2015.05.22更新
糖尿病の診断
糖尿病とは簡単に言いますと、「血液中に必要以上に余った糖(高血糖)が、長い間かけてじわじわと身体中をおかしくする」とう疾病です。その糖尿病だと判定し診断されるには、「高血糖が慢性に持続している状態」を証明す
ることが必要です。
まずは判定基準
以下①~④のいずれかが確認された場合「糖尿病型」と判定されます。
①早朝空腹時血糖値126mg/dL以上。
②75gブドウ糖負荷試験(75gOGTT)2時間値が200mg/dL以上。
③随時血糖値が200mg/dL以上。
④HbA1c が6.5%以上。
この時点では判定されただけで、まだ診断されていません。何故でしょう?
それは、その日1回のみの検査なので、最初に書いた通り「高血糖が慢性に持続している状態」を証明できないからです。
ただし、再検査で糖尿病と確認されなくても「糖尿病の疑い」は晴れないので、継続的に経過を追うことを勧められます。
確定診断のためには、後日改めて検査して、初回検査と再検査で「糖尿病型」が再確認できれば「糖尿病」と診断されます。
また、以下のように初回検査のみで「高血糖が慢性に持続している状態」を証明できれば「糖尿病」と診断できます。
・血糖値とHbA1cを同時測定し、共に「糖尿病型」であること。
・「糖尿病型」+口渇、多飲、多尿、体重減少などの糖尿病の典型的な症状がある こと。
・「糖尿病型」+確実な糖尿病網膜症があること。
判定基準に「糖尿病型」があれば「正常型」
もあります。「正常型」の判定基準は以下の通りです。
⑤早朝空腹時血糖値110mg/dL未満。
⑥75gOGTT2時間値140mg/dL未満。
ところで、上記の判定基準をよく見てみると「糖尿病型」「正常型」いずれも属さない領域があります。この場合は「境界型」と判定されます。
「境界型」だから糖尿病ではないと思って安心という訳にはいきません。何故ならば以下のような特徴がわかっています。
・「糖尿病型」に移行しやすい。
・動脈硬化性疾患になりやすい。
検査などで一度でも「血糖値が高い」という結果が出た場合、それが、高血糖が持続していたとしても、たまたまその時だけ血糖値が高いだけだったとしても、生体の反応として正常ではまず起こらない現象です。
その時は、「血糖値が上がりやすい身体」であることを改めて認識して、再検査や、生活習慣を見直すなど行動し、適切な対応をしましょう。
(文責:山田篤)
投稿者:
2015.05.13更新
眼圧と循環器ファクター
今回は、眼圧と循環器ファクター と題して東洋医学研究所®グループ弥富鍼灸院の服部輝男先生のお話を紹介させて頂きます。
眼圧と循環器ファクター
東洋医学研究所Ⓡグループ弥富鍼灸院
院長 服部輝男
日本人の平均眼圧は14.5mmHgであり、正常の眼圧は10~20mmHgであることが報告されています。緑内障は眼圧が高くなり、視神経が慢性的に圧迫されることにより視神経の障害(緑内障性視神経陥凹)を発し放置すると視野欠損を生じ、重症例では失明するといわれております。
緑内障は、厚生労働省研究班の調査によると、わが国の失明原因の第1位を占めており日本の社会において大きな問題として考えられています。
最近、日本緑内障学会で行った大規模な調査(多治見スタディ)によると、40歳以上の日本人における緑内障有病率は5%であることが報告されております。つまり40歳以上の日本人には、20人に1人の割合で緑内障と診断される患者さんがいるということになります。
また緑内障の有病率は循環器疾患の高血圧同様年齢とともに増加していくことが知られており、日本の高齢化に伴い、今後ますます患者さんの数は増えていくことが予想されます。
年齢を重ねるごとに増えるとされている緑内障と高血圧は、眼圧と血圧という指標で良い悪いが判断されます。そこで、この眼圧と血圧について考えてみたいと思います。
眼圧と血圧は同じように圧力をはかるものですが、関係があるのでしょうか?また、一体何をはかっているのでしょうか?
