井島鍼灸院ブログ

2026.02.27更新

 

めまいでお困りの方へ ― 鍼治療という選択肢

めまいでお困りの方へ ― 鍼治療という選択肢

「ぐるぐる回る」「ふわふわする」など、めまいは日常生活に大きな影響を与えます。
ここでは、めまいの種類と原因、そして当院での鍼治療(生体制御療法)の考え方をまとめました。

めまいには種類があります

回転性めまい

自分の身体や周囲がぐるぐる回っているように感じるめまいです。

  • 回転感(天井や景色が回る感じ)
  • 昇降感(エレベーターに乗っているような感じ)
  • 傾斜感(床が傾いて歩けない感じ)

回転性めまいは、内耳や前庭神経に関わる異常で起こることが多く、 代表的な原因としてメニエール病前庭神経炎突発性難聴などが挙げられます。

そのため、以下のような聴覚症状を伴うことがあります。

  • 難聴
  • 耳閉感
  • 耳鳴り

発症が急激な場合が多く、吐き気・嘔吐を伴うこともあります。

⚠ 注意が必要な症状

頭痛/手足のしびれ/麻痺/ろれつが回らない/意識がなくなる、などがある場合は、 脳の障害が関与している可能性もあります。
その際は早急に医療機関での評価が大切です。

浮動性めまい

回転性めまいと比べると、感覚が漠然としているタイプです。

  • 体がふわっとする感じ
  • 頭の中で何かが揺れ動く感じ
  • 体が不安定に感じる
  • 地面や床が揺れ動く感じ

内耳や前庭神経以外の中枢神経の異常、全身状態の変化、婦人科・神経内科領域の要因などで起こることがあります。 例として低血圧高血圧更年期障害不安神経症などが挙げられます。

浮動性めまいは、立ちくらみ・脱力感・頭痛を伴うことがあり、 身体や頭を動かしたときに増強することもあります。

つらいときは、楽な姿勢をとり、安静を保つことが大切です。

当院の鍼治療(生体制御療法)の考え方

体内には体の平衡(バランス)を保つ仕組みがあります。
耳や脳などの影響でこの仕組みが乱れると、バランスが崩れてめまいが起こります。

① 全身の調整(自律神経の調整)

自律神経の調整を目的に、生体制御療法として黒野式全身調整基本穴(13経穴)への治療を行います。

② 局所へのアプローチ(翳風 など)

めまいに用いられる翳風(えいふう)に、円皮鍼を使用します。
円皮鍼はテープで貼り付けておく鍼で、やさしい刺激を持続的に入れていきます。

③ 超音波治療の併用

鍼の治療効果を高め、必要な部位の血流を促す目的で、 超音波治療機を併用することがあります。

東洋医学研究所®グループでは、このように全身の調整局所の症状改善の両面から、 めまいに対する鍼治療を行っています。

実際の臨床で感じること

めまいを訴えて来院される患者さんは多いですが、原因を理解した上で、 適切な刺激量で鍼治療を行うことで、改善に向かわれる方が多い印象です。

※症状や背景は人それぞれ異なるため、状態に合わせて治療内容は調整します。

痛くなく、副作用の少ない鍼治療をお試しください

「鍼は痛そう」「副作用が心配」
そんな不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。

めまいでお困りの方にとって、鍼治療(生体制御療法)は 症状を改善できる可能性のある治療法だと考えています。

投稿者: 井島鍼灸院

2026.02.24更新

 

腕の疲れに効くツボ「手三里」— その一点が、全身とつながっている —

ツボ解説

腕の疲れに効くツボ「手三里」
— その一点が、全身とつながっている —

スマホ・キーボード・マウスで酷使される腕。肘の近くにある「手三里」は、 腕の疲れだけでなく、顔や口元、胃腸にも関係することがある重要ポイントです。

 

あなたは、毎日どれくらい腕を使っていますか?

スマホ、キーボード、マウス。現代人の腕は、かつてないほど酷使されています。

こんなお悩み、ありませんか?

  • なんとなく腕が重い・だるい
  • 前腕が張って疲れやすい
  • 手や肩までつらくなってくる

今日は、そんな疲れた腕の中に隠れた“エネルギーの集まる場所”を紹介します。

肘の近くにある重要なツボ

手三里は、肘の近くにあります。
肘を曲げたときにできるシワの外側端から、指3本分ほど手首側へ進んだところ。

そこで腕に力を入れると、モコッと盛り上がる筋肉が触れます。これは 腕橈骨筋(わんとうこつきん)という、腕の力を支える重要な筋肉です。

その筋肉の盛り上がりの“麓”あたり。そこにあるのが、 「手三里(てさんり)」です。

足三里の“兄弟分”

