井島鍼灸院ブログ

2015.10.17更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は心身症をご紹介させていただきます。

定義は?
「心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害がみとめられる病態をいう。
ただし、神経症やうつ病など他の精神障害にともなう身体症状は除外する。」
(日本心身医学会 1991年)


 


原因は?
心身症の発症や増悪には、心理的あるいは家庭や社会的な要因が大きく関わっていると考えられています。
そのメカニズムははっきりとわかっていませんが、持続するストレスが中枢神経系(脳)を介して、自律神経系、内分泌系、免疫系に影響を与え、それがある程度続くと内臓の働きや構造に異常を来たすと考えられています。
例えば、仕事に悩んだり、家庭内のもめごとに悩んだりしている時に、高血圧や、胃・十二指腸潰瘍が起こってくるなどがその良い例です。
また発症の際、どの内臓に異常をきたすかは、もともと弱いところにでる、ストレスの種類によって決まる、性格傾向によって決まるといった考え方があります。

心身症が認められる身体疾患は?
心身症では、特に自律神経に支配されている臓器である胃・腸などの消化器、心臓・血管などの循環器、気管支・肺などの呼吸器、腎臓・尿路などの泌尿器などの他、内分泌・代謝系、皮膚科領域、整形外科領域、婦人科領域などに病気が起こります。
その例としては、気管支喘息、胃潰瘍、皮膚炎、関節リウマチ、高血圧症、糖尿病、アトピー性皮膚炎、月経異常などがあります。
そして、神経症やうつ病など他の精神障害は必ず不安や興奮といった精神症状をともなうのに対して、心身症では明らかな精神症状があらわれません。
したがって、表面的にみれば、一般的な身体の病気を扱う内科や外科の病気と、なかなか区別しがたい病気であるといえます。


東洋医学研究所®グループの井島鍼灸院では、このような心身症に対して全身の調整と症状の改善を目的とした鍼治療をさせて頂いております。

是非、副作用のない鍼治療を受けられることをお勧めいたします。

投稿者: 井島鍼灸院

2015.10.09更新

後藤九一郎様 水墨画個展

◎会期:10月29日(木)~11月1日(日)
     
      午前10時~午後5時
     (ただし、最終日は午後4時で終了)

◎会場:ロイヤルホール

劉 悦東先生の生徒による作品展 

詳しくはこちらをご覧下さい。

是非、お出かけ頂きますようお願い申し上げます。

投稿者: 井島鍼灸院

2015.10.07更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は便秘をご紹介させていただきます。

 

大腸での排便のしくみは?
  小腸で栄養分が吸収された食物の残りは、大腸に送られる時点では水分を多く含んでいて、液状から泥状の状態です。

その後、腸内容物は、大腸の蠕動(ぜんどう)運動によって、からだの右側に位置する上行結腸、左側に位置する下行結腸へと運ばれていくうちに、濃縮され、水分などが大腸粘膜から吸収され固形化され、S状結腸へと運ばれます。

S状結腸にある程度の量の腸内容物がたまると、重力の関係や食物摂取による胃の刺激がきっかけとなって大蠕動運動がおこり、腸内容物がいっきに直腸まで運ばれます。
このときに加わる直腸粘膜への刺激が脳へ伝えられて便意を感じ、排便の姿勢をとると、肛門挙筋が収縮し、肛門括約筋がゆるんで便の排泄が行われるわけです。

                     


便秘の原因には大きく分けて2種類あります。
排便が24~48時間の間隔で規則正しく行われていれば正常です。48時間以上排便がなかったり、1日1回排便があっても、量が少ない時、便がすっきり出た感じがない時、便意があっても排便ができず苦しんだりする場合を便秘といいます。
この便秘には、器質性便秘と機能性便秘の2種類があります。

器質性便秘
大腸に慢性腸炎、腸閉塞、ガンなどの病気があって、内腔が狭くなって腸内容物が通りにくくなっておこるものや、腸の長さや大きさの異常によっておこる便秘(先天性大腸過長症)をいいます。

