東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回健康しんぶんを発刊して頂いています。
その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。
今回は平成24年11月1日に発刊された第18刊健康しんぶんから、「経穴について」です。
今回はツボについて考えていきましょう。
ツボは東洋医学では経穴と言われています。そして、この経穴を診て、経穴に治療し、経穴で治療結果を診るということを行っているわけです。
伝統的な話からしますと、この経穴は病の原因となる邪気の入り口と考えられており、その起源自体は明らかではありませんが、おそらく古代中国の人々が痛むところをなでたり圧迫したりしていくうちに経験的に発見したものと推察されます。
つまり、体の特定の部位に体調が悪いときや病気があるときに現われ反応する場所とうことが言えます。
では、このような特徴をもつ経穴というのは、経穴ではない所とどのような違いがあるのでしょうか?
これは誰もが知りたいところだと思いますが、残念ながらまだ答えがでていません。
それどころか、経穴は実体があるのか、それとも実体がなくてその機能だけが存在するのか、病気のときだけに現われてくるのかなど、まだまだ解決しなければならないことがたくさんあるのです。
このようなたくさんの疑問がある中でも、現時点で実証医学的に統一した見解と思われることは、経穴の場所もしくはその周辺には神経や血管が多いという点です。
特に神経が経穴の周りに密であることは、いろいろな可能性がでてきます。
例えば、ある経穴の周りにだけ、ある神経がたくさんあれば、その神経だけを効果的に刺激できるからです。
しかしながら、現時点では、経穴と神経の関連性は十分に明らかにされておりません。
また、鍼治療は一つの経穴だけを刺激するだけで終わることは稀であることから、それぞれの経穴の特異性と他の経穴との組み合わせによっておこる関連が知りたいところですが、ほとんど解っていないと言わなければならないでしょう。
このような状態は、放ってはおけないということで、東洋医学研究所所長黒野保三先生が経穴(まず代表的な経穴である合谷穴から)について研究されました。
次回、詳細を紹介したいと思います。
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