「三里」と聞いてピンとくる方もいるかもしれません。そう、あの有名な 足三里です。

昔から足三里には「お灸をすれば、あと三里(約12km)歩ける」という伝承があります。 足三里が“健脚のツボ”なら、手三里は“剛腕のツボ”。

昔の飛脚や労働者にとって、足が移動手段なら、腕は荷物を持つための道具でした。 「このツボを刺激すれば、腕の疲れが取れ、さらに三里の距離、重い荷物を運び続けられる」 という説も伝えられています。

「里」という字の意味

「里」には、人が集まる場所、そして「エネルギーが集結する場所」という意味が込められている と考えられています。

実は“急所”でもある場所

手三里には、もう一つの側面があります。武術や護身術では、ここは“急所”としても知られています。

手三里の深部には、橈骨神経(とうこつしんけい)という重要な神経が走っています。 ここに強い刺激が加わると、電気が走るように痺れたり、一時的に握力が落ちたりすることがあります。

力を生み出す“剛腕の源”は、ひとたび攻められれば力を失う“脆いスイッチ”でもある、というわけです。

腕なのに、歯や顔にも関係?

さらに興味深いのは、手三里が腕だけに留まらないことです。臨床では、 歯の痛み顔のニキビや吹き出物胃腸の不調に用いられることもあります。

「なぜ腕のツボが顔や内臓に?」その鍵が、体中を張り巡らす“見えない路線図”、 経絡(けいらく)です。

手三里は「大腸経」の重要ポイント

手三里は手の陽明大腸経に属します。この経絡は、 人差し指から始まり、腕を駆け上がり、首を通って、下の歯に入り、最終的に鼻の横へとつながる とされています。

つまり、腕にある小さな「里」は、顔面や口元へ直通する“ハイウェイ”の重要拠点なのです。

小さな一点に広がる世界

腕にある小さなツボ。しかしそこには、歴史、武術、そして全身へとつながる壮大なネットワークが 隠されています。

もし最近、腕のだるさを感じているなら、手三里をやさしく押してみてください。 体のつながりを、きっと実感できるはずです。

当院では、腕の疲れだけでなく、首・肩・自律神経の状態も含めて全身を確認しながら施術を行います。

※強い痛みやしびれが続く場合は、医療機関での検査もご検討ください。

投稿者: 井島鍼灸院

2026.02.21更新

難経 第八難 ― 生命の火はどこにあるのか?

難経 第八難 ― 生命の火はどこにあるのか?

「脈が正常でも、なぜ人は死に至るのか?」――難経が投げかけた“生命の根”の話を、わかりやすくまとめます。

「手首の脈が正常なのに、人はなぜ亡くなるのか?」
少し不思議に聞こえるかもしれませんが、これは東洋医学の古典『難経』が、約二千年前に真正面から問いかけたテーマです。
この問いを扱ったのが「難経 第八難」です。

不思議な問い

「寸口の脈が平(正常)であるのに、死んでしまう者がいる。これはなぜか?」

寸口とは、手首で診る脈のこと。
つまり「脈に異常がないのに、人が亡くなるのはなぜか?」という問いです。

現代的に言えば、「バイタルサインは安定しているのに、突然状態が悪化するのはなぜか?」という疑問に近いかもしれません。

生命の根源 ― 腎間の動気

難経はこう説きます。

「十二経脈は、すべて生気の原につながる。その生気の原とは、腎間の動気である。」

腎間の動気とは、単なる腎臓の働きではありません。
これは人が生きるための根本的なエネルギー――いわば「生命の火種」を指します。

難経では、この動気を次のように表現します。

  • 五臓六腑の本
  • 十二経脈の根
  • 呼吸の門
  • 三焦の原

つまり、全身の働きが動き出す出発点がここにある、と考えられているのです。

木にたとえられる生命

難経は生命を木にたとえて説明します。

「気は人の根本である。根が絶えれば、茎や葉は枯れる。」

人間の身体を一本の木とするなら、

  • 枝葉=十二経脈や各臓腑の働き
  • 根=腎間の動気

枝葉がまだ元気に見えても、根が腐れば、やがて木は倒れます。
同じように、表面の脈が整っていても、生命の根源である生気が尽きれば、人は生きられない。
これが古典の言葉でいう、 「寸口脈平にして死する者は、生気独り内に絶す」 の意味です。

先天の気と後天の気

東洋医学では、気を二つに分けて考えます。

  • 後天の気:食事や呼吸から得られるエネルギー
  • 先天の気:親から受け継ぐ、生まれ持った生命力

そして腎間の動気は、先天の気と深く関係する場所とされます。
後天の気が十分でも、先天の気が尽きれば生命は支えられない。
この考え方は、後に「命門」という概念へ発展していきます。

