 - 市販薬を使うときは注意
数日使っても効果がない場合は、早めに医療機関に相談を。
受診の目安
次のような症状がある場合は、迷わず医療機関を受診してください。
- 咳が2〜3週間以上続いている
- 血痰、発熱、体重減少、胸の痛みがある
- 市販薬で改善しない、または悪化している
「たかが咳」と思って放置せず、体からのサインを受け止めることが大切です。
まとめ
長引く咳には、「咳喘息」や「感染症」「胃食道逆流症」など、さまざまな原因が隠れている可能性があります。咳のタイプや時間帯の傾向を参考に、まずはご自身の症状を整理してみましょう。
そして、セルフケアをしても改善しない場合は、早めに専門機関へ相談することが回復の近道です。
咳が続く日々に不安を感じている方へ。
まずは、自分の咳の特徴に注目し、
適切な対策を始めてみませんか?