手のひらが熱い、イライラして眠れない
そんな時に知っておきたいツボ「労宮」
「手のひらが熱い」
「イライラして眠れない」
「口内炎ができやすい」
このような症状でお悩みの方はいませんか。
東洋医学では、こうした状態に関係すると考えられている重要なツボがあります。
それが、**労宮(ろうきゅう)**です。
労宮とはどんなツボか
労宮は、手の厥陰心包経に属するツボです。
心包とは、東洋医学において「心」を守る働きと
関係が深いと考えられているものです。
ここでいう心は、単に心臓だけを指すのではなく、
精神活動や感情の安定とも関係すると考えられています。
労宮は、その心包経にある重要なツボで、
ツボの性質としては栄穴であり、さらに火穴でもあります。
心包は五行でいう「火」に属します。
そのため労宮は、いわば「火の性質が強いツボ」と考えられてきました。
火の性質が強いということは、
体や心にこもった余分な熱と関係しやすいということです。
古典では、労宮は体や心にこもった熱を冷まし、
精神の高ぶりを鎮める働きがあるツボとして考えられてきました。
労宮の場所
労宮は、手のひらの中央あたりにあります。
一番わかりやすい取り方は、軽く拳を握ってみる方法です。
軽く拳を握ったときに、中指の先が手のひらに当たる場所。
そこが、労宮の目安になります。
臨床では、そこを基準にして、第2・第3中手骨の間で、
圧痛やへこみを確認しながら位置を決めると、より再現性が高くなります。
なお、古典には「薬指が当たる場所」とする説もあり、
流派によって若干の違いがあります。
ただし、いずれの場合も「手のひらの中央付近にあるツボ」という点は共通しています。
労宮という名前の意味
労宮という名前も、とても興味深いものです。
「労」は、疲れや働きを意味します。
「宮」は、中枢や大切な場所を意味します。
つまり労宮とは、労の集まる宮。
手を酷使した疲れや、心の疲れが現れやすい場所、
という意味が込められていると考えられます。
また、労宮には**鬼路(きろ)**という別名もあります。
鬼路は、精神症状に用いられてきた「十三鬼穴」の一つにも数えられます。
このことからも、労宮は古くから、
心や神経の乱れに対する要穴として重視されてきたことがわかります。
労宮が使われる症状
労宮がよく用いられるのは、心の熱が関係すると考えられる症状です。
たとえば、
イライラ
不眠
動悸
不安感
精神疲労
などです。
神経が高ぶっている状態や、
気持ちが落ち着かない状態を鎮める目的で用いられます。
また、熱が上にのぼることで起こると考えられる症状にも応用されます。
たとえば、
口内炎
舌の荒れ
歯ぐきの腫れ
鼻血
などです。
さらに、労宮という名前の通り、手そのものの症状にも用いられます。
手のほてり
手のひらの汗
手の疲労感
手の震え
こうした手の症状にも、労宮はよく使われるツボです。
現代的に見た労宮
現代的な視点から見ると、
労宮の周囲には正中神経や尺骨神経の枝が走っています。
そのため、労宮への刺激は、手の感覚だけでなく、
神経を通じて中枢にも影響を与える可能性がある場所と考えられます。
また、労宮への刺激が脳の前頭葉の働きや
精神的疲労の軽減と関係する可能性を示唆する報告もあります。
東洋医学で古くから「心」や「精神」と関係が深いとされてきた労宮が、
現代的にも心身の反応と関係する可能性があるという点は、とても興味深いところです。
労宮は「手」と「心」をつなぐツボ
労宮は、まさに「手」と「心」をつなぐツボと言えるかもしれません。
手が疲れているとき、心も疲れていることがあります。
心が緊張しているとき、手のひらに汗をかいたり、
手がこわばったりすることもあります。
そのように考えると、手のひらの中央にある労宮は、
心身の状態を映し出す場所とも言えます。
イライラする。
眠れない。
手のひらが熱い。
心が落ち着かない。
そんなとき、労宮という小さなツボが、
心身をゆるめるきっかけになるかもしれません。
まとめ
労宮は、手の厥陰心包経に属する重要なツボです。
心包との関係から、精神的な緊張や心の高ぶりに用いられることがあり、
古典では余分な熱を冷ますツボとして考えられてきました。
場所は、手のひらの中央あたり。
軽く拳を握ったとき、中指の先が当たる場所が目安です。
イライラ、不眠、動悸、不安感、口内炎、手のほてり、手の疲れなど、心と手の両方に関係する症状に応用されてきたツボです。
労宮は、手の疲れだけでなく、心の疲れにも目を向けるための大切なツボです。
ぜひ覚えておいてください。











