東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回けんこう新聞を発刊して頂いています。
その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。
今回は平成25年9月1日に発刊された第28刊けんこう新聞から、「遠くからの治療」です。
鍼治療は、痛めたところや不調なところを直接治療することは、多くあります。しかしながら、痛みがそこにあっても、痛みをやわらげるのはその場だけのことではありません。
血のめぐりをよくするためには脳などからの指令も重要となってきます。
そこで、鍼の刺激が刺激した場所から離れたところに働くことについて考えていきたいと思います。
東洋医学研究所黒野所長は、実に昭和48年に「サーモグラフィによる腹部皮膚温の変化について」というタイトルで研究された結果があります。
この研究は、足の人差し指と中指の間にある内庭という経穴(ツボ)に鍼刺激を加えてお腹の皮膚の温度変化を観察するというものです。
また、同じように手の親指と人差し指の間にある合谷という経穴の刺激もしました。
その結果、手や足の経穴への鍼刺激によってお腹の皮膚の温度が上がることがわかりました。
このお腹の温度が上がるのはなぜだろうと考えると、体温は自律神経という神経によってコントロールされていることから、自律神経に何らかの影響をあたえた可能性が考えられました。
つまり、鍼刺激はその場で作用するだけではなく、全身の自律神経系を介した反応が鍼治療メカニズムの大きな要因であると考えられます。
ただ経穴、経絡というものが、未だ証明できてはいませんが、遠隔部の刺激が影響をあたえることから、最も効果のある経路の検討はこれから必要になってきます。
ただし、この研究でもそうでしたが、単に鍼で刺激したところをつねったり、叩いたりしただけでは思ったような効果が観察されなかったことからも、場所や伝達経路とともに、それにあった刺激量が必要になるということを表した例でもありました。
現在もこの謎の解明に向けて、東洋医学研究所の研究は着々と進歩しています。
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