「目の前に黒い点が見える」
「糸くずみたいな線が、ふわっと動く」
「まばたきしても消えない」
それ、もしかすると
あなたは自分の目の中を見ているのかもしれません。
これが、飛蚊症です。
■飛蚊症ってなに?
目の奥には硝子体という透明なゼリーがあります。
生まれてからほとんど入れ替わらないゼリーです。
年齢とともに、このゼリーは少しずつ変化します。
ゆるんだり、繊維が束になったりする。
その小さな濁りが
目の奥のスクリーン「網膜」に影を落とします。
ゴミでも虫でもない。
自分の目の中の影。
ちょっと不思議ですよね。
■なぜ見えたり見えなかったりするの?
飛蚊症は「影」です。
白い壁や青空ではくっきり見える。
暗い場所では目立ちにくい。
目を動かすと一緒に動き、
止めるとゆっくり漂う。
まるで水の中に浮かぶ小さなクラゲのように。
そしてもう一つ。
脳がこの影は重要ではないと判断すると
だんだん意識に上げなくなります。
消えたのではなく気にならなくなった。
■「鍼をしたら治った」と感じるのはなぜ?
臨床をしていると、
「鍼をしてから気にならなくなりました」
という声があります。
では濁りが消えたのでしょうか?
実はそう単純ではありません。
飛蚊症の多くは硝子体の構造の変化による影です。
ゼリーの中にできた繊維の束や濁りは、
透明な状態に戻ることは多くありません。
つまり、影そのものが消えることは少ないのです。
それでも治ったと感じる理由には
いくつかの可能性があります。
いち、緊張がゆるむ
不安が強いとき、
体は警戒モードになります。
すると視覚も敏感になり、
小さな影を強く意識しやすくなります。
鍼で全身がゆるむと、
この過敏さが落ち着きます。
に、脳の慣れが進む
もう一つは、時間の力。
脳は変わらない情報を
少しずつ背景へ追いやります。
最初は気になっていた影も、
繰り返し見ているうちに
無視できるものへと分類されます。
つまり
消えたというより気にならなくなった。
でも、
気にならないというのは
生活の中ではとても大きな変化です。
■ ほっといていいの?
多くの方が一番気になるのは、ここだと思います。
結論から言うと
多くの飛蚊症は、それ自体が視力を失わせる病気ではありません。
加齢による変化で起こることがほとんどで、
時間とともに気にならなくなる方も多い症状です。
■見逃してはいけないサイン
ただし飛蚊症に別の病気が隠れている場合があります。
キーワードは「急な変化」
- 急に数が増えた
- 雷のような光が走る
- 視界がカーテンのように欠ける
- 急に視力が落ちた
この場合は、まず眼科へ
■まとめ
飛蚊症は
目の中のゼリーの影を見ている状態。
多くは自然な変化です。
安心すること。
変化を見逃さないこと。
それが飛蚊症との上手な付き合い方です。