機能性便秘
大腸の蠕動運動が弱かったり(弛緩性便秘)、逆に蠕動運動が活発過ぎたり(けいれん性便秘)、排便のさいに肛門括約筋が開くという排便反射がうまく働かなかったり(直腸型便秘)などの、大腸の働きが異常になるためにおこる便秘をいいます。
脳と大腸とをつなぐ神経の伝達経路に障害があっておこることもあるのですが、大部分は、病気などの原因はなく、便秘が習慣になってしまったものです。このことから、常習性便秘とも習慣性便秘ともいいます。

また、汗が多量に出たり、水分の摂取量が足りなくて、便の水分が足りない場合や、食物繊維が少ない食事に偏り過ぎた場合、環境の変化やストレス、運動不足などによる便秘があります。

 

東洋医学研究所®グループの井島鍼灸院(岐阜市)では、便秘に対して鍼治療を施し、全身の調整をするとともに、腸の働きを良くする治療をさせて頂いております。
さらに、便秘を改善するための適切な生活指導もさせて頂いております。
是非、副作用のない鍼治療を受けられることをお勧め致します。        

投稿者: 井島鍼灸院

2015.10.03更新

東洋医学研究所のホームページでは、東洋医学研究所グループの先生方が順番にコラムを担当して頂いています。
  今回は、記憶の不思議ープライミング記憶ー と題して東洋医学研究所®グループいちえ鍼療院の内藤真次先生のお話を紹介させて頂きます。

記憶の不思議
    ―プライミング記憶―

  東洋医学研究所Ⓡグループいちえ鍼療院
              院長 内藤真次

 記憶には、様々なタイプがあり、時間的な持続の違いから、短期記憶(short - term memory ) と長期記憶(long - term memory)に分けます。短期記憶の例としてよくあげられるのは電話をかける時、電話番号を憶えているような場面です。

記憶の分類
①短期記憶   30秒~数分以内に消える記憶、7個ほどの小容量
        
②長期記憶
   エピソード記憶    個人の想い出
   意味記憶        知識
   手続き記憶      体で覚える記憶
   プライミング記憶   勘違いのもと
                 サブリミナル効果

 私達が記憶というとき最も一般的にイメージされるのは長期記憶という、年単位で長期間憶えている記憶です。
 長期記憶は扱う記憶の性質の違いからいくつかに分類されています。「4月の入学式の後、友達と駅前のカフェでコー
ヒーを飲んだ」といった特定の日時や場所と関連した個人的経験に関する記憶を「エピソード記憶」と呼びます。
 これに対し、特定の日時や場所と無関係な記憶を「意味記憶」と呼んで区別します。「中枢神経には脳と脊髄がある」などというのも意味記憶です。他にも「手続き記憶」という、自転車や楽器演奏などのやり方やスポーツのルールの記憶など体で憶える記憶があります。そして、プライミング( 入れ知恵) 記憶と呼ばれる記憶等4 つに分類されています。
 今回は、長期記憶の中でも聞き慣れない、プライミング記憶についてのお話です。

 プライミング記憶を説明する前に、簡単な実験をおこなってみましょう。
 まずは次の文章を読んでみてください。
 これは、アメリカが生んだアニメのヒーローである「ポパイ」と、ポパイがたべる「ほうれんそう」に関する内容です。「ポパイが恋敵のブルートをなぎ倒すさまは我々に心地良い快感を与えてくれる。ポパイがブルートより圧倒的に体格が劣っているため、さらに我々の同情を誘う。ほうれんそうを食べて怪力になりそれまで全く歯が立たなかったブルートとから逆転勝利を収めるおなじみのパターンも見ている者に安心感を与える。さてポパイの力の源であるほうれんそうが実際に高い栄養価を持つ事は周知の通りであるがこのアニメの影響は絶大で当時のポパイを見て成長盛りの子供達が積極的にほうれそんうを食べるようになったという事が報告されている。」

