咳だけが長く続く…それ、風邪やコロナの「あと」によくあることかもしれません
「風邪は治ったはずなのに、咳だけがなかなか止まらない…」
「新型コロナから回復したのに、いつまでも咳が続く…」
そんなお悩みを抱えていませんか?
実は最近、「咳だけが長く残る」ケースがとても増えています。特に風邪や新型コロナウイルス感染症のあとに見られることが多いのです。今回は、その原因や特徴、そして対策について、鍼灸師の視点も交えてわかりやすくご紹介します。
なぜ咳が長引くの?4つの主な原因
1. 感染後咳嗽(かんせんごがいそう)
風邪やウイルスにかかったあと、肺や気管支に大きな異常がないのに3週間以上咳が続くことがあります。これを「感染後咳嗽」と呼びます。
自然に治るケースがほとんどですが、長い人では2か月以上咳が続くこともあります。
2. 咳喘息や気道の過敏
風邪やコロナがきっかけで、気道が敏感になってしまい、ちょっとした刺激でも咳が出るようになります。
特にアレルギー体質の方や、もともと喘息がある方は咳が長引きやすい傾向にあります。
3. 新型コロナの後遺症(ロングCOVID)
新型コロナの後、9%程度の人に咳が長引くという報告もあります。ウイルスが気道や肺にダメージを残すことで、咳や息苦しさが続くのです。
重症だった方ほど、咳や痰、呼吸の不調が続きやすいともいわれています。
4. その他の原因
後鼻漏(鼻水が喉に流れ込む)、副鼻腔炎、胃酸の逆流(GERD)、COPD(慢性閉塞性肺疾患)なども、咳が続く原因になります。
咳の特徴と注意したい症状
長引く咳にはいくつかのパターンがあります。
乾いた咳(空咳)
痰がからむ咳
夜間や朝方に悪化する咳
息苦しさや胸の違和感を伴う場合も
とくに新型コロナの後は、肺の機能が一時的に落ちて、呼吸がしづらくなることもあります。
また、「咳喘息」の場合はゼーゼーという音(喘鳴)は少ないですが、放っておくと本格的な喘息に進行することもあるため注意が必要です。
対策とケアのポイント
● まずは様子を見る
多くのケースでは、時間とともに自然に良くなっていきます。ただし、咳が3週間以上続く場合は、病院での診察をおすすめします。
● 薬による治療
吸入ステロイドや気管支拡張薬が使われることがあります。ただし、新型コロナの後遺症による咳には、これらの薬があまり効かない場合もあります。
● 自分でできるケア
水分をしっかりとる
部屋を加湿する
アレルゲン(ほこり・花粉など)を避ける
喉を冷やさないようにする
こうした工夫も、咳の軽減に役立ちます。
こんな症状がある場合は、すぐ受診を!
次のような症状がある場合は、他の病気が隠れていることもあるため、早めの受診が大切です。
息苦しさ
血が混じった痰
発熱が長引く
原因不明の体重減少
鍼灸でもサポートできます
当院の鍼灸治療は、バランスの崩れを心身の両面から調節できるため、人間が本来持っている自然治癒力を高めることができます。そのうえで、咳に効果があるとされる「天突穴」「廉泉穴」「中府穴」「尺沢穴」「定喘穴」などの局所療法を加えます。
実際に、風邪やコロナのあとで咳が治らないという方に鍼治療を行うことで、「楽になった」「呼吸がしやすくなった」というお声をいただくこともあります。
まとめ
風邪や新型コロナから回復したあとに咳が長引くのは、実はよくあることです。多くは自然に治りますが、長引いたり他の症状がある場合は、早めの対応が安心です。
そして、つらい咳を少しでも早く楽にしたいという方には、鍼灸という選択肢もあります。気になる方は、ぜひご相談くださいね。