現場で最も選ばれているツボ「合谷」|井島鍼灸院
現場で最も選ばれているツボ「合谷(ごうこく)」
こんにちは、井島鍼灸院です。
今日は、「現場で最も選ばれているツボ」、合谷をご紹介します。
どんなツボなの?
合谷は、「手の陽明大腸経」という経絡に属しています。
この経絡は、人さし指の先から始まり、腕・肩・首を通って、顔、そして鼻までつながっています。
つまり、頭痛・歯痛・鼻づまり・目の疲れなど、顔や頭のトラブルにとても関係が深いんです。
さらに、大腸経は「肺経」とペアになって働くため、呼吸や消化、排泄といった体の基本的な働きにも影響を与えます。
場所はどこ?
場所は、手の甲側。
親指と人さし指をグッと広げたときにできるV字のくぼみ。
そのちょうど真ん中あたり――やや人さし指寄りにあります。
軽く押すと、ズーンと響く感じがある場所。
そこが「合谷」です。
名前の意味も深い!
まず、「合」という字。
これは、「あう」「交わる」といった意味を持っています。
古い文字では、三方向から人が集まって意見を交わす、つまり「心が通じ合う」「ひとつになる」というイメージを表していました。
また、“和らぐ”とか“応える”という意味も含まれていて、まるで、バラバラだったエネルギーが一つにまとまるような――そんな「調和の象徴」でもあるんです。
次に、「谷」。
この字は、山と山のあいだにある“くぼみ”を意味します。
そこには、水が湧き出て流れ込み、やがて川へとつながっていく――まさに「気や血が流れる道」。
古典では「肉の大いに会するところを谷という」とあり、つまり“体の中で、気血が集まる場所”ということ。
この2つの字を合わせた「合谷」。
「合」は“交わり、まとまる”
「谷」は“くぼみ、流れ、集まる”
つまり――
気と血が交わり、調和するくぼみ。
そして、親指と人さし指の骨が交わるくぼみにあります。
まさに名前の通りの場所なんです。
ちょっとロマンを感じませんか?
どんな効果があるの?
合谷は、体のバランスを整え、発汗をうながすツボです。
たとえば、
「風邪のひきはじめでゾクゾクする」
そんなとき、合谷を刺激すると、体が自然に汗をかき、熱や寒気を調整してくれます。
このツボは、頭や顔まわりの血流を整えるのが得意です。
たとえば、頭痛、顔のむくみ、目の充血、目の疲れやかすみ、耳鳴りや難聴、歯の痛み、のどの痛み、こうした症状にも、合谷が活躍します。
そして内臓の不調にも。
たとえば、お腹の痛みや下痢、月経が止まったり不順になったりしたときにも、体の内側の巡りを助けてくれるんです。
さらに、肩こりや腕の痛み、背中のこわばりにも効果的。
だからこそ、このツボは「万能のツボ」と呼ばれ、痛みをやわらげ、心を落ち着け、全身を整える力を持っているんですね。
実際の治療でも、合谷はとてもよく使われるツボです。
手のひらのすぐ近くに、これほど全身に影響するツボがあるなんて――ちょっとワクワクしませんか?