臨床での意味

この教えは、現代の鍼灸臨床でも重要です。
脈が整っているのに、どこか力がない。表面は穏やかでも、奥に生命力を感じない。
こうした脈は、予後を慎重にみる必要があります。

だからこそ治療は、

  • 原穴治療
  • 根本治療
  • 積聚を整える治療

など、原気を補い、生命の根を支える方向へ向かいます。
症状だけでなく、その人の「根」を診る。
それが東洋医学の特徴です。

生きているとは何か

難経第八難は、私たちに本質的な問いを投げかけます。
「生きている人と、亡くなった人の違いは何か?」

難経の答えは明快です。

「気が宿っているかどうか」

気が身体を離れれば、生命は終わる。
だから東洋医学は、気を診る医学なのです。

 

まとめ

難経第八難が伝えているのは、
「目に見える脈だけでなく、目に見えない生命の火を診よ」という教えです。

  • 枝葉が青くても、根が枯れれば木は倒れる
  • 生命の根にあたるのが「腎間の動気」
  • 症状だけでなく“根(原気)”を支える治療が大切

だからこそ私たちは、腎間の動気――生命の根を守る治療を行う。
これこそが、鍼灸医学の原点です。

投稿者: 井島鍼灸院

2026.02.19更新

 

心が落ち着かない・眠れない時に整えたい「神門」

心が落ち着かない・眠れない…そんな時に整えたい「神門」というツボ

「なんだか心が落ち着かない」

「布団に入っても眠れない」

「不安で胸がザワザワする」

こうした状態が続くと、心も体も疲れてしまいますよね。

東洋医学には、心と精神を整える“要のツボ”があります。

それが――神門(しんもん)です。

神門とはどんなツボ?

神門は、手の少陰心経(しんけい)に属する経穴です。

心経は、東洋医学でいう「君火」の性質を持ち、

  • 精神活動
  • 血の巡り
  • 意識活動

を統括する、とても重要な経絡とされています。

神門は心経の「原穴」です。

原穴とは、経絡の働きが最も純粋に現れるポイントのこと。

つまり神門は、心の働きそのものに深く関わるツボなのです。

神門の位置と取り方

神門は手首の内側・小指側にあります。

見つけ方

  1. 手のひらを上に向ける
  2. 手首の横ジワをたどる
  3. 小指側にある小さなくぼみを探す

そこが神門です。

目印は、

  • 尺側手根屈筋腱
  • 豆状骨

この腱のすぐ内側、手首の横ジワと交わるくぼみが神門になります。

注意

周囲には神経や血管も通っています。セルフケアで押すときは、強く押しすぎず「気持ちいい圧」で短時間にしましょう。

なぜ「神門」と呼ばれるのか

東洋医学には「心は神を蔵す」という考えがあります。

ここでいう「神」とは、

  • 精神
  • 意識
  • 感情
  • 心のはたらき

を意味します。

そして「門」は出入り口。

つまり神門とは、精神が出入りする大切な門という意味です。

さらに神門は原穴として、心の機能に直接関わる重要なポイントと考えられてきました。

まさに「精神の正門」ともいえる場所です。

神門の働きと効果

神門は古くから、

  • 安神(あんしん)
  • 寧心(ねいしん)

の要穴として重視されてきました。

主な働き

  • 心を落ち着かせる
  • 心拍や循環の乱れを整える

よく使われる症状

  • 不眠、夢が多い
  • 不安、緊張、焦燥感
  • 動悸、胸のざわつき
  • ストレスによる自律神経の乱れ
  • 健忘、驚きやすさ、抑うつ傾向

こうした神志(しんし)の乱れに、幅広く用いられてきました。

五行から見た神門

神門は五兪穴では「兪穴」にあたり、五行では「土」の性質を持つとされます。

このため、

  • 高ぶった心火を鎮める
  • 心血・心陰を穏やかに整える

といった、強すぎず静かに整える作用が特徴です。

「効かせる」というより、「落ち着かせる・戻すツボ」といえるでしょう。

現代的な視点から見た神門

神門刺激については、

  • 副交感神経活動を高める
  • 心拍変動を安定させる

といった報告もあり、自律神経と心機能を結ぶポイントとして注目されています。

また、脳の情動中枢や自律神経系との関連を示唆する研究もあり、「心と脳と神経」をつなぐツボとして解釈が進んでいます。

 

神門をひと言で表すなら

「心の平穏を守る正門」

心の中で火が強くなりすぎたとき、不安や動揺があふれそうなとき。

この門を整えることで、内側のバランスが静かに戻っていく――。

だからこそ神門は、不眠・不安・ストレスの時代において、最も信頼され続けてきたツボのひとつなのです。

眠り・不安・自律神経の乱れでお悩みの方へ

つらさが続く場合は、無理せず専門家にご相談ください。

投稿者: 井島鍼灸院

2026.02.16更新

こんにちは。
今日は、東洋医学の根幹をなす
「経絡(けいらく)」という、不思議なネットワークについて
図解を交えながらお話しします。

みなさんは「ツボ」という言葉を
一度は聞いたことがあると思います。

ツボはご存知ですか?

