頭のてっぺんに、全身の司令塔があるって知ってましたか?
それが今回ご紹介する――
百会というツボです!
東洋医学では、百会は特別な名前で呼ばれています。
その名も、「さんようごえ」!
実はこれ、全身のエネルギーの通り道=経絡が、なんと五本も交差して集まっている場所だからなんです!
交わるのは
まずは三つの陽経
背中を通る「足の太陽膀胱経」
体の横を走る「足の少陽胆経」
そして腕から流れる「手の少陽三焦経」
それだけじゃありません
ここには陰の代表「足の厥陰肝経」も集まり
さらに体の中心を縦に貫く督脈までもが合流します
これだけ多くの経絡が一ヶ所で交差している…まさに体全体の気の流れをコントロールし、まとめあげる司令塔のような存在なんです。
じゃあ、その百会ってどうやって探すの?
両耳の先っぽ同士を頭のてっぺんで結ぶライン
額の真ん中から真っすぐ上に引いたライン
この2本の線が交わるところ!
軽く押してみて、少しくぼんでいたら…そこが百会!
そして、このツボの名前には
実は、とても深い意味が込められているのを知っていますか?
まず「百」という字。
これはただの数字の100じゃありません。
「百」には、たくさん・あらゆるものが集まるという意味があるんです。
百人、百姓、百花繚乱…
いろんなものが広がって、にぎわっているイメージですね。
そして、「会」。
これは出会い・集まり・一致するという意味。
人と人が出会う会合の「会」、
心と体が一つになる「会う」、
まさに、集まって一つになるという感覚です。
つまり「百会」という名前は――
たくさんのエネルギーが、一点に集まる場所
ということなんです!
さらにここは「脳の玄関口」ともいえる場所。
東洋医学では、脳を「ずいかい」と表現します。
百会は、その髄海につながる出入り口。
頭のてっぺんにあるひとつの小さなツボが、
実は全身の気血と脳をつなぎ、
たくさんの経絡を束ねる
重要ポイントになっているんですね!
しかも百会、すごいのは名前だけじゃありません。
百会は百病を癒すとも言われるほど、幅広い不調に対応してくれるんです
たとえば
脳にまつわるトラブル――
脳の血がドッと集まってのぼせるような感覚や
意識が遠のくような症状にも
このツボが頼りになる場面は多いんです
頭痛やめまい、耳鳴り、
脳貧血やてんかん、神経の疲れ、そして不眠まで
耳が聞こえづらい、メニエール病でふらふらする――
そんなときも活躍
さらには
鼻づまり、匂いがわからない、
目が充血している、視界がぼやける、そんな目の悩みも
首や肩のこり、腰の痛みなど、背中や腰まわりのトラブルにも
お尻の悩み――痔や脱肛
そして近年とても増えている
自律神経の乱れにも使われます
実はこのツボ
五臓六腑、つまり体の中のあらゆる働きを整えてくれる、オールラウンダー
まさに百の病を癒すために
昔から多くの鍼灸師が重宝してきたツボなんです
そして驚くべきことに、西洋医学の研究でも、
脳の神経伝達物質や血流に変化があるという報告も!
東洋も西洋も認める、百会の力。
これはもう…活用しない手はありません!