井島鍼灸院ブログ

2025.12.08更新

 

過敏性腸症候群に対する鍼治療の一症例

こんにちは。井島鍼灸院です。

今回は、過敏性腸症候群に対する鍼治療の1症例をご紹介します。
命に関わることはありませんが、症状が長く続くと、生活の質(QOL)を大きく下げてしまう病気です。

◆過敏性腸症候群ってどんな病気?

過敏性腸症候群は、炎症や腫瘍のような器質的な異常はないのに、

  • お腹が痛くなる
  • お腹が張る
  • 便秘や下痢

といった症状が長く続く病気です。

命に関わることはほとんどありませんが、学校や仕事に集中できなくなったり、生活に支障が出たりします。特に思春期の若者に多く、ストレスが症状を悪化させることも知られています。

◆今回の患者さん

進学校に通う高校2年生の男子。
大学受験が近づくにつれ少しずつプレッシャーを感じるようになりました。

その頃から便秘気味になり、お腹にガスがたまるようになったそうです。
ときにはガスが漏れたり、お腹が鳴ってしまうこともあり、人に話すのが恥ずかしく、朝ごはんや昼食を減らしたり、ヨーグルトを食べたりと自分で工夫していました。

しかし高校3年生の新学期を迎えるころには、授業中にお腹が痛くなり、
「また鳴るかもしれない」と思うと胸がドキドキして汗が止まらなくなるように。
6月ごろには教室で座っているだけでもつらくなり、両親に相談。病院で「過敏性腸症候群」と診断を受けました。

薬を飲んでも改善せず、複数の病院を回って薬を変えても症状は安定せず。
学校に行こうとすると胸が締めつけられるように苦しくなり、体が動かなくなる日もありました。
心療内科で安定剤を処方されましたが、服用に抵抗があり通院は続けられませんでした。

担任の先生に相談して席を一番後ろに変えてもらったものの、6月の終わりには学校に行けない状態に。それでも「このままでは終わりたくない」と家で勉強を続けながら、少しでも体を整えたいと願っていました。

◆鍼治療を受けるきっかけ

そんなとき、インターネットで鍼灸のことを知り、「これなら何か変えられるかもしれない」と希望を感じ、勇気を出して井島鍼灸院に来院されました。

◆初診時の所見

初診時、患者さんは「お腹にガスが溜まって漏れてしまう」「大きな音でお腹が鳴る」といった悩みを抱えていました。
授業中もお腹の張りや痛みが気になり、常に緊張した状態が続いていました。

体の状態を確認すると、お腹全体が硬く、背中や首のあたりにも強い張りがありました。
顔色も少し黄色みがかり、体全体のエネルギーが消耗している印象でした。

症状のつらさを示すために「NRS」という方法を使用。
0を「まったく症状がない」、10を「これまでで一番つらい状態」として自己評価してもらうものです。
今回の患者さんは「9」と回答。日常生活にも大きな支障が出るほど苦しい状態でした。

◆鍼治療の方針

井島鍼灸院では、次の2つを目標に治療しました。

① 生体制御療法

黒野式全身調整基本穴13カ所を刺激し、体のバランスを整え、自律神経や消化管の働きを安定させます。

② 局所療法

お腹の症状を和らげるツボ(合谷、百会、膻中)に鍼を行います。
筋膜への刺激は軽めにして、体に負担をかけないようにしました。

生活面では、早寝早起きで生活リズムを整える、脂っこいものや刺激物を控える、といったアドバイスも行いました。

◆治療経過

治療は夏休み期間を中心に43回行いました。

  • 8回目 → NRS 7:症状の回数が少し減少
  • 15回目 → NRS 6:お腹の不快感がさらに楽に
  • 22回目 → NRS 5:症状は半分くらいに減るが、学校復帰はまだ難しい
  • 40回目 → NRS 4:自習室で学習を続けながら卒業可能とわかり、精神的にも安定

