今日は、足の代表的なツボのひとつ三陰交をご紹介します。
三陰交は、足の内くるぶしの上にある有名なツボで、
婦人科の不調や冷え、むくみ、さらには消化器系のトラブルまで──幅広く効果が期待できる、
とても重要なツボです。
経絡と位置
三陰交は「足の太陰脾経」に属しますが、
その名の通り「脾経」「肝経」「腎経」という三つの陰の経絡が交わる場所にあります。
位置は、内くるぶしの上3寸、スネの骨の内側のきわ。
骨のふちをたどっていくと少し凹んだよ うに感じるところです。
ツボの名前の由来
まず「三」という字。
ただ3つという数を表すだけではありません。
古代中国の考え方では、三は「木」、つまり肝に関わる数字でもあり、
組み合わせる交わるといった意味も含まれているんです。
次に「陰)」。
これは太陽が当たらない側を表します。山の北側や川の南側のように、光が届きにくいところ。
さらに、夜、月、体の内側、五臓や深い部分を象徴する言葉でもあります。
そして「交)」。
これは交わる、会う、入り混じるという意味。
まさに何本もの流れがひとつの場所に集まる交差点をイメージすると分かりやすいですね。
では「三陰交」とはどういうことか?
それは──3つの陰の経絡が交わる場所という意味です。
具体的には、足の太陰脾経、少陰腎経、そして厥陰肝経。
この3つの経絡が集まって交わる場所だからこそ、「三陰交」と名付けられたんです。
つまり、このツボは体の中でも特別なエネルギーの交差点。
だからこそ婦人科の不調、冷えやむくみ、消化器や自律神経まで
──全身の幅広いトラブルに応用されてきたわけです。
ツボの名前には、ただの言葉ではなく、
古代の人たちが自然や宇宙をどう捉えていたのかという深い意味が込められています。
名前の由来を知ると、三陰交というツボがより神秘的で、ちょっとワクワクしてきませんか?
効果・適応症
三陰交は、とくに婦人科や生殖に関する不調に強いツボです。
たとえば、月経不順や生理中の出血トラブル、妊娠中の不安定な胎動や逆子(横産)など。
また、古典には「血暈して人事不省」という表現も見られます。
これは貧血や血の巡りが悪くて意識がもうろうとするような状態を指していて、
そういうときはツボを補って血流を盛んにする。
逆に、生理が止まってしまったり子宮に血が滞っている場合には、
瀉、(余分なものを取り除く刺激)で通じをよくする、と考えられていました。
婦人科だけではありません。
食欲不振、消化不良、胃酸過多、下痢やお腹の痛みなど、消化器系の不調にも効果が期待できます。
さらに、腎臓の病気や尿道炎、足のだるさや冷え、下肢の内側の痛み、湿気でお腹を下しやすい体質など──。
本当に幅広い症状に使われてきたんです。
つまり三陰交は、「女性の体調管理の要」であると同時に、「全身の巡りを調えるツボ」。
昔の人が大切にしてきた理由が、ここからもよくわかりますね。












