東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回健康しんぶんを発刊して頂いています。
その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。
今回は平成23年12月1日に発刊された第7刊健康しんぶんから、「鍼灸師は鍼灸医師であった」です。
鍼灸師は鍼灸医師だったと言った時に皆さんはどう思われますか?
そんなことはない、現在の法律では鍼灸師と名のらなければならないと答えるでしょうか?
確かに現在の法律に則るとそういうことになるかもしれません。このことについて少し考察してみたいと思います。
まず歴史についてです。日本における鍼灸医学は3世紀初頭の神功皇后による朝鮮半島の交流から始まり、5世紀には允恭天皇が新羅から鍼医師の徳来を招いたことから普及しました。
それからの約千六百年間、鍼灸医学を中心とする東洋医学は日本の医療を一手に担う医師として、日本人の健康と長寿を守り病気を治してきました。
特に、室町・江戸時代には鍼灸大学校で鍼博士の資格を取得した人がたくさん活躍していたのです。
このことからも、鍼灸医学は決して民間療法として分類すべきではないということが理解できると思います。
江戸末期から明治八年にかけて西洋医学が急速に普及したことで「医師取締法」という法律ができ、医師になるには西洋医学を学んで国家試験に合格しなければならないということになりました。
つまり、それまでの鍼灸医師は医師ではないというのです。そこで、今では「鍼灸師」と名乗らなければなりません。
また、現在における社会的な認識が、リフレクソロジーやカイロプラティックといった日本の免許にない職種と同一に思われている人々が多々見受けられるようになってしまいました。
現在、東洋医学に対する期待が高まっているということは事実です。現に国公立大学医学部などの高等教育機関では東洋医学の教育を必須としています。
その時に鍼灸師が鍼灸医師だという自覚を持ち、それに伴うバックグランドの勉強や研究結果を持ち、医師と対話できる立場になれば発展していくはずです。
東洋医学研究所や東洋医学研究所グループでは、鍼灸医師という自覚を持ち、また、その自覚に対して自信をもっていえるだけの研究や勉強を継続しています。
鍼灸師は法的には医師でないとしても人びとの病を癒すという意味においてその果たす役割は大きいと思われます。
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