眼圧は眼の中の血圧をはかっているのではありません。血圧は心臓から血液が押し出されるとき,血管内に生ずる圧の状態であり、眼圧は眼球の中を満たしている房水の圧の状態なのです。つまり、まったく違う指標なので、関係がないことになります。つまり、いくら血圧が上がったからといっても眼圧があがるわけではありません。
これで一件落着と思いたいところですが、実はそうはいかないところがあるのです。
高血圧をひきおこす習慣には眼圧をあげるものがあるのです。
喫煙、アルコール、ストレス、暴飲暴食、運動不足などは、高血圧をひきおこす代表的な生活習慣です。
その上で、日常生活において眼圧に影響する因子をみてみますと、年齢、性別、屈折(近視や遠視の程度)、人種、体位、運動、そして循環器ファクターがあげられます。この眼圧に影響する循環器ファクターとして、心拍数、収縮期血圧がとくに影響し、毎分86回以上の高心拍数が悪影響を及ぼしていたという報告があることから、血圧の高い人、心拍数の多い人、血圧・心拍数ともに高い人は循環器疾患のみならず眼科疾患にも注意が必要であることがわかりました。
まとめますと、血圧があがることが直接、眼圧をあげることはありませんが、血圧が上がってしまっている人の生活習慣には眼圧をあげるものが含まれていることから、慢性的に血圧が高い人は眼圧を疑う必要もでてくるわけです。
今回は、循環器疾患の観点から眼について考察してみました。自分自身の健康を保つためにはいろいろな視点で考える必要があると思われます。
投稿者:
2015.03.27更新
糖尿病治療のモニターを募集しています
糖尿病でお悩みの方、今がチャンスです!
糖尿病と真正面から向き合う方法があります
モニター条件
以下の条件を満たしている方限定で参加頂けます。
①糖尿病と診断された方、もしくは病院で血糖値が高いといわれた方
②週2回、6ヵ月以上継続して治療ができる方
③病院の血液検査などのデータの提供にご協力いただける方
※初回来院時に最近の血液検査データをご持参ください。
①②の条件に当てはまる方は下記の「健康促進プロジェクトチーム」へお問い合わせ下さい。
プロジェクト参加者は、各治療院で通常の半額の治療費で鍼治療をお受け頂けます。
受付時間等は各院によって異なりますのでお近くの通院しやすい治療院をお探しください。
東洋医学研究所Ⓡ
院長:黒野保三
TEL:052-751-9144
栄鍼灸院(名古屋市中区)
院長:石神龍代
TEL:052-261-1433
二葉鍼灸療院(大垣市)
院長:皆川宗徳
TEL:0584-74-0003
二葉鍼灸院(安城市)
院長:山田篤
TEL:0566-77-8503
福田鍼灸院(豊田市)
院長:福田裕康
TEL:0565-82-3771
井島鍼灸院(岐阜市)
院長:井島晴彦
TEL:058-262-4939
みずの鍼灸療院(静岡県浜松市)
院長:水野高広
TEL:053-437-6868
投稿者:
2015.02.27更新
はじめてのアロマヨガ ご紹介
ヨガ講師の早川公香先生は、ヨガの技術レベルが高いうえに、とてもやさしく、いろんな方の気持ちがわかる先生です。
ヨガ経験のない方が参加するには、たいへん良いきっかけになると思います。
また、すでに経験のある方にも参考になる点は多いと思います。
是非、ご参加下さい。
はじめてのアロマヨガ
2015年4月開講の「はじめてのアロマヨガ」
こちらの体験会を、3月23日(月)に岐阜中日文化センターにて開催します。
日本の美しく楽しい四季、その時々にあったアロマオイルを選び、植物のチカラと
深くゆっくりとした呼吸、大らかで穏やかな動きのヨガで、心も身体もゆるめ、静かで美しい、リラックスの時間を過ごしましょう。
こちらの講座、岐阜では「はじめて」の講座となります。
アロマもヨガも「はじめまして」の新しい講座です。
身体も硬いし...
