井島鍼灸院ブログ

2026.03.14更新

 

円形脱毛症と鍼灸:症例紹介

髪の毛が抜け続けて、止まらない……

「病院で治療を続けているのに、なかなか変化が現れない」
そんな不安を抱えて、一人で悩んでいませんか?

円形脱毛症は、
ご本人にとって、言葉にできないほど深い悩みとなります。

なぜ、標準的な治療を尽くしても、変化が出にくいケースがあるのでしょうか。
そこには、私たちの体が持つ「免疫」と「ストレス」の複雑な関係が隠れているかもしれません。

今回は、様々な治療を試みても変化が見られなかったある患者さんが、鍼灸というアプローチを通じて、一つの可能性を見出した141日間の経過をご紹介します。

今回の患者さんは、当時18歳の男性です。
彼の夢は「美容師」になることでした。

美容専門学校に入学し、夢への一歩を踏み出しました。
心機一転、髪を染めたことをきっかけに、異変が起きました。

5月の連休明けから髪が抜け始め、わずか2ヶ月後には、
全頭部、まつげ、眉毛、そして髭に至るまで、全身の毛が抜け落ちてしまったのです。

髪を扱うプロを目指していた彼にとって、ウィッグなしでは外に出られない現実は、
夢をあきらめ、学校を退学せざるを得ないほど過酷なものでした。

病院でステロイドパルス療法や局所免疫療法など、
当時考えられる限りの治療を3ヶ月間行いましたが、症状に変化はありません。
「もう、どうすればいいのか分からない」
そんな絶望感の中、お母様に付き添われて当院に来院されました。

初診時の彼は、全身の脱毛に加え、不安な表情をされていました。

私たちは、体本来の調整力を高める「生体制御療法」という方針で、週2回の鍼治療を開始しました。

治療では、全身のバランスを整えるツボへ、優しく刺激を伝えていきます。
それと並行して、生活リズムの改善や、
「将来の自分の店」をイメージする心のケアも大切にしました。

その経過は、驚くべきものでした。

治療開始から約1ヶ月、11回目の来院時。
「あ、眉毛が生えてきました」
小さな、しかし確かな一歩でした。

13回目には、まつげと頭髪の一部に産毛が確認されました。
そして19回目の治療時には、頭部全体が黒々としてきました。

併用していたお薬の服用も、医師の判断により中止となりました。
32回目の来院時。
彼は、初診以来はじめてウィッグを外して見せてくれました。
そこには、4センチから5センチほど伸びた、質の良い髪がしっかりと生え揃っていました。

治療開始から約5ヶ月間、合計38回の治療を経て、
彼は「来年度から復学する」という希望を取り戻したのです。

なぜ、鍼灸がこのような変化を後押しできたのでしょうか。

円形脱毛症の本態は、本来、体を守るはずの免疫細胞が、
自分の毛根を誤って攻撃してしまう「自己免疫の異常」と考えられています。

特に、この患者さんのようにアトピー素因や遺伝的背景がある場合、
精神的・身体的なストレスが引き金となり、
免疫のブレーキ役である「制御性T細胞」がうまく働かなくなることがあります。

病院の検査で「異常なし」と言われたり、投薬で変化が出にくかったりするのは、
この「免疫システムのバランスの崩れ」が根深く定着しているからかもしれません。

鍼灸によるアプローチは、特定の症状だけを見るのではなく、
「生体の統合的制御機構」……つまり、体が自らを整えるシステム全体を活性化させます。

専門的な研究でも、鍼刺激が免疫系や自律神経に働きかけ、
過剰な攻撃を抑えたり、血流を促したりする可能性が報告されています。
今回のケースでも、鍼治療によって体の調整力が本来の働きを取り戻し、
毛包の再生を助けた可能性が考えられます。

今回の症例は、あくまで一人の患者さんの経過であり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。

しかし、病院の治療で思うような変化が出ない時、
「体の内側から整える」という鍼灸の視点が、
新しい可能性の扉を開くきっかけになるかもしれません。

もし、あなたが今、暗いトンネルの中にいるのなら。
一人で抱え込まず、新しい選択肢に目を向けてみてください。

あなたの体が持つ「元に戻ろうとする力」を、私たちは信じています。

投稿者: 井島鍼灸院

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