治療を重ねるうちに、お腹の張りや緊張がやわらぎ、顔の表情にも落ち着きが戻りました。

最終43回目の治療では、腹痛はすっかり消え、お腹のガスや音も以前の半分以下に改善。食欲も戻り、体力も回復しました。
現在では、笑顔で日々を過ごせるようになっています。

◆考察

過敏性腸症候群は、腹痛やお腹の張り、便秘や下痢などの症状が続く病気です。
命に関わることはほとんどありませんが、症状が長引くと日常生活に大きな影響を与えます。

ストレスや不安などで体の調整機能が乱れると症状が悪化します。
症状は便秘型、下痢型、混合型などに分かれます。原因としては以下が考えられています。

  • 腸の動きがうまくいかないこと
  • 腸が刺激に敏感になっていること
  • 緊張や不安など心理的ストレス
  • 食べ物に対する体の反応の異常

今回の患者さんは、大学受験のストレスが大きな原因でした。
お腹にガスが溜まる、お腹から大きな音が出るという症状があると、授業中に緊張してさらに症状が出る。
その結果、動悸や発汗などの緊張による体の反応まで起こっていました。

悪循環を断つために、体全体のバランスを整える根本治療と、お腹の症状を直接改善する局所治療を組み合わせました。その結果、初診時9だった症状が最終的には4まで改善。薬もほとんど使わず、鍼治療だけで改善した可能性が高いと考えられます。

過敏性腸症候群は腸だけでなく、脳や神経系も関わる病気です。鍼治療によって体全体のバランスが整うと、腸の動きが安定し、緊張や不安も和らぎ、自律神経の働きも改善。症状を悪化させる複数の要素が改善されると考えられます。

病院では決定的な治療法がなく、薬を順番に試すしかありません。その点、鍼治療は副作用も少なく、安全に症状を和らげる方法として注目されています。

今回の症例は、学校に通えないほどの状態から症状が大幅に軽減し、卒業の見通しが立つまで回復。過敏性腸症候群の患者に鍼治療が有益となり得る可能性を示す症例の一つです。

すべての症例が劇的に改善するわけではありませんが、長年の経験や国内外の研究論文からも、過敏性腸症候群に対して鍼治療は有効だと考えられます。
今回の症例報告が、同じような症状で悩む方の参考になれば幸いです。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.12.04更新

  

