東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回健康しんぶんを発刊して頂いています。
その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。
今回は平成24年3月1日に発刊された第10刊健康しんぶんから、「陰陽について」です。
東洋で発展してきた鍼灸医学は、東洋哲学ならびに東洋の自然思想の基本的な考え方である「陰陽」「虚実」「五行」という考え方がベースにあります。
今回はこの中で、「陰陽」について考えていきます。
東洋医学研究所黒野保三所長の著書「長生き健康鍼」の中には、『陰陽説の起源を探っていくと、もともとは古代の人々が天地や自然現象を理解して生活に活かしていくために考え出した一つの発想ということが分かります。
例えば、昼間は太陽の光がさんさんと降り注いで温かいのに対して夜間は月が夜空に輝きますが気温は下がります。
こういった対極的な働きを通して天地自然をとらえることが陰陽説の根本にあります。
しかし、対極しているものがそれぞれに勝手なことをするのではなく、対極する二つの事柄が一対となって働くと考えるため、「二元一元論」あるいは「二極一対論」という思想が生まれたと理解され、自然にあるすべてのものに陰陽が存在していると考えられました。
人体を調節する機構もこの「二元一元論」・「二極一対論」で説明するのが鍼灸医学における陰陽論の特徴なのです。
そして、患者さんの特徴を見極めることにも使われております。この考え方は物理科学分野の理論となっており、現代の医療にもとけこんで、オーダーメイド医療の基礎にもなっています。』と著されています。
このことは、「人は生まれつき陽的なタイプの人と陰的なタイプの人に分けられます。」という言葉に端的にあらわれています。
タイプがあるということは、どちらが良いとか悪いとか言うのではなく、人にはそれぞれタイプがあるということに過ぎません。
東洋医学研究所及び東洋医学研究所グループでは、そのタイプを見極め、タイプにあった鍼治療の刺激量を微妙に調節して、体内を正常に導いていくことを心がけて治療を行なっております。
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