東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回けんこう新聞を発刊して頂いています。
その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。
今回は平成26年8月1日に発刊された第37刊けんこう新聞から、「生体制御療法5」です。
生体制御療法5
前回までにこちら(術者)が最適に刺激を行う方法を考察してきました。
その刺激に対して患者さんがどのような生体反応を起こしているかについて考察するための一つの現象を確認し、東洋医学研究所®黒野保三所長はそこに加重現象が起こることを見いだし、現在の治療に応用しております。
少しわかりにくいので順をおって説明します。
東洋医学研究所®の治療は等間隔での週2回以上の治療を原則としています。
なぜ2回以上なのでしょう。
研究結果からいうと鍼治療後に生体反応が続いている72時間以内に、次の鍼治療をすると刺激が重なりあって大きな治療効果を得られる知見があるからです。
つまり、そのような刺激の重なりあいによる治療効果の向上を潜伏加重現象と呼んでいます。
では、刺激の効果が残っているとか、どのくらいで効果が無くなったという根拠はどこにあるかということですが、これは以前にもこの欄で紹介させていただきましたが、黒野所長が遠隔部刺激による腹部皮膚温の変化の研究を行ったときの予備実験から導き出されたものです。
もう一度復習しておきますと、例えば月曜日に鍼刺激を行って何らかの反応が出た被験者に水曜日に鍼刺激を行おうとすると、月曜日の鍼刺激をうける前には安定していた皮膚温に変化がみられ、コントロールが取れない状態でした。
金曜日には鍼刺激の影響はなくなっていてコントロールが取れました。
研究では、研究時に与える刺激以外の要素は少ない方が正しい評価を導けるので、この実験系では月曜日に鍼刺激を行った被験者は最低でも水曜日以降にしか実験に参加できませんでした。
つまり、体内では鍼刺激をうけた時だけではなく、それ以降も変化状態が持続していることが考えられます。
東洋医学研究所®では、鍼による生体反応がなくならない間隔、つまり等間隔で週2回以上の頻度で今まで患者さんに対して鍼治療を行ない、非常によい治療成績をあげることができているのには、このような実験の裏づけがあったわけです。
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