一人の参加は心細くて不安...
そんな方にも、ぜひ、一度、足を運んで頂きたい、
すべてが「はじめまして」のスタートです。
一緒に優しく、穏やかな、リラックスの時間を過ごしませんか?
【体験会開催日】
3月23日(月) 10時半~12時
岐阜中日文化センター
http://www.chunichi-culture.com/center/gifu/index.html
講座代金 ¥1,620(税込)
【4月からのレッスン】
第2、第4月曜日 時間 10時半~12時
4月 13日・27日
5月 11日・25日
6月 8日・22日
3か月で1レッスン ¥12,636(税込)
【お問い合わせ】
岐阜中日文化センター
0120-670-877
【講師】
東山ヨガ講師 早川公香
投稿者:
2015.02.27更新
YOGAと伊吹和ハーブランチを楽しむ会のご案内
ヨガ講師の早川公香先生は、ヨガの技術レベルが高いうえに、とてもやさしく、いろんな方の気持ちがわかる先生です。
ヨガ経験のない方が参加するには、たいへん良いきっかけになると思います。
また、すでに経験のある方にも参考になる点は多いと思います。
是非、ご参加下さい。
日 時 3月8日(日)
時 間 ヨガ 10:30~12:00
ランチ 12:30~13:30
会 場 ヨガ 「いびがわアリーナ・多目的競技室
ランチ 「伊吹和ハーブまるこちゃん」
岐阜県揖斐郡揖斐川町上南方545-91
代 金 4,000円(お土産付) レンタルマット200円
定 員 20人 ※締切3月5日
申し込み・お問い合わせ 0585-23-1448
投稿者:
2015.02.04更新
ウォーキングのすすめ
今回は、ウォーキングのすすめ -あなたは朝派?昼派?それとも夜派?- と題して東洋医学研究所®グループ二葉鍼灸療院の河瀬美之先生のお話を紹介させて頂きます。
ウォーキングのすすめ
―あなたは朝派?昼派?それとも夜派?―
東洋医学研究所®グループ二葉鍼灸療院
院長河瀬美之
はじめに
ウォーキングは痛みの疾患の改善や予防、肥満の是正をはじめとする生活習慣病の改善や予防、脳の活性化による認知症の改善や予防など、幅広い効果があることが知られています。
今回は、実際にウォーキングをするにあたって、「いつするのか?」ということについて述べさせて頂きたいと思います。
体温の生体リズム
早稲田大学スポーツ科学教授内田直先生によると、体温には生体リズムがあるそうです。
下図のように、人は24時間、一定のリズムを刻んで活動と休息を繰り返しています。体温は朝の起床時の1時間前から徐々に上昇し、昼過ぎからさらに上昇してピークとなり、夜の就寝時に下降するというパターンです。
そうなると、同じウォーキング内容でも行う時間帯によってその効果に違いが出てきます。朝には朝の、昼には昼の、夜には夜のメリットがあり、ウォーキングをする目的によってそのメリットを活かして行うと良い結果が出てきます。
そこで、朝、昼、夜の3パターンにわけてどんなメリットがあり、どんな人にお勧めなのか、またその注意点について述べてみたいと思います。

朝のウォーキング
呼吸や消化吸収、体温維持など生きているだけで消費されるエネルギー代謝を基礎代謝といいますが、このエネルギー消費の約4割が筋肉によるものです。ウォーキングで足腰の筋肉を鍛えて消費エネルギーを大きくしてあげれば基礎代謝が増え、肥満防止に役立つことは以前にも述べました。そして、体温の約4割も筋肉の熱によって発生しています。
朝の起床直後、体温が低い状態では筋肉自体の温度も低いので動きが鈍く、ウォーキングのメリットが得られないかといえばそうではありません。ウォーキングにより体温が上がるペースがアップして午前中から活動的になれるのです。
また、朝の光をたっぷり浴びることが脳の視床下部にある体内時計をリセットしてくれるのです。
したがいまして、午前中に身体がだるいとか、仕事に集中できないといった人にお勧めします。
注意点として、ウォーキング前に水分を摂る、寝不足の時には無理をしない、寒さ対策を万全にする必要があります。
昼のウォーキング
仕事をお持ちの人は昼のウォーキングは時間的なものがありできないと思いますが、休日には実行して欲しい時間帯です。体温がピークを迎え、昼食の消化吸収が終わりエネルギーが利用されやすい3時くらいが身体作りの効率を上げる時間帯です。
したがいまして、ダイエット目的など身体をすっきりさせたい人にお勧めします。
注意点として、夏場は水分の補充と熱中症対策が必要です。