 お気付きになりましたか? この文章の中に、プライミング記憶の形跡をみることができるかもしれません。実はこの文章の中には「ほうれんそう」という言葉が3 回出てきました。3 回目に出てきたときには、「ほうれそんう」と書かれていました。皆さんの中には気付かずにうっかり「ほうれんそう」と読んでしまった方もいることでしょう。これは、皆さんがこの文章は「ポパイとほうれんそう」の内容であるとあらかじめ意識しているから、それに近い単語を勝手に
都合良く解釈してしまったのです。つまり、「ほうれそんう」という無意味な単語を読むときに、以前出てきた「ほうれんそう」という言葉を記憶していて、自分の意識よりもその記憶の方が先に文字を認識してしまうのです。このように無意識におこなわれてしまう記憶をプライミング記憶といいます。
 このように普段のちょっとした勘違いを起こした経験は誰でもあるでしょう。脳はいろいろな所に記憶を振り分けてしまい、以前の記憶と勝手に結びつけて解釈してしまう事があるのです。

 こうした効果が生じるのは、単語や概念が互いにネットワークを形成しているためだと考えられます。これはとても大事な能力で、ほ、う、れ、ん、そ、う、という文字を一字、一字、認識するのではなく、一瞬で「ほうれんそう」と認識する事が出来ます。ですから自分の状況を迅速に判断する為の重要な役割なのです。

 人間は良く間違いや勘違いをしますが、脳の機能自体がとても曖昧で間違えやすいのです。ですから、如何に自分の記憶がいい加減なのかを意識しておいて、細かいことにはこだわらず、「まあ、それでいいじゃないか」とするほうが、ストレスもたまらず、物事がスムーズに進むことができるのかもしれませんね。

投稿者: 井島鍼灸院

2015.09.26更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は「胃食道逆流症(逆流性食道炎)について」をご紹介させていただきます。

胃食道逆流症とは?
胃食道逆流症(GERD)とは、胃液や胃の内容物が食道に逆流することにより、不快な症状が起こる病気です。
胃食道逆流症には、内視鏡検査で下部食道粘膜に明らかな傷害が確認できる逆流性食道炎や、粘膜傷害のない非びらん性胃食道逆流症、胃切除後逆流性食道炎などがあります。
かつては欧米に多くみられる病気でしたが、最近は、日本でも食事スタイルの欧米化により増加傾向にあります。


原因は?
胃液や胃の内容物が食道に逆流するのは、いくつかの原因が重なって引き起こされると考えられています。
胃酸の過剰分泌
脂肪分が多い食物を日常的に摂取していると、胃の活動が活発になり すぎて胃酸の分泌量が増加し、胃酸の逆流が起きやすくなります。
胃液の逆流を防ぐ機能の低下
食道と胃の間は、括約筋と呼ばれる筋肉で胃の内容物が逆流しないように弁の働きをしていますが、加齢や胃の手術などによりこの機能が弱くなると、胃酸の逆流が防げなくなります。
腹圧の上昇
肥満や妊娠、背中が曲がっていると、腹で胃を圧迫され胃液が逆流しやすくなります。
食道や胃の蠕動運動の低下
胃炎や胃潰瘍などによって胃の働きが弱まり、食物が長時間とどまるようになると起こりやすくなります。

症状は?
胸が焼けつく、熱いものがこみ上げてくるような感じがする胸焼けや、喉がつまり、食物を飲み下すことが困難になる嚥下障害、酸っぱい物や、苦いものが口まで上がってくる呑酸(どんさん)などが主な症状です。
その他、激しく咳きこむ、のどの違和感、胸痛、胃もたれ、耳の痛みなどの症状が出ることもあります。


東洋医学研究所®グループの井島鍼灸院では、このような胃食道逆流症に対して、全身の調整と局所の症状改善を目的とした鍼治療をさせて頂いております。

ぜひ、副作用のない鍼治療を受けられることをお勧め致します。        

投稿者: 井島鍼灸院

2015.09.11更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は「頚肩腕症候群」について」をご紹介させていただきます。

頚肩腕症候群とは?