では、そのツボ同士をつないでいる
道については、どうでしょうか。

実は、私たちの体には
一つひとつのツボを結び、
全身に影響を与える
壮大なネットワークが存在しています。

それが
「経絡」です。

人体の経絡図

[Image of Human Body Meridian Chart]

経絡とは、
生命エネルギーである「気」と
体を養う「血」が流れる、
体の中の、見えない通り道です。

西洋医学でいう
神経や血管のように、
内臓と体の表面、
そして全身の各部分をつなぎ、
体のバランスを保つ
とても重要な役割を担っています。

経絡を構成する二つのシステム

この経絡には、
大きく分けて
二つのシステムがあります。

  • 十二正経(じゅうにせいけい)
    全身を巡るメインルートで、いわば「本線」です。
  • 奇経八脈(きけいはちみゃく)
    全体のバランスを整えるサブルートで、「バイパス」の役割を持ちます。

ここから、それぞれを
もう少し詳しく見ていきましょう。

十二正経

まずは、
メインのネットワーク
「十二正経」です。

これは、
全身に張り巡らされた
十二本の主要ルートで、
五臓六腑と体の各部分を
直接つないでいます。

五臓六腑とつながる12のルート

これらの経絡が
連動して働くことで、
私たちの生命活動は
支えられています。

そのため、
どこかの流れが滞ると、
その経絡に関係する
臓器や筋肉、皮膚に
不調が現れます。

例えば、
胃の調子が悪いとき。
その影響が
胃経の流れに沿って、
顔の吹き出物や
脚の重だるさとして
現れることがあります。

経絡は、
一見関係なさそうな不調同士を
結びつける
「体の地図」なのです。

奇経八脈

一方、
奇経八脈は
体全体のバランスを
微調整するための
裏ルートです。

普段は目立ちませんが、
本線にトラブルが起きたとき、
全体の調和を保つ
セーフティネットとして
働きます。

任脈(にんみゃく)と督脈(とくみゃく)

中でも特に重要なのが、
体の中心を走る
この二本です。

任脈は、
体の前側の中心を通り、
陰の気をまとめます。

督脈は、
背中の中心を通り、
陽の気を統括します。

この二つが、
体全体の
陰と陽のバランスの
土台となっています。

鍼灸治療はいかにこの地図を活かすのか

では、
鍼灸治療では
この経絡を
どのように使うのでしょうか。

私たち鍼灸師の目的は、
単にツボを刺激すること
だけではありません。

そのツボが属する
経絡全体の流れを見極め、
気の交通網の渋滞を解消し、
スムーズに流れる状態へ
導くことです。

二つのアプローチ

  • 日常的な不調には、十二正経の調整。
    内臓や筋肉といった具体的な不調に対応し、体のコンディションを整えます。
  • 長く続く不調や原因がはっきりしない症状には、奇経八脈を活用します。
    自律神経やホルモンバランスなど、体の土台から整えるアプローチです。

心と体の調和

経絡の流れを整えることは、
内臓だけでなく、
自律神経や感情の不調にも
深く関わっています。

目に見えない
気の通り道を整えること。
それが、
東洋医学が目指す
心と体の
トータルな調和です。


ご自身の体にある
「見えない地図」に
少しでも
興味を持っていただけたでしょうか。

なんとなく不調が続く。
バランスが崩れている気がする。

そんなときは、
ぜひ一度、
ご自身の経絡の状態に
目を向けてみてください。

投稿者: 井島鍼灸院

2026.02.14更新

こんにちは、岐阜市の井島鍼灸院です。

「ちょっとした物音ですぐに目を覚ましてしまう」
「洋服のタグや靴下の縫い目を嫌がる」
「一度泣き出すと、なかなか泣き止まない(癇癪がひどい)」

子育て中の親御さんから、このようなご相談を受けることが増えています。
もし、お子様にこのような様子が見られる場合、それは育て方のせいではなく、お子様が「HSC(ひといちばい敏感な子)」という気質を持っているからかもしれません。

今日は、繊細なお子様の心と体を守る、薬を使わない「東洋医学(小児鍼)」のアプローチについてお話しします。

「HSC」とは?病気ではなく「個性」です

HSC(Highly Sensitive Child)は、病名や障害名ではありません。
生まれ持った「気質(性格)」のことで、5人に1人はこのタイプだと言われています。

