腕の疲れに効くツボ「手三里」— その一点が、全身とつながっている —
腕の疲れに効くツボ「手三里」
— その一点が、全身とつながっている —
スマホ・キーボード・マウスで酷使される腕。肘の近くにある「手三里」は、 腕の疲れだけでなく、顔や口元、胃腸にも関係することがある重要ポイントです。
あなたは、毎日どれくらい腕を使っていますか?
スマホ、キーボード、マウス。現代人の腕は、かつてないほど酷使されています。
こんなお悩み、ありませんか?
- なんとなく腕が重い・だるい
- 前腕が張って疲れやすい
- 手や肩までつらくなってくる
今日は、そんな疲れた腕の中に隠れた“エネルギーの集まる場所”を紹介します。
肘の近くにある重要なツボ
手三里は、肘の近くにあります。
肘を曲げたときにできるシワの外側端から、指3本分ほど手首側へ進んだところ。
そこで腕に力を入れると、モコッと盛り上がる筋肉が触れます。これは 腕橈骨筋(わんとうこつきん)という、腕の力を支える重要な筋肉です。
その筋肉の盛り上がりの“麓”あたり。そこにあるのが、 「手三里(てさんり)」です。
足三里の“兄弟分”
「三里」と聞いてピンとくる方もいるかもしれません。そう、あの有名な 足三里です。
昔から足三里には「お灸をすれば、あと三里(約12km)歩ける」という伝承があります。 足三里が“健脚のツボ”なら、手三里は“剛腕のツボ”。
昔の飛脚や労働者にとって、足が移動手段なら、腕は荷物を持つための道具でした。 「このツボを刺激すれば、腕の疲れが取れ、さらに三里の距離、重い荷物を運び続けられる」 という説も伝えられています。
「里」という字の意味
「里」には、人が集まる場所、そして「エネルギーが集結する場所」という意味が込められている と考えられています。
実は“急所”でもある場所
手三里には、もう一つの側面があります。武術や護身術では、ここは“急所”としても知られています。
手三里の深部には、橈骨神経(とうこつしんけい)という重要な神経が走っています。 ここに強い刺激が加わると、電気が走るように痺れたり、一時的に握力が落ちたりすることがあります。
力を生み出す“剛腕の源”は、ひとたび攻められれば力を失う“脆いスイッチ”でもある、というわけです。
腕なのに、歯や顔にも関係?
さらに興味深いのは、手三里が腕だけに留まらないことです。臨床では、 歯の痛み、顔のニキビや吹き出物、胃腸の不調に用いられることもあります。
「なぜ腕のツボが顔や内臓に?」その鍵が、体中を張り巡らす“見えない路線図”、 経絡(けいらく)です。
手三里は「大腸経」の重要ポイント
手三里は手の陽明大腸経に属します。この経絡は、 人差し指から始まり、腕を駆け上がり、首を通って、下の歯に入り、最終的に鼻の横へとつながる とされています。
つまり、腕にある小さな「里」は、顔面や口元へ直通する“ハイウェイ”の重要拠点なのです。
小さな一点に広がる世界
腕にある小さなツボ。しかしそこには、歴史、武術、そして全身へとつながる壮大なネットワークが 隠されています。
もし最近、腕のだるさを感じているなら、手三里をやさしく押してみてください。 体のつながりを、きっと実感できるはずです。
当院では、腕の疲れだけでなく、首・肩・自律神経の状態も含めて全身を確認しながら施術を行います。
※強い痛みやしびれが続く場合は、医療機関での検査もご検討ください。











