井島鍼灸院ブログ

2025.09.23更新

ツボの名前には、ただの記号じゃない
東洋の叡智と、カラダへの深いまなざしが込められています
今日は、経穴名がツボの位置を表す代表を紹介します。
その名も——完骨
完骨は、足の少陽胆経という経絡に属するツボ
この胆経は、目の横からスタートして、耳の後ろや首、肩、胴体、足の外側を通って
最後は足の薬指の外側へとつながっています

完骨という名前、どのようにツボの位置を表すと思いますか?
まず「完」という字には、欠けたところがない、完全なもの、守るもの、治るもの…そんな意味が込められています
まるく、やわらかく、包み込むようなイメージです
そして「骨」はもちろん“ほね”
でも、ただの骨ではありません
動物の支柱となる堅くて力強い存在
中心であり、要であり、ときに尖り、ときに鋭さや勢いも表します
つまり——完骨は、まあるく、完全な、力強い骨
体の軸、そして精神の支えのような意味が込められているのです
そして、昔の人たちはこの場所のことをどう表現したかというと…
ある書物には、こんなふうに書かれています
「耳の後ろに、まるでニワトリが足を持ち上げて丸めたような骨がある。それを完骨と呼ぶ」
——ニワトリの足?
そう、ツボの位置にある乳様突起という骨のふくらみが
鶏が足の指をくっと丸めた時の形に似ていることから、名付けられたと言われているんです
また、別の古書には「耳の後ろにある大きな骨。それが完骨だ」とも記されていて
このツボがいかに目立ち、重要な場所とされていたかがわかります
完骨とは、まさにまるくて力強い骨の下にある、大切なツボ
首と頭のつなぎ目に位置し、体の構造的な節目を守るポイント
だからこそ、体と心のバランスを保つ、東洋医学における支柱のような役割を果たしているのです
このツボの名前には
目に見えない深い意味と、先人たちの観察眼が詰まっています
ツボの名前を知れば、体の声がもっと聞こえてくるかもしれません
完骨——それは、まるくて、強くて、やさしい支えのような存在です

気になる効果は——
ズキズキと響く頭痛や片頭痛
急にグラリとくるめまいやメニエール病
寝違えやむち打ち、肩こりや腕のだるさといった首まわりの不調にも
さらに、顔のむくみや顔面神経のけいれん
三叉神経痛、耳の痛み、耳鳴り、歯の痛みまで…
まるで、「顔から首まわりのトラブル解決ボックス」!
そして、ちょっと重たい話になりますが——
てんかんや脳の充血、言葉が出づらくなる症状にも
このツボが活用されてきたという記録があるんです
そのうえ、目の奥が痛い、かすむといった眼の疾患にも!
まるで、頭部から首・顔まわり全体の司令塔のような存在ですね
東洋医学では、症状のひとつひとつを見るだけでなく
体のつながりを大切にします
だからこそ、このツボは——
「なんとなくつらい」を、「そういえばラクになったかも」に変える力を秘めているのかもしれません
あなたの毎日を、少しでも軽やかに
そんな想いとともに、このツボは今日も静かに働いています

投稿者: 井島鍼灸院

SEARCH

ARCHIVE

CATEGORY

小さな細い鍼で、大きな幸せを。JR「岐阜」駅より車で7分 / 無料駐車場完備最寄りバス停:岐阜バス「柳ヶ瀬西口」小さな細い鍼で、大きな幸せを。JR「岐阜」駅より車で7分 / 無料駐車場完備最寄りバス停:岐阜バス「柳ヶ瀬西口」
  • 058-262-4939 受付時間9:00~12:0017:00~19:00bottom_btn02_sp.png
  • メールでのお問い合わせメールでのお問い合わせ