頚、肩、腕から手指に及ぶ疼痛、しびれ、だるさ、脱力感、冷えなどの訴えがある場合、原因疾患はさておき、便宜上、頚肩腕症候群という病名を付けることがあります。

この病名は、症状に対してつけられたもので、厳密に言えば、頸、肩、腕の痛みを起こす病気のうち、①頚部椎間板ヘルニア、 ②頚部変形性脊椎症、 ③後縦靭帯骨化症、 ④黄色靭帯骨化症・肥厚症、 ⑤胸郭出口症候群など、原因のはっきりしたものを除たものと定義されます。                     

いつまでも原因がはっきりせず、症状も改善しない場合は、人によっては精神的に落ち込んだり、また、原因を求めてあちこちの病院を受診し、症状がさらに複雑になることがあります。

原因がはっきりしないということは、大きな病気がない証拠だと考え、根気よく治療を続けることが重要です。
                                    

頚肩腕症候群の原因
頚肩腕症候群の原因ははっきりしませんが、頚椎およびその周辺の軟部組織の老化や、一定の姿勢で長時間作業するような職業の人にみられるような筋の疲労、また精神的な影響、姿勢の悪さが関係していると考えられています。

頚肩腕症候群に対する鍼治療の効果
昭和44年4月1日より昭和47年3月1日まで3年間に東洋医学研究所®に来院された患者の中の1336例について、黒野所長が鍼と超音波の併用療法による各種疼痛疾患に対する効果などを詳細に研究し、これらを症状別に集計しました。

その結果、頚肩腕症候群の患者223名中、全治した方が192名、症状が軽減した方が20名。212名の方に対して効果が見られ、95.1%の改善率でありました。

さらに、頚肩腕症候群に対する鍼治療効果の研究は、平成18年に開催された第55回(社)全日本鍼灸学会学術大会(金沢大会)において多施設による症例集積が報告されています。

その症例集積は、「頚肩腕痛に対する鍼治療の検討-多施設によるVASと頚部神経根症治療成績判断基準の評価-」と題し、東洋医学研究所®を含む4施設に来院した頚肩腕痛の患者24名に対して、鍼治療を行い、visual analogue scale(VAS)と頚部神経根症治療成績判定基準を使用し鍼治療効果を評価しています。

その結果、平均7.5回の鍼治療によってVASと頚部神経根症治療成績判定基準の両方で有意な改善が認められました。

頚肩腕症候群予防のワンポイントアドバイス                   
頚肩腕症候群を予防するためには、良い姿勢を保つこと、長時間同じ姿勢をとり続けないこと、適度な運動をすること、ストレスを減らすこと、冷やさないことなどが重要であると考えられています。

良い姿勢を保つ
立っているときや、パソコン作業をしているときは、知らないうちに猫背になって、あごを突き出していることがあります。

このような姿勢は、頚や肩に負担が集中して疲労しやすいので、時々自分の姿勢をチェックして背筋を伸ばし、軽くあごを引いた姿勢をとりましょう。

長時間同じ姿勢をとり続けない
いくら良い姿勢でも、長時間同じ姿勢を続けていれば、筋肉が疲労して頚や肩など痛みがでてきます。

座って作業をしているときは、30分~1時間に1回は休憩をとって、背伸びをする、立ち上がる、周囲を歩くなどを行って血流を良くしましょう。

適度な運動
ストレッチは仕事の休憩時間など、ちょっとした時間に行い頚肩腕症候群の予防・解消に役立ててください。ポイントは、勢いをつけず、ゆっくりと行うことです。

また、無理をせず、自分に合ったペースで、毎日少しずつ行うことが重要です。痛みが出たらすぐに中止してください。

東洋医学研究所®では、上記のような長年にわたる臨床研究を根拠に頚肩腕症候群に対する鍼治療をさせて頂いております。

また、その患者の状態に合わせたストレスや冷えを防ぐワンポイントアドバイスもさせて頂いております。

頚や肩の状態は変わらないとあきらめないで、もっと快適に仕事ができ、日常生活を送れるように、是非、鍼治療を受けられることをお勧め致します。

投稿者: 井島鍼灸院

2015.09.04更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は「心臓神経症について」をご紹介させていただきます。

