師匠 黒野保三先生の著書 長生き健康「鍼」P16~P17の内容をご紹介させて頂きます。
「未だ病まざる病」とは病気以前の不調であり、その多くは病院での検査では異常なしとして判断されてしまいます。しかし、予防医療の観点でいえば、その段階で治すことこそ が健康と長寿のために最も大切なのです。
病気になってから治すのではなく、病気にならないようにすることがずっと良いということは誰が考えても分かります。だからこそ、鐡灸医学では、「未病治」を実現する医師は「上医」であると賞賛しているのです。
残念なことに、現行の健康保険制度のあり方は、医師をして「下医」の仕事に向かわせる結果となっているのが現状です。そのため、「上医」による「未病治」を求める人は、鍼灸院など西洋医学の病院以外の医療機関で受診するしか方法がありません。
上医 中医 下医については、黒野先生が引用されていた「上医はいまだ病まざるものの病を治し、中医は病まんとするものの病を治し、下医はすでに病みたる病を治す。」が代表です。その他にも、「上医の勤勉な医者は、毒さえも薬となして人を助ける。中医の凡庸な医者は、薬を薬として使って人を助ける。下医の怠惰な医者は、薬を毒となして却って病を重篤にする。」や、「上医は国を治し、中医は人を治し、下医は病を治す。」などがあります。
黒野先生のような上医を目指したいと思います。