井島鍼灸院ブログ

2025.12.29更新

 

のどの万能ツボ「天突」
呼吸と声を守る、体の中心ポイント

今日ご紹介するのは、
のどの万能ツボ・天突(てんとつ)です。

風邪をひいたときの、ゴロゴロした喉の違和感。
咳が止まらない、息がしづらい、胸がつかえる。

そんな不調に、
ピタリと効くのが、この「天突」なんです。

天突はどこにある?

天突があるのは、のどの根元。

左右の鎖骨をたどっていって、
その真ん中にあるくぼみ。
ちょうど喉仏から指を下にすべらせると当たるところです。

体の中心を流れる「任脈」のツボ

このツボ、じつは
「任脈(にんみゃく)」という特別なラインに属しています。

任脈は、体のど真ん中を縦に貫く大切な経絡。
陰の気をコントロールする、
いわば生命の大動脈なんです。

「天突」という名前の意味

そして、名前の由来がまた面白い。

天突という名前には、
古代の人々の感覚の鋭さが、
ぎゅっと詰まっているんです。

まず、「天」。
大空、空高くそびえるもの、
神さまのいる場所、太陽の光、自然のめぐみ。

そう、「天」は、
この世界の上の方を表す言葉です。

では、「突」はどうでしょう。

急に出る、勢いよく飛び出す、
ふくらむ、滑り出る。

思いがけず、何かが顔を出すような、
そんなイメージがあります。

つまり「天突」とは、
上の世界=天に向かって、急に何かが突き出す場所
という意味。

胸から首へ、気が現れる場所

それがどこかというと……。

そう、
胸から首へと、気管が飛び出す地点なんです。

胸の奥にある肺の気が、
スッと上にのぼって、
のどの真ん中に現れるところ。

それが、天突。

体の中心線上、
鎖骨と鎖骨を結んだ中央にあるくぼみ。

解剖学的には、
胸骨柄のすぐ上。
そのすぐ奥に、気管がのぞいています。

ここは、気の通り道
そして、息をするためのゲートでもあります。

だから、呼吸や咳に効く

だからこそ、
呼吸がしづらいとき。

咳が止まらないとき。
のどがつまるような感じがするとき。

この天突を、
やさしく刺激してあげることで、
驚くほど体がスーッと楽になるんです。

古の人たちは、
からだの構造なんて知らなくても、

自然の声と、からだの声を重ね合わせて、
このツボに「天突」という名をつけたんですね。

なんだか、ロマンを感じませんか?

天突が活躍する症状

その働きは、実に多彩。

のどや胸の不調に、
まるで駆け込み寺のように活躍するツボ。

それが、天突です。

たとえば、
ゴホゴホと止まらない咳。
ゼーゼーする喘息。
息がうまく吸えない感じ。

そんな呼吸器のトラブルに。

のどがヒリヒリ痛いとき。
声がかすれるとき。
扁桃腺が腫れて、話すのもしんどい。

そんな咽喉の炎症にも。

さらに、
バセドウ病のような甲状腺のトラブル。
ストレスで起こる嘔吐や、食道のけいれん。

さらには、
心臓の不調にまで応用されることがあるんです。

のどと胸の守り神

咳が止まらない。
痰がからんでスッキリしない。

そんな呼吸まわりの困りごとに、
この天突は、
まるで隠れた名医のように働いてくれます。

まさに、
のどと胸の守り神とも言えるツボ。

その効果、侮れません。

体の真ん中にあるからこそ、
あなたの内側から変えてくれる力が、
ここにはあるかもしれません。

投稿者: 井島鍼灸院

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