心臓神経症とは?
  心臓神経症とは、基本的には心臓には病気がないにもかかわらず、胸痛、動悸などの心臓に関係した訴えがある場合に用いられる病名です。

神経症的な素因のある人に起こりやすく、心電図検査で心配する必要のない不整脈を指摘されたことがきっかけとなることも少なくありません。


原因は?
心臓神経症は、ストレス、過労などがきっかけとなり発症しますが、狭心症や心筋梗塞などの心臓病に対する極度の不安がその中心にあると考えられています。

ストレス、過労、不安感などは心臓の働きを活発にする交感神経を刺激します。すると心拍数が増え、動悸を強く感じたりします。一度こうした症状を感じると心臓病に対する不安が生まれ、その不安が徐々に大きくなり突然死への恐れなども感じはじめ、胸痛、呼吸困難、めまいなどのより大きな症状を感じるようになってしまうのです。

症状は胸痛、動悸、めまいなどです
胸痛、動悸、めまいなどの症状が出ます。
このうち胸痛はほとんどが訴えるものですが、その痛みは一見、狭心症の症状と似ています。しかし、よく調べると多くの点で違いがあることがわかります。

心臓神経症で感じる胸痛は「チクチク」と表現されるような痛みで、いたむ部分が左胸のごく狭い範囲に限られており、手で圧迫すると痛みが強くなったり、さすると痛みがおさまったりして、心臓の痛みとしてはおかしな点が多いのです。この痛みは運動したり、興奮したりしている時ではなく、たいていは一人で静かにしている時に現れ、長いときは1日中続くこともあります。

その他の症状としては、息切れ、呼吸困難、手足のしびれ、疲れやすい、頭痛、不眠など多彩な症状をともなうことがあります。


東洋医学研究所®グループの井島鍼灸院では、このような心臓神経症に対し鍼治療を行い、全身の調整をさせて頂くことで症状を緩和することにより、不安感をとり除くような治療をさせていただいております。

心臓神経症で悩んでおられる方は、ぜひ一度、副作用のない鍼治療を受けられることをお勧めいたします。

投稿者: 井島鍼灸院

2015.08.31更新

 東洋医学研究所のホームページでは、東洋医学研究所グループの先生方が順番にコラムを担当して頂いています。
 今回は、運動しましょうーミトコンドリアと活性酸素ー と題して東洋医学研究所®グループ二葉鍼灸療院の田中良和先生のお話を紹介させて頂きます。
 

 運動しましょう
      ―ミトコンドリアと活性酸素―

    東洋医学研究所Ⓡグループ二葉鍼灸療院
                 院長 田中良和

 運動する時にはエネルギーが必要です。その役割は、エネルギー発電所といわれる細胞の中にあるミトコンドリアが担っています。神経細胞や心臓、肝臓の細胞など活発に働く場所にはミトコンドリアが多く存在し、その中でもカラダの原動力である筋肉細胞には多数のミトコンドリアが存在しています。運動によって筋肉を維持し増強させることが、ミトコンドリアの数を増やし、質を高めることにつながり、その結果として元気で気力溢れる人生を過ごすことができるといわれています。
でも、そんなミトコンドリアの働きを、より引き出すには見逃してはいけないことがあります。


◇ミトコンドリアで発生する活性酸素◇
 人生良いことばかりではありません。良い出来事と悪い出来事が繰り返し起こるのが人生です。細胞の中でもエネルギーを獲得する時には、それ相応の対価を支払わなければなりません。それが活性酸素の発生です。
紫外線を浴びる、化学物質である食事による残留農薬や食品添加物、タバコ、化学薬品、排気ガスなどの大気汚染物質が体内に入ってくるなど、カラダの外からの刺激で活性酸素が発生することもあります。食事をするだけでも活性酸素は発生しますし、呼吸においても、呼吸で得られる酸素全体の0.2%~2%は体内で活性酸素に変わると言われています。
この部分だけ見ても、食べ過ぎ、過激な運動は活性酸素を増加させカラダに悪いことが理解できると思います。