突発性難聴からの回復──警察官試験に合格した一例

こんにちは。井島鍼灸院です。

今回は、突発性難聴に悩んだ若い男性が、鍼治療をきっかけに聴力を取り戻し、夢だった警察官試験に合格した、ひとつの症例をご紹介します。

◆ある朝、突然の異変

ある朝。目を覚ますと、左耳の聞こえが、まったく違っていました。

耳鳴りがして、耳が詰まったような感覚。さらに、特定の音が響いて、苦痛を感じます。

翌日、慌てて耳鼻科を受診。診断は「突発性難聴」。

ステロイド点滴やビタミン剤の治療が始まりましたが、症状は一向に改善せず、通院先を変えても結果は同じでした。

高音が70デシベル以上でないと聞こえない。耳鳴りは消えず、耳の詰まりや響きもそのまま。

医師から「改善の見込みはない」と告げられ、治療をあきらめざるを得ませんでした。

聴力が条件に満たず、警察官試験を受ける資格すら失われたのです。

◆一年半後、再び見えた希望

それから一年半後。夢をあきらめきれなかった彼は、当院の鍼治療を知り、希望を託して来院されました。

初診時、左耳の難聴、耳鳴り、耳の詰まりに加え、手足の冷え、首や肩の張りも強く、全身の血流が滞っている状態でした。

◆治療内容

そこで行ったのが、体全体を整える「生体制御療法」と、耳まわりの「局所治療」です。

全身十三カ所のツボを使い、バランスを整えながら、耳の周囲では、角孫、耳門、聴宮、聴会、翳風などのツボに鍼を行いました。

治療は、週二回、約二か月間。

◆回復の経過

五回目で、手足の冷えが少し軽くなり、八回目には、耳の響きが和らぎ始めました。

十二回目、左耳の詰まりが減り、十五回目には、聴力が四十デシベルに改善。

そして十七回目──聴力検査で、左耳が正常範囲(25デシベル)に回復しました。

耳鳴りも、寝る前に軽く残る程度。顔色や体の冷えも改善し、全身の血流が整いました。

◆夢の実現

その後、彼は警察官試験に挑戦。見事、合格されました。

発症から一年半という難治例での改善は、非常に貴重なケースです。

◆鍼治療の可能性

もちろん、すべての方が同じように回復するわけではありません。ですが、最新の研究でも、鍼治療を取り入れたグループは、聴力の改善率が約15%高くなることが報告されています。

鍼治療は、突発性難聴に対しても、体の内側から回復を助ける、有効な手段のひとつです。

今回の症例が、同じ症状で悩む方の希望になれば幸いです。

◆井島鍼灸院の取り組み

井島鍼灸院では、一人ひとりの体質に合わせた施術で、つらい症状の根本改善を目指しています。

お気軽にご相談ください。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.12.01更新

新年馬

いつもご利用いただき、心より感謝しております。

年末は12月30日(火)まで営業します。

12/31から1/4までお正月休み

新年は1月5日(月)から元気いっぱいでスタートいたします。どうぞよろしくお願いいたします!

投稿者: 井島鍼灸院

2025.11.29更新

  

体温調節の乱れ ― 原因不明の不調が鍼治療で改善した症例

暑い夏の日なのになぜか寒くて、

服を何枚も重ね着してしまう…。
逆に、少し動くと急に汗が噴き出して止まらない。
体温のコントロールがうまくできない。

病院で検査をしても「原因がわからない」と言われてしまう。
もし、あなたが同じような悩みをお持ちなら、
今日のお話を、ぜひ最後まで聞いてください。

◆ 師匠・黒野保三先生の治療記録

これは、私が修行時代に、師匠・黒野保三先生の治療症例を
学会で発表させていただいた時の記録です。

今回の患者さんは60代の男性。
20年ほど前に結核を患い、治ってからなんとなく体温の調節に違和感を感じていたそうです。

当時は仕事が忙しく、症状も軽かったため、そのままにしていました。
ところが、60歳で定年を迎えたあと、生活リズムががらりと変わりました。
その環境の変化がストレスとなり、体温調節の乱れが一気に悪化していったと考えられます。

◆ まるで体温のスイッチが壊れたように

真夏の30度を超える日でも「寒い」と感じる。
服を4枚重ねてもまだ冷える。
でも着込みすぎると、今度は急に汗がドッと出てしまう。
まるで体温のスイッチが壊れたようだとおっしゃっていました。

夜もつらい。布団をかけても背中がゾクゾクして寒く、寝汗でシーツがびっしょり。
手足はいつも冷たく、食欲もなく、朝は特に食べられない。
気づけば2年間で6キロも体重が減ってしまっていました。

そして何よりつらかったのは心の苦しみです。
2年間で7~8件の病院を回っても、どこでも「原因不明」。
「自分の体に、一体何が起きているんだろう…」
不安と孤独がつのり、精神的にも限界に近い状態でした。

◆ 体温調節と自律神経の関係

ここで少し、体温調節の仕組みを説明します。

私たちの体温は、脳の「視床下部」が自律神経を通じて、
血管や汗腺、筋肉などに指令を出し、一定に保っています。

しかしこの自律神経は、環境の変化や心理的な負担がかかると、
バランスが崩れ、コントロールがうまくいかなくなります。

この患者さんの場合、定年という環境変化が引き金になり、
自律神経の乱れが体温の不調として現れたと考えました。

◆ 治療の方針と取り組み

治療は急激な変化を狙わず、じっくり整える長期戦。
黒野式全身調整基本穴を使い、刺激は軽めに。
週2回のペースで治療を進めました。

さらに、乾布摩擦で皮膚を刺激し、自律神経を整えるよう促しました。
また、体温の記録を取り、体調を数字で「見える化」するようにしました。

小さな変化でも「前より良くなっている」と感じられることが、
回復への大きな力になります。

◆ 改善の経過

1ヶ月後、まだ寒さはありましたが、手足の冷えがやわらぎました。
1ヶ月半後には「少し楽になってきた」と笑顔が見られるように。
2ヶ月を過ぎるころには、朝ごはんが食べられるようになり、
冷えや寝汗も軽減。夜もぐっすり眠れるようになりました。

