不妊治療を始めるにあたり、一般不妊検査により何らかの原因があるものが器質性不妊、原因がないものが機能性不妊と分類されます。
器質性不妊であればその原因を取り除くための治療を行います。
ただ、鍼灸院に来院される方の場合、ほとんどが機能性不妊であるため、今回は機能性不妊について紹介します。
機能性不妊は一般不妊検査の段階で原因がわからないものであり、考えられている原因として精神的ストレスや免疫異常が関与しているのではないかといわれ研究もすすんでいます。
また、不妊症の原因を考えるうえで重要なのが、様々な原因が重なっている場合が多いということです。例えば精神的ストレスによる循環障害と子宮内膜症、免疫異常などが少しづつ影響している状態です。
そこで、まず機能性不妊の主な原因として考えられている生活環境やストレスによる情動障害について説明します。
気持ちが満たされないなどで、身体の血液循環を悪くすることが生殖機能の低下につながると考えられます。加えて、病院への通院、治療が繰り返されることでの生活環境の乱れにより不妊悪循環をおこしてしまい、精神的ストレスを取り除けなくなってしまいます。
その結果、さらに全身の血液循環の悪化、自律神経の乱れ、ホルモンのアンバランスなどが起こり、機能性不妊になると考えられています。
鍼灸治療が機能性不妊に対して効果が期待できるのは、血流の改善、自律神経の調整、ホルモンバランスの安定などです。
このような全身の調整は、師匠の黒野保三先生の考案された生体制御療法の最も得意とするところです。
具体的には、黒野式全身調整基本穴の13穴(中脘、期門、天枢、気海、天柱、風池、大杼、肩井、肺兪、厥陰兪、脾兪、腎兪、大腸兪)に筋膜上圧刺激(非常にソフトで痛みのない刺激)を行う方法です。
治療に関して辛いことはけっしてなく、心地よいものと考えて下さい。
また、治療に加えてその方に合った、妊孕力(妊娠する力)を上げるための的確な生活指導を行います。
さらに不妊症患者さんの間では俗説や習慣が飛び交っています。それらについても詳しく説明させて頂きます。
最後に、最近の調査では男性不妊が全不妊症の30~40%を占めているといわれています。ご夫婦が共に治療に取り組むことが必要です。
どのようにご夫婦の協力体制を作っていくかについてもご提案させて頂きます。
鍼治療で全身的なそして婦人科に対する治療をするのはもちろん、総合的に妊娠率を上げるための治療を行います。
是非、一度試してみて下さい。
2012.06.23更新
不妊症に対する鍼治療はどんなことをするの?
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