◇活性酸素のやりたい放題を防げ◇
 活性酸素には段階がありスーパーオキシドアニオン→過酸化水素→ヒドロキシルラジカルと電子との反応が重なるごとに形を変え、ヒドロキシルラジカルはスーパーオキシドアニオンの百倍の酸化力(細胞傷害力)があります。しかし、活性酸素が生まれることは宿命づけられているため、カラダ側もこれに対処する能力をもっています。これがスカベンジャー酵素群(掃除する人という意味も持つ)です。これらがあることで活性酸素を無毒化していま
す。
一部の報告では、このスカベンジャー酵素群の活性酸素分解率などの働きが、20代では
95%、50代では50%、70代では10%となり、当たり前かもしれませんが、高年齢になるほどその働きは落ちていくようです。この機能を補うのは食物より摂取するスカベンジャー酵素である抗酸化物質、いわゆるビタミンEやビタミンCなのです。食事の内容も大切になってくるということです。ヒドロキシルラジカルまで進んでしまうと体内にあるスカベンジャー酵素群では対処できなくなり細胞を傷害することが確実となってしまうので、カラ
ダには前もって、そこまで進まないように対処する能力が備わっているのです。

◇大切なのは生活習慣の改善◇
 陰があれば陽がある、光があれば影がある、活性酸素も実は適量であればカラダにとって有益なのです。この話は次回にしますが、活性酸素を大量に放出し細胞を傷害する=病気の原因をつくらないためには、食べ過ぎは控える、過激な運動を控える、タバコなど自分で対処でき、外から体内に入ってくる化学物質は気をつける、睡眠を十分とる(太陽とともに生活)、精神的ストレスを解消する、適度な運動で筋力を増強しミトコンドリアの数を増やし、また、質が低下し活性酸素を多く産生するミトコンドリアを除去し、高性能のミトコンドリアと新陳代謝させることが大切となります。


東洋医学研究所グループが行う生体制御療法は健康管理を行うために適した鍼治療です。定期的な健康管理の鍼治療は、生活習慣の改善とミトコンドリア機能の改善の一助となることでしょう。

 

投稿者: 井島鍼灸院

2015.08.29更新

以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は「頭痛について」をご紹介させていただきます。

頭痛は大きく分けると、脳や体に病気があって起こる「症候性頭痛」と、頭痛もちの頭痛といわれる「機能性頭痛」の2つに分けられます。
そして、鍼灸治療にかかわりの深い「機能性頭痛」には、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などの種類があります。それぞれの違いについて簡単にご紹介します。
 

 緊張型頭痛
日本では成人の22%が悩んでいる頭痛です。頭痛の原因の7~8割を占めるといわれ、中高年に多く、はっきりした性差はありません。頭痛の頻度は月に数回程度から毎日とさまざまです。
〔原因〕
不安・抑うつなどの精神的なストレスや、姿勢の異常などによる身体的なストレスにより、首や頭の周りを取り巻く筋肉が収縮し緊張がたかまります。すると、血液の流れが悪くなってこりの状態となり痛みが起こります。この痛みがさらに筋肉の血流を悪くし、悪循環を引き起こすため頭痛はだらだらといつまでも続きます。
〔症状〕
 いつとはなしに始まり、ダラダラと持続する頭痛です。部位は頭部から首筋にかけて痛むことが多く、頭全体であったり、はちまき様のこともあります。痛みの程度は軽度から中等度で、日常生活への影響は軽度です。痛み方は圧迫感や頭重感が特徴で「はちまきをしているような」「帽子をかぶされているような」と表現されます。

片頭痛
成人の1割弱が片頭痛であるといわれています。女性に多い頭痛で男性の4倍です。子供の時から始まることが多く、頻度は月に1~2回程度で繰り返し起こります。
〔原因〕
血管説、神経説、三叉神経血管説の3つの説があります。
〔症状〕
頭痛の部位は、片側のこめかみから目のあたりに起こり、波打つように「ズキンズキン」と痛みます。ひどくなると頭全体に拍動感のない持続的な痛みとなります。日常生活がとても続けられないほどの痛みで、ひどいと寝込んでしまいます。日常的な動作や入浴、体操は痛みを悪化させます。しばしば吐き気や嘔吐を伴い、光や音に過敏となります。
30歳代の男性に多いタイプの頭痛で、年に1~2回、あるいは2~3年に1回起こりますが、いったん起こり始めると1~2ヶ月間連日のように群発するのが特徴です。