3ヶ月を迎えるころには、体温の変動が小さくなり、全身の調子が整ってきました。

◆ まとめ

鍼治療は、自律神経を調整し、体の自然治癒力を引き出す治療です。

今回の症例が、同じように体温の乱れや自律神経の不調でお悩みの方にとって、
希望を持つきっかけになれば幸いです。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.11.26更新

 

養生訓 ― 三百年前の日本が教える「健康長寿の極意」

こんにちは、井島鍼灸院です。

古の日本に、いまなお輝きを放つ健康長寿の最強メソッドが記されていたのを知っていますか?

今日は、今からおよそ三百年前。
江戸時代に書かれた、日本最古の健康本とも言われる『養生訓』をご紹介します。

◆ 貝原益軒先生とは

著者は、儒学者であり、本草学者でもあった貝原益軒先生。
なんと八十五歳まで、元気に生きた人物です。
まさに健康長寿の達人でした。

◆ 養生訓とは

養生訓は、健康と長寿のための生活ガイドブック。
全八巻にわたって、体だけでなく、心のあり方にも深く触れています。

たとえば――

  • 儒教的な思想と、養生の意義や心身の在り方の基本を伝える「総論」
  • 控えめな食事、飲酒・喫煙・性欲の節度を教える「飲食の章」
  • 耳・目・口・鼻などの衛生管理、口腔衛生の重要性を説く「五官の章」
  • 病気を防ぐための心得と、医者の選び方をまとめた「慎病」
  • 薬の効能と害、使用法の心得にも触れる「用薬」
  • 高齢者や子どものケアや鍼灸法を説いた「養老」

どの章も、今聞いても驚くほど現代的な内容です。

◆ 益軒先生の考え方

益軒先生はこう言っています。
「自分の身体は父母から授かり、自分の子孫へと受け継ぐもの。だから慎み、感謝して使うべきだ」と。

つまり、健康とは“自分を大切に扱う生き方”そのものなんです。

欲望のままに生きるのではなく、節度を守り、感謝を忘れず。
天命を受け入れながら、穏やかに生きること。

具体的には、
バランスのとれた食事、良質な睡眠、適度な運動、
そして心の安定(ストレスを避け、喜びを持つこと)が重要とされます。

その積み重ねこそが、長寿につながる。
そう説いています。

◆ 現代に通じる養生の知恵

実はこの教え、今の私たちにもピッタリなんです。

  • 夜更かしせず、早寝早起きを心がけること
  • 暴飲暴食を避け、旬の食材を楽しむこと
  • ストレスを溜めず、日々の中に喜びを見つけること
  • 清潔を保ち、体を冷やさないこと

まるで現代の健康法や予防医学そのものですね。

冷えを避けて体を温める。
適度に動き、怠けすぎない。
まさに、鍼灸の考え方とも深く通じています。

◆ 健康長寿の秘密

当時の平均寿命は四十歳にも満たなかった時代。
そんな中で、貝原益軒先生は八十五歳まで、寝たきりにもならず、元気に生涯を終えました。

その秘密こそ、養生訓に書かれた、心と体を整える生活の知恵だったのです。

◆ 三百年前からのメッセージ

養生訓は、ただの古い健康書ではありません。
日々の食事や休息、そして心の持ち方を見直すための、
生き方の教科書なんです。

三百年前から受け継がれる、日本の知恵。
忙しい現代だからこそ、ゆっくりと、
自分の体と心に、耳を傾けてみませんか?