夜のウォーキング
夜の7時~8時というと高めの体温が維持されており、筋肉の温度も高く思い通りに動いてくれる時間帯です。この時にしっかりウォーキングを行うことで、身体作りの効果が最も得られやすい時間帯です。
したがいまして、なりたい身体のイメージがはっきりしている人にお勧めします。また、夜眠りにつきにくい人にもお勧めします。
注意点として、ウォーキング前には軽く食事を摂ること、就寝時間の2~3時間前には運動は終了する、過剰な運動はかえって眠れなくなります。
おわりに
関取の朝稽古は朝の8時から、箱根駅伝のスタートも朝8時からというように1日を快適にスタートダッシュするには朝のウォーキングがいいです。朝のさわやかな空気の中でのウォーキングは気分がいいです。
ウォーキングを朝にするか、昼、又は夜にするかはその人のライフスタイルによって決まってきますので、無理にその時間にするというよりも、やりやすい時間に行っていただいた方が長続きすると思います。
東洋医学研究所®所長の黒野保三先生が平成26年のコラム「健康長寿の秘訣」において、ウォーキングは初めは15分から、そして5分単位で徐々に時間を増やしていくと書いておられるように、決して無理をしてはいけません。
そして、歩く時間帯によって効果が少し違うということを知っていただき、健康維持を目的に楽しいウォーキングライフをお送り下さい。
投稿者:
2015.01.03更新
コラム紹介 健康長寿の秘訣
東洋医学研究所®所長で、私の師匠である黒野保三先生の書かれたコラムを紹介させて頂きます。
健康長寿の秘訣
東洋医学研究所® 所長 黒野保三 先生
新年明けましておめでと うございます。 皆さん幸せですか。
人生 は心豊かに明るく幸せでな くてはなりません。
人生、 幸せと感じる人は、あまり 人に迷惑をかけないと思い ます。
現代日本では、百才を超 える研究が始まっており、4人に一人が65才以上 という超高齢社会となって おります。
上杉謙信も織田信長も49才で旅立っており、 『平敦盛』では「人生50年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり」と詠って おります。
現代では、今や100才の時 を迎えようとしており、100 才は当たり前の時代になっ てきました。1000人規模の100才以上の人 の聞き取り調査から、これ までの常識が覆り始めており、「老年的超越」から豊 かな生活が始まっており、 加齢に伴って幸福感は高まっ ております。
最近の研究から100才の世 界がわかってきたのが世界 の処方箋であります。
老い て家族に迷惑をかけたくな い「ピンピンコロリ」を望 む人が増えてきました。
これは年を重ねていくう ちに身体の機能や体力の衰 えが進み、自立した生活が できなくなってくるからで す。
日本の平均寿命は男女共 増え続け、男性は80才を 超え女性は86才になっ てきました。
しかし、平均 寿命は長くなるにつれて日 常生活ができなくなってき ております。
健康寿命を延 ばすことが課題となってき ています。 ここ数年、百才以上の高 齢者は年に3000人から4000 人と増えており、1963年の調査では153人で ありましたが、現代では60000人に迫ってきております。
今、百寿の人が健康で長 生きをする研究が進んでき ており、健康で長生きの鍵 は何か、身体の能力が衰え る中でどのような心理状態 が起きるのかを理解してい かなければなりません。
いずれにせよ、人は健康 で長生きしたいと望むもの であります。
これを実現さ せることはすべて自己管理によるものと、先祖の遺産 によるもので、感謝の心と 自分の努力によるもの以外 何物でもありません。
ぜひ、日常生活の規律で ある「早寝・早起き・朝ごはん・散歩」をお勧め致し ます。 週2回の鍼治療を受療し、 「病気にならない体をつく りましょう。長生きできる 体をつくりましょう。」を提言致します。
投稿者:
2014.12.03更新
鍼治療と超音波治療1
その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。
今回は平成26年12月1日に発刊された第43刊けんこう新聞から、「鍼治療と超音波治療1」です。
東洋医学研究所®の治療には、もう一つ特徴があります。それは、鍼治療と超音波治療の併用です。
ではどのように、超音波治療が使用されるようになっていったのでしょうか?