HSCのお子様は、感受性がとても豊かで、人の気持ちに寄り添える優しい心を持っています。
しかしその反面、外部からの刺激(音、光、匂い、人の感情など)を敏感にキャッチしすぎてしまい、脳と体が常に緊張状態で疲れ切っていることが多いのです。

その疲れやストレスが、夜泣きや癇癪(かんしゃく)、おねしょ、チックといった症状として現れることがあります。

東洋医学で見る「子どもの敏感さ」

昔の日本では、こうした症状を「疳の虫(かんのむし)」と呼んでいました。
東洋医学では、これを「気の巡りが滞っている状態」と考えます。

子どもは成長のエネルギーが溢れていますが、体がまだ未発達なため、エネルギーのコントロールがうまくいきません。
HSCのお子様のように外からの刺激を強く受け止めすぎると、体の中でエネルギーがパンパンに膨らんでしまい、爆発してしまうのです。
これが、激しい夜泣きやイライラなどの原因になります。

薬を使わない選択肢「小児鍼(しょうにしん)」

「子どもに鍼(はり)なんて、痛そうで可哀想…」
そう思われる親御さんも多いかと思います。

ですが、当院で行う子どものための鍼治療(小児鍼)は、大人の鍼とは全く別物です。
体に鍼(はり)を刺すことは一切ありません。

  • 刺さない: 皮膚の表面を鍼(はり)で優しく撫でたり、さすったりします。
  • 痛くない: 羽毛で撫でられているような、とても気持ちの良い刺激です。
  • 短時間: お子様の負担にならないよう、数分〜10分程度の短い時間で終わります。

なぜ、皮膚を撫でるだけで落ち着くの?

「皮膚は露出した脳である」という言葉をご存知でしょうか?
皮膚と脳は、お母さんのお腹の中で受精卵から分裂する際、同じ場所(外肺葉)から生まれます。つまり、皮膚と脳は兄弟のような密接な関係にあります。

小児鍼で皮膚を優しく刺激することで、その信号が脳に伝わり、「オキシトシン(愛情ホルモン・安心ホルモン)」の分泌を促します。
これにより、高ぶっていた自律神経が整い、深いリラックス効果が得られるのです。

その結果、

  • 夜ぐっすり眠れるようになる
  • 情緒が安定し、癇癪が減る
  • 免疫力が高まり、風邪を引きにくくなる

といった変化が期待できます。

一人で悩まず、ご相談ください

HSCのお子様を持つ親御さんは、「私のしつけが悪いのでは」と自分を責めてしまいがちです。
でも、決してそうではありません。お子様のアンテナが少し感度が良すぎるだけなのです。

井島鍼灸院では、お子様の体質に合わせた優しい施術をします。
薬を使わず、お子様が本来持っている「治る力」「育つ力」を引き出すお手伝いをさせていただきます。
お子様の夜泣きや癇癪、敏感さでお困りの方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。


とても感受性が豊かな子『HSC』 薬を使わない東洋医学という選択肢!

「うちの子、ちょっと敏感すぎるかも…」
「些細な音で起きてしまう」
「一度泣き出すと止まらない」
そんなお悩みを持つ親御さんへ。

今日は HSC(ひといちばい敏感な子) という気質と、
薬を使わない東洋医学・小児鍼によるサポート についてお話しします。

HSCとはどんな気質?

HSCとは
Highly Sensitive Child ― とても感受性が豊かな子
のこと。
病気でも、発達障害でもありません。
生まれ持った気質で、約5人に1人いると言われています。

HSCの子は

  • 音や光、匂い、服のチクチクに敏感
  • 人の表情や空気をすぐに感じ取る
  • 間違いや失敗を強く恐れる
  • 共感力がとても高い

だからこそ
外からの刺激を受け取りすぎて、
心と体が常に緊張し、疲れやすい 傾向があります。

その結果として
夜泣き
癇癪
おねしょ
チック
不安の強さ
といった形で現れることもあります。

東洋医学で見る「敏感さ」

昔の日本では、
子どものこうした状態を 「疳の虫」 と呼びました。
東洋医学では
刺激を受けすぎて、体の中のエネルギーがうまく巡らない状態
と考えます。

子どもは成長エネルギーがとても強い反面、
まだコントロールする力が未熟です。
HSCのように刺激を強く受け止めると、
体の内側がパンパンに張りつめ、
それが 夜泣きや癇癪として外にあふれる のです。

つまり
「しつけの問題」ではなく
体の調整が追いついていない状態 と捉えます。

小児鍼とは?

