「人から人には感染しにくいとされている高病原性H5N1型鳥インフルエンザウイルスについて、わずかな遺伝子の変異で哺乳類の間でも容易に感染することを示した東京大医科学研究所の河岡義裕教授の論文が、3日付の英科学誌「ネイチャー」に全文掲載された。
この論文については、米政府が生物テロに悪用される懸念があるなどとして一部非公表を求めたことで、掲載が先送りされていた。」 (毎日新聞)
このような報道から感じることは、新しい型のインフルエンザが流行すれば大変危険な状態になることは分かりますし、このような研究が大切であることもわかります。
ただ、この記事の内容だけを読むと、大変不安を感じられる方も多いのではないでしょうか。
実際に一般の方ができるインフルエンザに対する予防方法で、一番肝心で誰でもできることは、体の調子や免疫力を高めることだと考えます。
規則正しい生活、適度な運動、偏らない食事をすることや、過剰なストレスを受けないこと、生活に笑いを取り入れることなどが重要です。
また、鍼治療が風邪症候群の予防に役立つことを、生体防御免疫疾患班を代表して角村幸治先生が「かぜ症候群の予防に対する鍼治療の有効性 -多施設によるアンケート調査-」(全日鍼灸学会雑誌59巻4号,416-420,2009)と題して報告しています。
この研究は、東洋医学研究所®グループの12施設に来院した患者215名に対し、①鍼治療前の1年の風邪罹患回数、②鍼治療後の風邪罹患回数の変化、③鍼治療来院期間についてアンケートにより調査・分析したものです。
その結果は、鍼治療来院期間2年未満では風邪をひきにくくなったと回答した人は45.9%であり、2~4年で63.3%、4年以上で82.8%となり、長く鍼治療を受けることで風邪症候群を罹患しにくくなったと自覚する患者が増えることが報告されています。
以上のことから、自然な方法で免疫力を高める努力をしたうえで、正しいうがいや、手洗い、マスクの着用を心がけることが必要だと考えます。
このような努力は、体調を良好に保ち、その他の感染症の予防にも役立つと考えられるため、是非実行して頂きたいと思います。