超音波を治療で使っている根拠は、黒野保三所長が昭和48年に発表した論文にあります。超音波治療の最初は、痛みをとる鎮痛作用を目的に行われました。
どのようなことを報告したかといいますと、まずは調査研究をしました。
対象者の1 6 4 9 名に医師の診断を受けてもらい、その後、鍼と超音波の併用治療を1クール7 回として行い、1~ 2 クールごとに医師の診察を受けて判定してもらいました。
その診察結果を5段階( 著効、有効、比較的有効、やや有効、無効)にわけ、疾患ごとに集計しました。5段階の評価は以下のように定めました。
「著効」とは1 ~ 7 回の治療で訴えの大部分が消失し14回以内の治療で完全に治癒したもの、「有効」とは14回以内の治療で訴えの大部分が消失し21回以内の治療で全治したもの、「比較的有効」とは治療により症状は軽減するが治療を中止すれば戻りやすいもの、及び症状の範囲は縮小するが一部に症状が残るもの、「やや有効」とは症状がわずかに軽減するもの、「無効」とは21回以上の治療で治療前となんら変化のないものとしました。
結果です。著効を示した上位10番目まで紹介しますと、① 腰痛症(85%) 、② 落枕( ねちがい) (80%)、③ 頚肩腕症候群(79% )、④ 肩凝り症(77% ) 、⑤ 肋間神経痛(67% ) 、⑥ 胃腸疾患(66%) 、⑦ 坐骨神経痛(65%)、⑧リウマチ性疼痛(63%)、⑨ 上腕神経痛( 62 % )、⑩ 背痛症(60%)となりました。非常に高い有効率でありました。鍼治療と超音波は併用することによって高い治療効果をあげることが推測されます。
次回も結果について考察します。
投稿者:
2014.12.02更新
ドライテクニックについて
今回は、「ドライテクニック」と題して東洋医学研究所®外部主任の中村覚先生のお話を紹介させて頂きます。
はじめに
これまでの私のコラムで は、皮膚やかゆみについて お話させて頂きました。ア トピー性皮膚炎や老人性乾 皮症によるかゆみ、ストレ スによるかゆみ、人工透析 患者さんのかゆみ。そして、 かゆみによって皮膚をひっ かき、皮膚のバリア機能を 壊してしまうことによって 更なるかゆみを引き起こす、 かゆみの悪循環があります。 その悪循環から脱するひと つの方法としてのスキンケ アについては、平成 19 年 7 月号コラム「スキンケア」 でお話をさせて頂きました。 今回は、新生児のスキン ケアである「ドライテクニッ ク」についてお話させて頂 きます。
ドライテクニックって?