「子どもに鍼は痛そう…」
そう思われる方も多いかもしれません。

でも 小児鍼は刺しません。
鍼で皮膚をなでる
軽くさする
それだけです。
羽毛で撫でられるような心地よさです

時間は2〜10分ほど。
負担はほとんどありません。

なぜ優しく触れるだけで落ち着くの?

皮膚と脳は
お母さんのお腹の中で 同じ細胞から生まれた兄弟 のような関係です。
皮膚へのやさしい刺激は
直接、脳へ安心の信号を送ります。

そのとき分泌されるのが
オキシトシン(安心ホルモン)。

これにより

  • 自律神経が整う
  • 体の緊張が抜ける
  • 眠りが深くなる
  • 情緒が安定する

といった変化が期待できます。

HSCの子にとって
「刺さない・優しい・安心できる」 小児鍼は
とても相性の良いケア方法の一つです。

もし
「うちの子はHSCかも…」
と感じたら、
どうか
親のせいではない と知ってください。

それは
豊かな感性を持って生まれてきた個性 です。

環境を整え
関わり方を工夫し
必要に応じて
小児鍼のような体からのケアを取り入れる。
その積み重ねが
「わたしは、このままで大丈夫」
という安心感を育てていきます。

繊細な子どもと親御さんの心が
少しでも軽くなるお手伝いができれば嬉しいです。

投稿者: 井島鍼灸院

2026.02.12更新

みなさん、こんにちは。
今日は、ここ数年で急に増えている頭痛についてお話しします。

それは、
メガネ・マスク頭痛

夕方になると
こめかみや耳の上が重い。
マスクやメガネを外すと、少し楽になる。
そんな経験、ありませんか。

実はその不調、
耳の上にある「角孫(かくそん)」というツボが関係しているかもしれません。

角孫は、
手之少陽三焦経(てのしょうようさんしょうけい)に属するツボで、
耳の上、髪の生え際にあります。

ちょうど、
メガネのツルや
マスクの紐が当たり続ける場所です。

角孫という名前の意味

まずは、
角孫という名前の意味から見ていきましょう。

「角」は、
かど、端、つの、
そして、髪を束ねた形を表す言葉でもあります。

一方の「孫」は、
子孫の孫という意味だけでなく、
細かく枝分かれしたもの
つまり、細い血管や経絡を表す言葉です。

この二つを合わせた「角孫」は、
顔の角にある、細かく分かれるポイント
という意味になります。

実際に角孫は、
耳の前上角、髪が自然に流れ落ちる境目に位置しています。
名前そのものが、
場所と役割をそのまま表しているツボなんですね。

どんな症状に使われてきたのか

では、
角孫はどんな症状に使われてきたのでしょうか。

古い資料では、
まず真っ先に挙げられているのが
眼の病気です。
目の奥の重さや疲れ。

次に、耳のトラブル
さらに、
頭痛、歯の痛み、三叉神経痛。
首の痛みや、あごが動かしにくい症状。
鼻炎や、吐き気、黄疸といった症状にも使われてきました。

共通しているのは、
頭・顔・感覚器のトラブルです。

ここで、
角孫をイメージで捉えてみましょう。

角孫は、
建物の「角」にある
小さな分岐点の通路のような存在です。

耳の上という顔の角に位置し、
そこから
目、耳、歯、あごへと
細かく気血を送り分けています。

だからこそ、
この場所が固くなったり、圧迫され続けると、
周囲に不調が広がっていきます。

長時間のマスクとメガネ

そして、
ここで現代ならではの問題が出てきます。
それが、
長時間のマスクとメガネ

メガネのツル。
マスクの紐。
これらが、
一日中、角孫の周辺を
じわじわ圧迫し続けます。

すると、
側頭部の筋肉や神経が緊張し、
慢性的な頭痛やコリにつながっていきます。

病気ではないけれど、
確実にツラい。
それが、
「メガネ・マスク頭痛」です。

角孫のあたりを
やさしく緩めてあげると、
頭の重さがスッと抜けたり、
目や耳が楽になったり、
首や肩まで軽く感じることもあります。

原因不明だと思っていた頭痛が、
実は
耳の上の圧迫だった。
そんなケースは、
決して少なくありません。

もし、
夕方になると頭が重い。
メガネやマスクを外すとホッとする。
そんな方は、
一度、耳の上。
角孫のあたりを意識してみてください。

そこには、
現代人の不調を解くヒントが、
静かに隠れています。

投稿者: 井島鍼灸院

2026.02.08更新

「原因がわからない不調…その裏で起きていたこと」

みなさん、こんにちは。
今日は、
「検査では異常がないのに、つらい症状が続く」
そんな 不定愁訴(ふていしゅうそ) に悩まされた一人の女性のお話を通して、
鍼治療が体と心にどのように働いたのか をお伝えします。

