井島鍼灸院ブログ

2012.11.02更新

東洋医学研究所®HPの中で岡田静治郎先生の書かれたコラムを紹介させて頂きます。

薬膳について

東洋医学研究所®グループ 

岡田鍼灸院 院長 岡田静治郎 先生


中国・黄河の中流にある長寿村は、一番近い都市に出るにも歩いて一週間もかかる僻地に位置し、交通機関など全くない不便なところです。

そこでは、現代教育は行き渡らず、当然現代栄養学など知られてはいません。

食生活といえば、主食は小麦やトウモロコシなどの雑穀で、野菜はいつも新鮮です。

彼らの栄養学の知識は生活のなかから伝統的に受け継がれています。

たとえば、豚を食べるときは頭から尾まで全て食用にします。

脳はめまい、胃はむくみ、足は糖尿病、尾は子供の涎に効果があるなど、部位別の効能を実によく知っているのです。

もう一つの例をあげれば、鶏についても良く吟味します。

死んだ鶏を買う人はいませんので、生きた鶏が並べてあります。

そして、オスかメスか、足は黒いか、毛並みはどうか、などといった点を十分調べてから買います。

長寿村の人達は、野菜や穀物についても、品目別にどんな作用をするのか、どんな症状に良いかなどを、大変良く知っています。

食物は、体内のバランスを調整し身体を傷付けないという思想が村人一人ひとりに行き渡っています。

いまから三千年以上前,周の時代には医療関係は四種類に分けられていました。

食医、疾医(内科医)、瘍医(外科医)、獣医がそれですが、最高にランクされていたのが食医です。

中国最古の薬物書「神農本草経」には食物と薬が分けられることなく収録されています。

このように中国では昔から、その物質が体にどんな作用をするのかを識別するのに、必ずその物質を口にする習慣があります。

健康を維持し、また治療に最も役立つのは食べ物。医食同源の思想の根強いことが、ここでもうかがえます。

食物による治療の目的は、病気の原因を取り除き、人体の精気を助け、バランスのとれた生理状態に戻すことです。

そのことは一定の法則に従わなければなりません。

中医学では「八綱弁証」で「陰・陽」「虚・実」「表・裏」「寒・熱」の八つの証をものさしとして、治療をしていくことになります。

まず、陰証か陽証か(病気の性質)、虚証か実証か(病気の勢い)はどうか。

一般的には「寒・熱」「虚・実」のこの四つが、一番大切です。

大切なことは、消化呼吸機能を守ることにあります。

人間には、呼吸・思考・情緒・生殖・消化吸収の五つの生理機能があります。

中でも消化吸収は「後天の元気」と言われ、生まれてから後の根本とされています。

中医学の『素問』にも、「胃気盛則病退」と記されているように、胃腸が良くなれば病は後退し、弱ければ病進み、不能になると治らない。

治療するには、一、消化機能を傷付けないために、効果は高くても毒性の強い薬は服用しない。

二、制限の厳しい偏った食事はいけない。ということです。


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投稿者: 井島鍼灸院

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