「穏やかに、感謝とともに生きる」――
それが、貝原益軒先生が伝えた真の養生です。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.11.23更新

 

 

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# 朝、最初の一歩がズキッと痛い…その原因は?

「朝、最初の一歩がズキッと痛い」
「長く立っているとかかとがジンジンする」
そんな足の裏の痛みはありませんか?

その原因の多くは **足底腱膜** という場所にあります。

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## 足底腱膜とは?

足底腱膜は、かかとから足指のつけ根までピンと張っている、強くて分厚い膜。
歩くたびにバネのように伸び縮みしながら衝撃を吸収し、**土踏まずの形を保つ重要な組織** です。

ところが、長時間の立ち仕事や運動で負担がかかりすぎると、
かかとや親指のつけ根のあたりに痛みが出てしまいます。
これが **「足底腱膜炎」** です。

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# 最新研究でわかった!本当の原因とは?

これまで足底腱膜炎といえば
「炎症で腱膜が硬くなる」と考えられてきました。

しかし最新の超音波検査を使った研究では、なんと **逆のこと** が分かってきたのです。

### ▶ 実際には「硬くなる」のではなく、柔らかくなる

つまり、腱膜の **軟化** が起こっているのです。

この研究では「**超音波剪断波エラストグラフィー**」という特殊な装置を使用し、
足底腱膜の硬さを測定しました。

その結果、足底腱膜炎の方では **かかとの骨に付着する部分の弾性が健康な人より低下** していることが確認されました。

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## 朝の第一歩が痛い理由

足裏の組織が柔らかく(プヨプヨに)なって衝撃を吸収できず、
**かかとの骨に直接負荷がかかる**
これが「朝の第一歩で痛い」症状の正体です。

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# なぜ腱膜が軟化するのか?

足底腱膜は歩くたびに衝撃を吸収するため、かかとと足指のつけ根の間でピンと張り、クッションのように働きます。

しかし繰り返しの負荷によって、腱膜の中に **微小損傷** が発生します。
最初は自然に修復されますが、足底腱膜は血流が少ないため回復が追いつきません。

そのまま損傷が積み重なると、

* コラーゲン線維が乱れる
* 強さやしなやかさが失われる
* 組織が変性し、弾力がなくなる(軟化)

という状態に陥ります。

さらに、軟化した腱膜では
**痛みのもとになる物質が過剰に出てしまうこと** も確認されています。

つまり…

### 「炎症で腫れて痛い」のではなく

### 「弱った腱膜が負担に耐えられない」

という状態です。

イメージするなら、
**使いすぎて伸びきってしまったゴムのような状態**。
これが足底腱膜炎の痛みの本質です。

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# では、どうすれば改善できるのか?

大切なのは、
**弱くなった腱膜をどう元気にするか**。

鍼治療では、損傷した腱膜付近の血流を改善し、修復を促します。
組織が再生すれば弾力と強さを取り戻し、
痛みの原因そのものが解消されていきます。

根本から **しなやかで強い足裏** を取り戻すアプローチです。

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## 朝の一歩が軽くなる未来へ

朝の一歩が軽くなる。
歩くことがまた楽しくなる。

そんな未来をあなたの足にも取り戻しましょう。

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# 井島鍼灸院の施術

井島鍼灸院では、
一人ひとりの体質や状態に合わせた施術で、
つらい症状の **根本改善** を目指します。

足底腱膜炎でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.11.19更新

現場で最も選ばれているツボ「合谷」|井島鍼灸院

現場で最も選ばれているツボ「合谷(ごうこく)」

こんにちは、井島鍼灸院です。
今日は、「現場で最も選ばれているツボ」、合谷をご紹介します。

どんなツボなの?