ある女性の悩み

この方は、当時38歳の女性。
主な悩みは、慢性的な肩こりでした。
でも、実はそれだけではありません。

  • 体がだるい
  • 耳鳴りがする
  • 目の奥が痛い
  • 眠れない
  • 薬を飲むと、今度は強烈な眠気に襲われる…

検査をしても、
耳鼻科でも、内科でも、整形外科でも
「異常なし」。

ようやく心療内科で
「自律神経失調症」 と診断されました。

なぜこのような状態になったのか

では、なぜこのような状態になったのでしょうか。
背景には、
短期間に重なった大きなストレスがありました。

  • 義父の脳梗塞による看病
  • 断れなかったPTA役員
  • パートの仕事で責任者に昇格

もともと真面目で几帳面な性格。
「ちゃんとやらなきゃ」と頑張り続けた結果、
気づかないうちに 心と体のバランス が崩れていったのです。

薬を飲めば症状は和らぐ。
でも、その代わりに
日中も耐えられないほどの眠気。
「このまま薬に頼り続けていいのだろうか…」
そう思い、
鍼治療を探して来院されました。

鍼治療のアプローチ

初診時、
血圧は低め、体重も減って、
体を支える力が弱り、自律神経の調整がうまくいかない状態。

そこで行ったのは、

  • 全身のバランスを整える鍼
  • 肩や頭など症状に合わせた鍼

目的は、
体が本来持っている「整える力」を目覚めさせることです。

回復への道のり

治療を重ねる中で、
すぐに劇的な変化が起きたわけではありません。
眠れない夜
動悸
寝汗
不安になる場面もありました。

でも、

  • 仕事を一度休めたこと
  • 家族の理解と協力
  • 体の変化を一緒に確認しながら進めたこと

これらが大きな支えになりました。

そして少しずつ…

  • 眠れる時間が増える
  • 日中の眠気が減る
  • 肩こりが軽くなる
  • 仕事への自信が戻る

最終的には、
薬を使わなくても、日常生活が送れる状態に。

客観的な評価でも、
不定愁訴の指数は
28点 から 7点
75%の改善が見られました。

この症例からわかること

不定愁訴や自律神経の乱れは、
「気のせい」でも
「弱さ」でもありません。

ストレスが重なり、
体の調整システムが疲れてしまった結果です。
鍼治療は、
そのシステムをそっと立て直す
一つの選択肢になり得ます。

もし今、
原因がわからない不調で悩んでいるなら、
「整える」という視点
思い出してみてください。
あなたの体には、
まだ回復する力が残っていると信じます。

投稿者: 井島鍼灸院

2026.02.06更新

 

「最近、目が小さくなった気がする」

「最近、目が小さくなった気がする」
「おでこのシワが深くなった……」
そう感じることはありませんか?

それは単なる加齢ではなく、
額の筋肉が「シャッター」のように降りてきているサインかもしれません。

今日解説するのは、
そんな「下がってきた額」を持ち上げ、
視界を劇的に明るくする重要なツボ。
「陽白(ようはく)」です。

解剖学的なメカニズムと、
経絡の不思議なつながりについて、
3分間で紐解いていきましょう。

「陽白」という、光り輝くような名前について

まずは「陽白」という、
光り輝くような名前について。

「陽」は天の気、
つまり宇宙のエネルギーそのものを表します。
陰と陽、2つのバランスで世界は成り立っていますが、
陽はその中でも、
明るく・上昇して・活動的なエネルギーを意味します。

太陽が山の南側を照らし、川の北岸に光が当たる場所。
それが「陽」と呼ばれるところです。

「白」は、
明るさ・清らかさ・透明感を表す言葉です。
五行でいうと「金」の性質に属し、
肺や清潔・純粋といった意味を持ちます。
また、「白」には光る、輝く、明らかになるという意味もあります。

「陽白」の陽は、上に昇る光。
白は、清く輝く明るさ。
この二つが合わさって、
まるで太陽の光が目の奥に差し込み、
視界が明るく広がるようなツボを表しているんです。

つまり、「おでこにある太陽」のようなツボ。

ここを刺激することで、
沈んでいた太陽が昇るように、
重たいまぶたが持ち上がり、
視界が「白く」明るくなることから名付けられました。

古代の人は、
目がパッと開いて世界がクリアに見える感覚を、
この美しい名前で表現したのです。

場所と探し方

次に場所は、
眉の中央、瞳孔の真上から指一本分上のあたり。

軽く押すと、
少しくぼんでいて「気持ちいい」と感じるポイントが目安です。
鏡を見ながら、そっと指で触れてみてください。
スッと視界が明るくなるような感覚がある方もいますよ。