群発頭痛
〔原因〕
片頭痛と同じように「血管が拡張して痛む頭痛」と考えられています。
〔症状〕
睡眠中に起こりやすく、頻度は1日1回、約1時間で自然に治まります。痛みの部位は片方の目、目の上、こめかみのあたりで、その痛みの程度は「えぐられるような」激しい頭痛です。発作中、頭痛の側の目が充血したり、涙が出たり、脹れたり、鼻がつまったり、鼻汁が出たりします。
片頭痛と違って吐き気や嘔吐はありません。

以上のような違いから頭痛を正しく鑑別し、適切な治療をしていくことが大切であると考えます。頭痛は患者さんにとって、非常な苦痛であり日常生活の大きな妨げになります。鍼治療により健康な生活を取り戻している方も多くみえます。 是非、副作用のない鍼治療を試してみてください。

投稿者: 井島鍼灸院

2015.08.24更新

 以前にもご紹介させていただいた適応症の中から、今回は「肘痛について」をご紹介させていただきます。

どんな症状?
肘痛を起こす代表的な疾患にテニス肘があります
肘の外側が痛む病気です。上腕骨外顆(じょうわんこつがいか)という部分には手首や指を曲げ伸ばしする筋肉が付着しています。肘や手首を使いすぎてこの部分に過剰な刺激が加わると、炎症が起こって痛むようになります。そのため、以前は上腕骨外上顆炎と呼ばれていましたが、テニスをする人にこの疾患が多いことから、現在では一般にテニス肘と呼ばれています。
しかし、原因はテニスだけとはかぎらず、ゴルフ、バトミントン、ボ-リングなど手首や肘をよく使うスポーツには共通して起こります。また、部品の組み立てや、板金などのような手や肘をよく使う職業の人や、家事などの影響で主婦にも起こりやすいといわれています。
 


 

肘関節の外側が痛み、指で圧迫すると強く痛みます。また、前腕をひねるときに強く痛むのが特徴で、タオルやぞうきんをしぼるような動作をすると痛みが強くなります。

野球の投球動作で起こる肘の障害を野球肘と呼びます
子どもの関節はまだ未完成で、大人の関節に比べると弱いものです。野球の投球動作は、肘の内側には引っ張られる力が、外側には押し付けられる力が加わります。この動作を長期間繰り返すことは子どもの肘関節に過大な負荷をかけます。カーブやシュートなどの変化球を投げると、手首から肘までの部分にひねりを加えなければならず、肘関節にいっそう重い負担がかかります。そのため内側は靭帯が伸ばされ(上腕骨内上顆炎)、外側は骨と骨がぶつかって軟骨に傷がつきます。ひどくなると骨のかけら(離断性骨軟骨炎)ができます。
投球時だけ肘が痛む程度から、強い痛みのために日常動作ができない程度まで痛み方はいろいろです。肘が腫れることはありませんが、肘が伸ばせなくことがあります。

肘痛を早く治すためのワンポイントアドバイス
強い痛みがあるときは安静にしましょう
肘痛は肘の周りの筋肉が炎症を起こしている状態なので、肘痛を起こした原因と考えられるテニスや野球などは、痛みがなくなるまでできるだけひかえましょう。

肘の負担を減らしましょう
重いものを持つときは、片手で持つことは避け、両手で持ちましょう。
また、肘を伸ばしての作業は手首や指を曲げ伸ばしする筋肉により負担がかかります。なるべく肘を曲げて行ないましょう。
 

東洋医学研究所®グループの井島鍼灸院では、長年にわたりこのような肘痛の治療をさせて頂いております。
症状の程度によっては、治療に時間のかかることもありますが、是非、継続的な鍼治療をお勧めいたします。

投稿者: 井島鍼灸院

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