合谷は、「手の陽明大腸経」という経絡に属しています。
この経絡は、人さし指の先から始まり、腕・肩・首を通って、顔、そして鼻までつながっています。
つまり、頭痛・歯痛・鼻づまり・目の疲れなど、顔や頭のトラブルにとても関係が深いんです。
さらに、大腸経は「肺経」とペアになって働くため、呼吸や消化、排泄といった体の基本的な働きにも影響を与えます。

場所はどこ?

場所は、手の甲側。
親指と人さし指をグッと広げたときにできるV字のくぼみ。
そのちょうど真ん中あたり――やや人さし指寄りにあります。
軽く押すと、ズーンと響く感じがある場所。
そこが「合谷」です。

名前の意味も深い!

まず、「合」という字。
これは、「あう」「交わる」といった意味を持っています。
古い文字では、三方向から人が集まって意見を交わす、つまり「心が通じ合う」「ひとつになる」というイメージを表していました。
また、“和らぐ”とか“応える”という意味も含まれていて、まるで、バラバラだったエネルギーが一つにまとまるような――そんな「調和の象徴」でもあるんです。

次に、「谷」。
この字は、山と山のあいだにある“くぼみ”を意味します。
そこには、水が湧き出て流れ込み、やがて川へとつながっていく――まさに「気や血が流れる道」。
古典では「肉の大いに会するところを谷という」とあり、つまり“体の中で、気血が集まる場所”ということ。

この2つの字を合わせた「合谷」。
「合」は“交わり、まとまる”
「谷」は“くぼみ、流れ、集まる”
つまり――
気と血が交わり、調和するくぼみ。
そして、親指と人さし指の骨が交わるくぼみにあります。
まさに名前の通りの場所なんです。
ちょっとロマンを感じませんか?

どんな効果があるの?

合谷は、体のバランスを整え、発汗をうながすツボです。
たとえば、
「風邪のひきはじめでゾクゾクする」
そんなとき、合谷を刺激すると、体が自然に汗をかき、熱や寒気を調整してくれます。

このツボは、頭や顔まわりの血流を整えるのが得意です。
たとえば、頭痛、顔のむくみ、目の充血、目の疲れやかすみ、耳鳴りや難聴、歯の痛み、のどの痛み、こうした症状にも、合谷が活躍します。

そして内臓の不調にも。
たとえば、お腹の痛みや下痢、月経が止まったり不順になったりしたときにも、体の内側の巡りを助けてくれるんです。
さらに、肩こりや腕の痛み、背中のこわばりにも効果的。

だからこそ、このツボは「万能のツボ」と呼ばれ、痛みをやわらげ、心を落ち着け、全身を整える力を持っているんですね。
実際の治療でも、合谷はとてもよく使われるツボです。
手のひらのすぐ近くに、これほど全身に影響するツボがあるなんて――ちょっとワクワクしませんか?

投稿者: 井島鍼灸院

2025.11.14更新

 高齢者の慢性腰痛に鍼治療が効果的|NIHの大規模研究より

高齢者の慢性腰痛に「鍼治療」が効果的|NIHの大規模研究より

慢性腰痛は、高齢者の生活を大きく制限するつらい症状です。薬に頼ることに不安を感じる方や、長く続く痛みに悩む方へ、最新の研究結果をやさしくご紹介します。

■ 高齢者の3人に1人が悩む“慢性腰痛”

慢性腰痛は世界中で日常生活の妨げとなる代表的な問題です。特に高齢者では、3人に1人以上が慢性腰痛を抱えていると報告されています。従来の治療(痛み止め、リハビリ、注射など)は効果が限定的で、副作用や依存性の心配もあります。

■ NIHが鍼治療の効果を本格検証

アメリカ国立衛生研究所(NIH)の資金支援による大規模研究「Back In Action」により、鍼治療が高齢者の慢性腰痛に与える効果が長期的に検討されました。研究は実際の臨床現場に近い形で行われ、信頼性の高いデータが得られています。