ドライテクニックという 言葉を聞いて「知ってる!」という方は、最近身近に出 産された方がいるか、新聞 をしっかり読んでる方だと 思います。というのも、平 成 26 年 9 月 2 日中日新聞朝 刊に『赤ちゃんに「ドライ テクニック」胎脂を残して 皮膚保湿』と題して大きく 記事が掲載されていたから です。 私がドライテクニックを 知っていたのは、2年前に 娘が産まれたときにお世話 になった産婦人科でドライ テクニックが行われていた からで、記事のほうは、新 聞をしっかり読んでいる患 者さんから教えて頂きまし た。 ドライテクニックとは、 産まれたばかりの赤ちゃん を産湯に入れず、生後5日 目頃から体を洗い始めると いうスキンケアの方法です。 出産直後の赤ちゃんは、皮 膚を保護する胎脂が体についているので、なるべく胎 脂をはがさずに生活するこ とになります。生後すぐに 湯につかることによる体力 の消耗を避け、湿疹などの 皮膚トラブルも少なくなり ます。
ドライテクニックで皮 膚トラブルが激減
「胎脂は天然の保湿クリー ム」といわれ、胎脂を残す ことによって肌のきめが良 くなり、へその部分も化膿 しにくくなったようです。 生後すぐに沐浴していた頃 は、肌のかさつきや白い膿 を伴った新生児中毒疹など のトラブルが頻発していた とのことです。 私がお世話になった産婦人 科でも、ドライテクニック 導入前は、毎日新生児約 20 人を沐浴させ、皮膚トラブ ルを避けるため、全身にロー ションを丁寧に塗っていた が、それでも湿疹が起こり、薬を使うこともしばしばあ り、助産師や看護師の仕事 量は膨大だったようです。 ドライテクニックを導入後 は、沐浴なし、丁寧なロー ション塗りなし、皮膚トラ ブル激減となり、これまで の業務の手間が大幅に省か れた分、赤ちゃんの成長と 母親を支える仕事に専念で きるようになったそうです。 産まれたばかりの赤ちゃん は皮膚も弱く、外気にさら されることにも慣れていな いため、かなりのストレス を受けています。そんな中、 あまり手を加えずに、静か に過ごすことが、赤ちゃん の負担を軽くすることにな ると思います。ドライテク ニックは、生後すぐの赤ちゃ んに負担をかけないことに もつながっています。
「アトピー性皮膚炎保湿剤 で乳児の発症率3割減少」
平成 26 年 10 月 1 日毎日新聞 に上記のタイトルで記事が 掲載されました。 乳児に保湿剤を毎日、約 8カ月間塗ることでアトピー 性皮膚炎の発症率を3割減 らせたと、国立成育医療研 究センター(東京都世田谷 区)のチームが発表しまし た。保湿剤に予防効果があ ることを示したのは世界で初めてです。チームは20 10年から約3年間、両親 や兄弟にアトピー性皮膚炎 の患者や経験者がいる乳児 118人を、①1日1回以 上、入浴後などに保湿剤を 全身に塗るグループ②特別 なスキンケアをしないグルー プに分け比較したところ、 保湿剤を塗ったグループの アトピー性皮膚炎発症率は、 特別なスキンケアをしなかっ たグループと比べ、 32 %減 ることが分かりました。 アトピー性皮膚炎は一度 発症すると完治が難しい疾 患といわれていますので、 まずは発症させないことが 大切です。 また、アトピー性皮膚炎 のある乳児は、食物アレル ギーを持っていることが多 く、アトピー性皮膚炎発症 予防は食物アレルギー発症 予防にもつながります。産 まれてすぐからスキンケアをすることの重要性がはっ きりした報告だと思います。 現在、日本では、3人に1 人はなんらかのアレルギー を有しているといわれてお り、アレルギー児は増加し 続けてますが、今回の発表 が少しでもアレルギー児増 加の歯止めになることを願っ ています。
おわりに