皮膚の下では何が起きているのか

[Image of frontalis muscle anatomy]

では、皮膚の下では何が起きているのでしょうか。
解剖学的に見ると、陽白は「前頭筋(ぜんとうきん)」という、
眉毛を引き上げる筋肉の真上にあります。

この前頭筋が緊張して硬くなると、
眉毛を持ち上げられなくなり、
結果としてまぶたが被さってきます。

そしてここは、
三叉神経の枝である「眼窩上神経(がんかじょうしんけい)」が走る
重要なポイントでもあります。

経絡の不思議なつながり

さらに面白いのが「経絡」のルートです。
陽白は「足の少陽胆経(しょうようたんけい)」に属しています。

このルートは、
目の横から始まり、耳の周りをグルグルと回って、
頭の横側、そして足先へと繋がっています。

そのため、このツボは単に目をパッチリさせるだけでなく、
片頭痛や、顔面神経麻痺、三叉神経痛といった、
顔と頭の神経トラブル治療の要として使われます。

顔の表面だけでなく、
頭の側面や神経系にまで影響を及ぼす、
非常にパワフルな場所なのです。

「陽白」を制する者は、表情の明るさを制する。

単なる美容目的だけでなく、
顔面神経麻痺や眼精疲労、三叉神経痛の治療にも欠かせない、
プロが信頼を置くツボの一つです。

視界が暗いと感じたら、
それは「陽白」を使うサインかもしれません。

投稿者: 井島鍼灸院

2026.02.02更新

「なぜ手首の脈だけで、全身がわかるのか?」

みなさんは、
手首の親指側を、そっと触れるだけで──
体じゅうの状態や、生命力までも読み取れる。
そんな話、信じられますか?

実はこれ、
東洋医学の古典「難経」の第一章、
難経一難(なんぎょういちなん)が、真正面から投げかけている問いなんです。

難経一難は、こんな大胆な疑問から始まります。

「全身には、たくさん脈を触れられる場所がある。
それなのに、どうして手首の寸口(すんこう)だけを診て、
五臓六腑の調子や、生死の行方まで判断できるのか?」

現代の私たちが聞いても、
「本当に?」と思ってしまう問いですよね。

しかし、難経が示した答えは、とてもシンプルです。

「寸口は、脈の大会である」

脈の大会。
つまり、全身をめぐるすべての情報が、
最後に集まってくる終着駅だというのです。

では、なぜ手首の寸口に、
全身の情報が集まるのでしょうか。
ここには、東洋医学ならではの二つの大きな理由があります。

理由その一:肺の役割

まずひとつめは、肺の役割です。
寸口は、手の太陰肺経という、肺の経絡の上にあります。

東洋医学で肺は、
全身の「気」をコントロールする司令塔。

すべての経絡は、必ず肺に「朝(ちょう)する」
──つまり、一度は肺に挨拶に来る、
というルールがあります。

だから、肺の経絡上にある寸口を診れば、
全身から届いた最新ニュースをまとめて受け取ることができるのです。

理由その二:呼吸と循環の視点

そして、ふたつめが、
呼吸と循環という視点です。

難経には、こんな数字が記されています。

人は、一回の呼吸で、
気と血を六寸進める。

それを一日一夜で数えると、
およそ一万三千五百回の呼吸。

その結果、
栄気(えいき)と衛気(えき)は、全身を五十周めぐり、
必ず寸口へ帰ってくる。

つまり寸口は、
呼吸によって生まれた生命のリズムが、
何度も何度も集約される場所。

いわば、
全身をめぐるエネルギーの入り口であり、出口であり、検問所なんですね。

医学界への革命的な宣言

だから難経は、こう宣言します。

「全身どこでも脈は触れられる。
しかし、診るべきは寸口ひとつで足りる」

これは、当時の医学界にとって、
まさに革命的な考え方でした。

それまでの医学では、
喉の人迎(じんげい)、足の趺陽(ふよう)など、
あちこちの脈を診る必要がありました。
難経はそれを、
「手首一箇所で十分だ」と整理し、
診断を一気にシンプルにしたのです。

生命の拍動に触れるということ

でも、難経一難が本当に伝えたかったのは、
単なる効率の良さではありません。

人の身体は、
呼吸、時間、自然のリズムと響きあって生きている。
寸口の脈は、
その生命の拍動そのもの。

ただ手首に触れているだけなのに、
そこには、全身の今と、
生きる力の強さが刻まれている。

難経一難は、
そんな壮大な生命観への扉を、
静かに開いてくれる章なんです。

この視点を持って脈に触れると、
手首の一拍一拍の「重み」が、
きっと変わって感じられるはずです。

投稿者: 井島鍼灸院

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