■ 800人参加の大規模臨床試験

研究には65歳以上の慢性腰痛患者800名が参加。参加者は以下の3グループに分けられ、3か月・6か月・12か月のタイミングで評価されました。

グループ構成

  • 通常の医療のみ
  • 通常医療+3か月で最大15回の鍼治療
  • 上記に追加してさらに3か月のメンテナンス鍼治療

■ 鍼治療を受けた人は“痛みと動き”が大きく改善

結果は明確でした。鍼治療を受けたグループは、6か月・12か月の時点で次の点が改善しています。

主な改善点

  • 痛みによる生活の制限(障害)が減少
  • 痛みの強さが軽くなった
  • 身体の動き(身体機能)が改善した
  • 不安症状が減った

薬のように一時的に効くのではなく、じわりと持続的に効果が現れる傾向が見られました。

■ 副作用がほとんどない、安心して続けられる治療法

研究期間中、重大な副作用はほとんど報告されませんでした。鍼治療は侵襲性が低く、複数の持病を抱える高齢者でも比較的安全に受けられる点が大きな利点です。

■ 高齢者に特化した貴重なエビデンス

これまでの多くの鍼研究は若年層を中心に行われてきました。65歳以上に特化した大規模試験は珍しく、今回の結果は「現実の臨床現場で役立つ」信頼できる証拠として重要です。

■ 米国では保険適用の議論も

研究者らは、鍼灸師が公的保険(メディケア)に直接請求できるようになれば、治療へのアクセスが大幅に改善すると指摘しています。日本でも高齢化が進む中で、薬に頼りすぎない安全な治療法として鍼の役割が注目されるでしょう。

■ まとめ:鍼治療は現実的で続けやすい選択肢

今回の研究のポイントをまとめます。

  • 鍼治療は高齢者の慢性腰痛に対して安全で効果的
  • 効果は長期にわたって持続する傾向がある
  • 痛みだけでなく、動きや不安の改善にもつながる
  • 副作用が少なく、持病がある方でも導入しやすい

慢性腰痛でお悩みの方は、薬に頼りすぎず、体にやさしい治療法も検討してみてください。当院でも鍼治療のご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.11.12更新

 

逆子の治療でよく使われるツボ「至陰(しいん)」のご紹介

今日は、逆子の治療でよく使われるツボ──至陰をご紹介します。
この動画を見ていただくと、

  • どうして足の小指のツボで逆子が回転するのか?
  • 至陰を使ったときの逆子の改善率はどれくらいか?
  • 当院の逆子の改善率を上げるための工夫

この3つがわかります。ぜひ最後までご覧ください。

◆ 至陰とはどんなツボ?

人の体には、「経絡(けいらく)」というエネルギーの通り道があります。
その中でも全身をめぐる膀胱経(ぼうこうけい)という流れがあり、
その終点が、この「至陰」です。

ここで陽のエネルギーが終わり、次の腎経(じんけい)という陰のエネルギーへと切り替わります。
つまり、体の中でも陰と陽が入れ替わる境目
それが、至陰なのです。

◆ 場所

足の小指の爪の外側の角。
爪の生え際から、ほんの2ミリほど外側にあります。

◆ 「至陰」という名前の意味

「至」という字には、「届く」「極める」という意味があります。
つまり、流れが目的地に到達するその終点をあらわしています。
一方の「陰」は、地の気──つまり大地のエネルギーを象徴します。
そしてこの世界のバランスを保つ、陰陽二つの力のうちのひとつです。

では「至陰」とは?
「至」は行き着く、「陰」は少陰(腎経)のこと。
膀胱経のエネルギーが体の末端であるこのツボに到達し、
ここから陰のエネルギーである腎経へとつながっていく。