ドライテクニックは19 70年代に米国小児科学会 が感染症を減らすために提 唱した方法ですが、日本で の普及はまだ進んでいない ようです。その背景には、 日本では、産まれてすぐ産 湯につけることが、穢れを 払い、鎮守の神の守りを受 けるなどの儀式的・文化的 意味や、見た目の清潔感な どがあるようです。私がお世話になった産婦人科では 2012年からドライテク ニックを導入していますが、 地元の他の産婦人科ではま だ行っていません。記事に よると国内では関東圏を中 心にドライテクニックを導 入する医療機関が増えてい るとのことです。 乳児の湿疹の鍼治療は、 臨床の現場でよく経験しま す。乳児などの子供は、敏感で反応もよく、比較的早 期に改善されることが多い と思います。また、成人・ 高齢者においても、鍼治療 をすることによって身体が 元気になり、肌の色・艶・ 肌理(きめ)・張りも良く なります。 これから、乾燥する季節 になりますので、乾燥肌に ならないように鍼治療でス キンケアしましょう。
投稿者:
2014.11.07更新
心拍のゆらぎは自律神経にあり―心拍変動と自律神経―
今回は、心拍のゆらぎは自律神経にあり―心拍変動と自律神経― と題して東洋医学研究所®グループ二葉鍼灸院の山田篤先生のお話を紹介させて頂きます。
心拍のゆらぎは自律神経にあり
―心拍変動と自律神経―
東洋医学研究所Ⓡグループ二葉鍼灸院
院長山田篤
はじめに
心臓自律神経の活動の捉え方に、心拍のゆらぎから解析する方法があります。
私たちは師匠の黒野保三先生の発案により、この解析方法を利用して、鍼刺激により心臓自律神経がどのように反応するのかを研究してきました。
この「ゆらぎ」の意味は、「ある量の平均値は巨視的には一定であっても、微視的には平均値と小さなずれがあること。」で、万物は一定の動きをしているようにみえても、実は不規則な変化を絶えずしています。
「ゆらぎ」の理由として、
(1)ゆらいでいるからこそ安定傾向になれる。
(2)急な変化に対応するため。
(3)万物が進化、発展するため。
を例を挙げて、そもそもなぜ「万物はゆらいでいるのか」は、大まかに言えば「融通を利かすため」ということを以前のコラムでお
話ししました。
人も一定の状態に維持するシステムがあるのですが、このシステムも万物同様ゆらぎにより成り立っています。
今回は、人のゆらぎのシステムに大いに関係している「ゆらぎと自律神経」を、心臓を例にしてお話します。
ゆらぎと自律神経
無意識に人の身体の各種機能をコントロールするのは自律神経系によるもので、自律神経系には交感神経と副交感神経があります。基本的に交感神経は機能亢進、副交感神経は機能抑制に働き、この二つの神経により各種機能が制御されています。
この交感神経と副交感神経、どちらかがオンとオフということではなく、常に両方が働いています。平常時には一定の状態を維持する(恒常性)ために働いていますが、働き方は常に一定ではなく、双方がそれぞれ微妙に亢進したり抑制したりして、わずかにゆらぎながら維持しています。
心臓と自律神経
安静時の心臓の拍動(心拍)は一律のように感じますが、一拍と一拍との間隔(心拍間隔)は毎回わずかに速くなったり遅くなったりしています。
心拍間隔は自律神経の影響を受けており、交感神経が亢進すると心拍間隔は短く(心拍数が速く)なり、副交感神経が亢進すると心拍間隔は長く(心拍数が遅く)なります。例えるなら、車のアクセルとブレーキの関係に似ています。速度が速ければブレーキを踏み、遅ければアクセルを踏む。心拍も同じで、速すぎないように、遅すぎないように、常に自律神経が働いており、わずかにゆらぎながら恒常性を維持しています(心拍のゆらぎ)。
おわりに
自律神経は、以前は人の意志が全く入らないものと考えられてきましたが、最近、鍼灸などの物理的な刺激や呼吸によってコントロールされることが分かってきました。
心拍のゆらぎを解析することは心臓自律神経の活動を評価することになります。黒野先生は、鍼治療が何故効果があるのか?摩訶不思議なことが起きるのか?その機序の一つであろう自律神経の制御について以前から着目し、心拍のゆらぎの解析を用いて、鍼刺激における心臓自律神経の評価について報告されており、今後も研究が進んでいくものと思われます。
次回は、心拍のゆらぎをどのようにすると心臓自律神経の活動がわかるのか?についてのお話しをしたいと思います。
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