まさに──
エネルギーのバトンが渡される場所。
それが「至陰」なんです。

◆ 逆子の治療での働き

至陰は、昔から逆子の治療で有名なツボです。
妊娠30週から34週ごろにお灸をして、
赤ちゃんが自然と頭を下に向けるよう促す方法として使われてきました。

今のところ、すべてのメカニズムが完全に解明されたわけではありません。
しかし、至陰への刺激によって

  • 子宮の緊張がゆるむ
  • 血流が増える
  • 胎動が活発になる

といった変化が起こり、赤ちゃんが自然に回転しやすい状態になることが分かってきています。

また東洋医学では、至陰は「膀胱経」という全身を巡る経絡の終点にあります。
この経絡は、子宮や生殖器のバランスを整えるルートでもあります。
その流れを整えることで「気」と「血」の巡りが良くなり、
赤ちゃんが自然と動きやすい状態になると考えられています。

◆ 逆子以外の効果

このツボの働きは、逆子の改善だけではありません。
至陰は体の巡りを整える力がとても強いツボです。

頭の熱を下げ、腰から下の冷えをあたため、
体の内と外、上と下をつなぐ重要なポイント。
風邪、頭痛、腰痛、婦人科の不調まで──まさに全身を結ぶツボです。

◆ 当院の逆子改善率を上げる工夫

冒頭の質問、「当院の逆子の改善率を上げるための工夫は?」にお答えします。

まず、お灸をする前に、赤ちゃんが回りやすい状態に整える癒やしの鍼を行います。
そのうえで、お灸の種類や回数、刺激の強さを何度も試しながら、
もっとも効果的な方法を見つけ出しました。

さらに、一人ひとりの体質やお腹の状態に合わせて、
細かく調整しながら施術を行っています。

その積み重ねの結果、
当院の逆子の改善率は90%以上となっています。

◆ まとめ

至陰は、体の巡りを正し、
お母さんと赤ちゃんの力を引き出す小さなスイッチ。
本当に頼りになるツボなんです。

投稿者: 井島鍼灸院

2025.11.09更新

寝違えの正体と原因

多くの人が一度は経験したことがある「寝違え」。

一般的には「変な寝姿勢のせい」と思われがちですが、実はそれだけではありません。

朝起きたら首が動かない!後ろを振り向こうとしただけで「ズキッ」と痛い…ときには肩甲骨や背中まで痛みが広がったり、腕や指先がしびれることさえあります。じっとしていても違和感が続くことがあり、本当にツラい症状です。

寝違えのメカニズム

  • 筋肉や関節包の血流不足:不自然な姿勢が長時間続くことで筋肉が酸素不足になり硬直します。
  • 筋緊張と微小な炎症:強い収縮や血流障害によって筋線維や周囲に細かな傷がつくことがあります(肉離れのような大きな損傷ではなく微小レベルです)。
  • 筋膜の滑走障害:筋膜がこわばって動きが悪くなり、首を動かしたときに引っかかるような痛みが出ます。

鍼治療が寝違えに効果的な理由

  • 局所の血液循環を促し、酸素や栄養を届きやすくすることで炎症の回復を早めます。
  • 鍼刺激によって筋肉がゆるみ、首や肩の動きがスムーズになります。
  • 脳内で痛みを和らげる物質が分泌され、鎮痛効果が期待できます。
  • 首だけでなく肩甲骨や背中、腕に関連するツボにも施術することで、痛みの広がりを抑えます。

寝違えを防ぐには

  • 首や肩を軽くストレッチしておく
  • 自分に合った枕や寝具を選ぶ
  • 首や肩を冷やさないようにする
  • ストレスをためず、筋肉の緊張を防ぐ

寝違えの初期対応

朝起きて首が痛いときは、まず冷やして安静にすることが大切です。10分程度を目安に、つらくなったら中止しましょう。

痛みが出てから48時間を過ぎたあたりからは、逆に温めて血流を良くすることで回復が早まりやすくなります。

まとめ

寝違えは血流・筋肉・姿勢・ストレス・生活習慣が複雑に絡み合って起こる現象です。そのため、日常生活や環境の工夫でしっかり予防できます。「寝違えなんてよくあること」と軽く見ず、体からのサインとして受け取ってあげましょう。

井島鍼灸院では、一人ひとりの体質や状態に合わせた施術で、つらい症状の根本改善を目指します。お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

投稿者: 井島鍼灸院

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